【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
スピッツ の 美しい鰭 です。
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えします。
悲しみを乗り越え、微かな希望の光の先を見据える心の強さを感じるメロディー
2023年、スピッツの46作目のシングル曲として発表されたこの曲は、同年4月14日(金)から全国東宝系にて公開の劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の主題歌として書き下ろされました。
映画の概要・あらすじはコチラ。
東京・八丈島近海に建設された 世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための海洋施設 「パシフィック・ブイ」を舞台に とある「新技術」を巡って コナンと灰原哀に黒い影が忍び寄る
この歌を制作したスピッツの草野マサムネさんは、楽曲について次のように語られています。
コナンはミステリーである以前に 壮大なラブストーリーだと思ってるので 「切ない恋の物語」にも 「ハラハラな活劇」にも 寄り添えるイメージで作りました。
淡くノスタルジックなイントロから始まり、心の中の渋滞を想起させるAメロ、抱え込んだ胸の内をさらけ出そうとするイメージのBメロへとつながり、キラキラとした輝きを放ちながら想いを昇華させるイメージのサビ。ものすごくドラマティックなメロディーラインになっています。
特に印象的なのはブリッジから大サビへと向かう部分のメロディ。
ギターが奏でるメロディーラインが静寂の中でこぼれ落ちる一滴の涙を連想させ、絹糸のようなファルセットが深い悲しみや切なさを想起させます。
しかしながら一方では、幾多の悲しみを乗り越え、微かな希望の光の先を見据える心の強さをも感じさせてくれる… そんな楽曲だと筆者は感じました。
歌詞の意味を考察!悲しみの涙はもう流さない
さて、歌詞考察に入ります。
映画主題歌として書き下ろされたものですが、詞の中に込められた想いは現世を生きる人たちへの熱いメッセージそのもの。早速1番から一緒に見ていきましょう。
波音で消されちゃった
はっきりと聞かせろって
わざとらしい海原
100回以上の失敗は
ダーウィンさんも感涙の
ユニークな進化の礎
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
寄せては返す波の音。何かを伝えようとしているけれどはっきりとは分からない。
この状況を人間に置き換えると「言いたいことが上手く伝わらない」もしくは「伝わっているけれど分からないフリをしている」などといった状況が見て取れますが「わざとらしい海原」で言いたいことは後者であると考えられ、海原とは「世間の人たち」だと筆者は考えます。
Aメロの後半でダーウィンという人物が登場しました。「進化論」で有名な彼の功績は、生きとし生けるものの進化を科学的に解決したことにありますが、歌詞の中での意味合いは「それぞれの個性を認め合うことの大切さ」を表していると筆者は考えます。
1人の人間を一方向からの視点でしか捉えず、自分をスタンダードだと勝手に思い、他の人たちを異質だと考える人が多くなった世の中。
何度も打ちひしがれ、自分が変わることだけを要求され続けることへの苛立ち。悔しくて眠れず、やるせない想いを募らせ涙を流した日々… あなたにもそんな経験があるでしょう。
しかしながら考えてみれば、人は誰もが唯一無二の存在。
誰かに誘導されて思いのままに動かされるなんてナンセンス。それぞれに育まれた愛や環境などは違っていて当たり前なのだから、互いの個性を「異質」と捉えるのではなく「認め合い」ながら生きていこう。
そんな想いが、この部分には込められているのではないでしょうか。
続いてBメロの歌詞を一緒に見ていきましょう。
あの日のことは忘れないよ
しずくの小惑星の真ん中で
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
しずくの小惑星とは何なのか?
1滴のしずくが集まって水溜りとなり、水溜りはやがて流れを作って川へと向かい、いくつもの川が辿り着くのは海… 青く澄んだ大空と水で満たされた海を持つ小さな惑星… もう分かったでしょう。
地球です。
大空を見上げ、胸いっぱいに深呼吸をしながら、これまでに出会った人たちや過ごした日々の思い出などを大切にして前へと進む姿がイメージされると筆者は考えます。
さぁ、サビへと向かいましょう!
流れるまんま流されたら
抗おうか 美しい鰭で
壊れる夜もあったけれど
自分でいられるように
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
流れとは何なのか?
時間や時代など様々ではありますが、より現世に近い部分で考えた場合「同調圧力」ではないかと筆者は考えました。
そして「美しい鰭」で抗うことで「自分でいられるように」なると考えた場合、美しい鰭が何を意味しているのかが見えてきますし、この部分がこの歌が伝えたい想いの本質へとつながっていくと筆者は考えます。
鰭は魚が泳ぐ際、バランスを保つために巧みに動かすものであり「流れに呑まれないようにするもの」だと考えた時、人間においては「揺るがない信念」だと考えられ、美しいを「混じりっ気のないピュアなもの」と捉えると、美しい鰭の意味するところは「己の純真な信念(信じる心の強さ)」になるでしょう。
これまでの内容を踏まえると、この部分の考察はこのようになると筆者は考えます。
移りゆく時代の中で、もしもまた同調圧力なるものに流されてしまいそうになったら、今度は己の純真な信念で徹底的に抗ってやる。
だってそうだろう…
今までどれだけやるせない想いを抱え、心を壊して悲しみの涙を流してきたのか。
澄み渡る空に、自分をあるがままに受け入れ認めてくれた人たちに誓う。
もう悲しみの涙は流さない… 流すとしたら、喜びに満ちた「嬉し涙」の方だ。
自分を大切に、どんな時も上を向いて歩いて生きよう。
そんな想いが込められていると、筆者は考えます。
1番の考察を踏まえ、2番以降の歌詞を一緒に見ていきましょう。
びっくらこいた展開に
よろめく足を踏ん張って
冷たい水を一口
心配性の限界は
超えてるけれどこうやって
コツを掴んで生きてきた
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
突然のアクシデントや押し寄せる不安などで心が揺らぐ時があるだろうけれど、そんな時は落ち着いて、今の自分の気持ちと向き合おう。
「これでいいのだろうか…」何度も繰り返す自問自答も「大丈夫だよ」と言って笑顔をくれた人の優しさに触れ、いつしか呪文のように自分に言い聞かせることで乗り越えてきた。
こんな感じになるでしょう。
秘密守ってくれてありがとうね
もう遠慮せんで放っても大丈夫
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
秘密というと「隠し事」のように捉えがちですが、何を隠しているのかを考えた時「自分の