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在宅介護をしている方必見!介護Q&A~(2)3つのタイプ別「介護サービスをかしこく利用する方法」~

【実録】介護の本質
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はじめに

「介護・福祉のお話」ch。今回は「在宅介護をしている方必見!介護Q&A」

介護に関する様々な悩みや不安などについて、福祉業界25年のキャリアを持つ筆者が主任ケアマネージャーの視点のみならず1人の人間としての視点からも現状を踏まえ、誠心誠意お答えしていく内容です。

ここでお伝えする内容を押さえておくことで、介護に関する知識や経験など全くない方でも心にゆとりができ、身体にも負担をかけないで安心して介護を行っていくことができます。

前回の更新後、サイトをご覧になられた方から「介護サービスを利用するにあたって、気をつけないといけないことは何ですか?」といったご相談がありましたので、この件についてお答えしたいと考えます。

前回の内容の中で、最後に触れた「介護保険制度の基本理念」に則ってお伝えすると「できないことを支援(サポート)してもらう」にはなるんですが、「何をサポートしてもらうか」によって内容は様々であり、介護に対する考え方によっても変わってきます。

そこで今回は

  1. 「自分や家族が介護をしていくため」
  2. 「介護そのものをサービスに委ねるため」
  3. 「経済面での不安をなくすため」

といった3つの考え方のタイプに分けて「介護サービスをかしこく利用するための方法」についてお伝えします。

現在、介護のことで悩んだり苦しい思いをしているあなたへ、そういった悩みなどから解放され、心穏やかに介護していく方法をお伝えしますので、どうぞ最後までご覧ください。

介護に対する考え方のタイプ別「介護サービスのかしこい利用法」

先程お伝えした「3つの考え方」のタイプに通じるお答えとしては、このようになります。

①について→介護をすることについてサポートしてもらう

②について→介護することそのものをサポートしてもらう(時間をサポートしてもらう)

③について→経済的なことをサポートしてもらう

1つずつ解説していきますね。

介護することについてサポートしてもらう

これが主に「自分や家族で協力して介護するけど、どうしたら上手くいくのか知りたい」という考え方になります。

  • 家族が協力的であり、自らも積極的に介護を続けていこう!
  • 家族は協力的ではないけれど、もっと自分にできることを増やしたい!
  • 同じ思いを持っている方と情報を共有したい!

という方などもこれに当たりますね。

こういった方には「自治体が行っている茶話会や介護教室、セミナーなどに参加する方法」があります。

茶話会というのは「お茶を飲みながら、他愛もない話などをするおしゃべりの場」と考えてもらえたらいいです。

一種の気分転換にもなりますし、場合によっては同じ境遇の方もいらっしゃるかもしれませんので、何気ない会話をしながら交流を深めていくことができます。

介護教室では、食事や排せつなど、普段の介護においての「ポイントやコツ」を教えてくれる他に「介護サービスについての情報」などを知る機会にもなると考えます。

セミナーについては、施設や事業所の専門職の方が講師になって、介護に関する専門的な視点からお話をされるものです。

場合によってはグループになって「簡単にできる介護予防体操」や「お口の健康を守る方法」などを一緒に行っていくものもありますので、参考までにお伝えしておきますね。

いずれも市町村の福祉相談窓口や社会福祉協議会、地域包括支援センターなどに問い合わせると、詳しい内容を教えてくれますので、ぜひとも活用してみてください。

介護することそのものをサポートしてもらう(時間をサポートしてもらう)

これが主に「周りからの協力もなく、ただただ押し付けられるばかり。介護することに疲れてしまった…何をどうしたらいいか分からない」という考え方になります。

こうなってしまうと、もはやお家で介護することは「黄信号状態」となっていて、例えていうなら元横綱が記者会見で仰っていた「体力の限界!…気力もなくなり、引退することとなりました…」といった状態です。状況的には極めて悪く、一刻も早くここから抜け出さないといけませんよね…

こういった方々が今、一番多いのではないでしょうか。

ここで必要になって来るのが「専門的な知識を持った方へのアプローチ」になります。

いわゆる「介護保険サービスの利用」の足掛かりになる訳です。

「でも…利用の仕方が良く分からないんだけど…」って方、多いですよね。

知らないのは当然です。今まで知るきっかけがなかったんですから。

介護保険サービスの利用の仕方が分からない方って、日本国中で約3~4割もいらっしゃいますので、何もあなたが特別知らなかったのではありませんので安心してくださいね。

では、利用の仕方を簡単にお話していきます。

〇介護保険サービスを利用するには「要介護認定」が必要になりますから、まずは市町村の介護福祉課などの窓口や最寄りの地域包括支援センターへの問い合わせを行ってください

〇諸手続を済ませると、認定調査員との調査日時の調整を行います

(電話連絡が来ます)

〇調整した日時に認定調査を行っていただき、約1ヶ月後に市町村から認定結果が送付されて来ますので確認してください。

(ここで「要介護1~5」との結果が出た場合、「介護給付」としてのサービス利用ができるようになります)

※「要支援1・2」との結果の場合は「予防給付」としてのサービス利用ができるようになりますが、ここでは主として「介護給付」でのサービス利用のお話をしていきます。

介護保険サービスには「訪問介護」「訪問入浴」「訪問看護」「訪問リハビリ」など、自宅にヘルパーさんや入浴介助をしてくれる方々、看護師さんなどが来てくれて、介護するあなたを助けてくれるものがあります。

他には「通所介護(デイサービス)」「通所リハビリ(デイケア)」といったサービスや「短期入所(お泊り)サービス」なども利用できるんですが、どのサービスが高齢者やあなたの思い、考えを満たしてくれるのかなんて見当がつかないですよね…

その役割を担ってくれるのが「介護支援専門員(ケアマネージャー)」になります。

ケアマネージャーは、高齢者・家族と施設・事業所とをつなぐ「橋渡し役」のような方ですので、高齢者やあなたの現在の状況や不安に思うこと、悩んでいることなどを伺い、思いに共感し、情報を共有しながら、現状において一番適した介護保険サービスを提案してくれます。

このケアマネージャーこそが、あなたの時間や心のゆとりを生み出す「マンパワー」を築き上げてくれる「きっかけ」になる方ですので、人柄などを見ながら関係性を創っていくことで、安心して介護について委ねることができるでしょう。

経済的なことをサポートしてもらう

これは主に「受け取る年金額も減っていき、これから先、生活が困窮してしまうかもしれないので、介護にまでお金を回してしまうと生活が成り立たなくなってしまう」という考え方になります。

長く介護を続けていると、やはり不安になるのが「経済面」でのこと…

何をするにも費用はかかるものですから、やりくりするのも大変ですよね…

生命保険文化センターのデータによると、介護にかかる費用の月額は平均78,000円。介護に要する平均期間は約4年5カ月とのことであり、単純計算すると約425万円の費用がかかるとの試算があるので、やはり「経済面での負担が大きい」のは否めません。

実際に介護保険サービスを利用するにも「1割」「2割」とはいえ、費用がかかるのは事実です。

行政が行っている「高額介護サービス費制度」や「高額介護合算療養費制度」などでカバーすることができても、やはり大きな出費がかさんでしまうことはゼロではありません。

中には「1割や2割くらいなら、限度額いっぱいまで使ってしまってもさほど負担にはならないだろう」と考える方もいらっしゃいますけど、悪いことは言いません。止めた方が賢明です。

なぜなら「高齢者の自立支援」を旗頭にする介護保険制度は、必ずしも経済面までサポートするものではないからです。

「現物給付」といって、人的支援がメインになりますから、お金で換算できるものではありませんし、毎月限度額に応じた現金を受け取れるものではないですからね。

では、どうすればいいのか。

このままでは先細りになってしまって、二進も三進もいかなくなってしまう…

ここで活用できるものとして「民間の介護保険」があります。

民間の介護保険とは、いわゆる保険会社やJA、生協などが提案する「介護保険」のことです。

こちらの方は「現金給付」になっているので、「要介護状態となって30日経過後」など、保険会社が取り決めている所定の条件をクリアすれば現金給付が受けられます。

年齢に関係なく介護が必要になった時点からの加入や受給もできるようですので、将来的な介護にかかる費用についての不安を減らす意味合いや年金収入だけでは到底生活できないといった方には検討の余地ありだと考えます。

ただし、利用する際には注意しておくことがあります。

契約する保険のタイプによっては「一括支給」「年金支給」、「貯蓄型」「掛け捨て型」「併用型」などで支給を受ける金額や保険料の高い低いがありますので、契約をする・しないはあなたのお家での介護費用がいくらになるのかを事前に計算しておいてからの判断にした方がベターだと考えます。

利用したは良いが、反って負担が増えたりする場合や必要な時に使えないといったことがあってはいけないですからね。

まとめ

今回は「介護サービスをかしこく利用するための方法」について3つのタイプに分けてお伝えしました。

日々の介護、本当にお疲れさまです。様々な悩みや問題、課題を抱えながらの介護は心も身体も疲弊してしまいますよね…

「介護の悩み相談」は、そんなあなたの「介護をする上でのバイブル」として、今後も活用してもらえれば幸いです。

それでは、また!

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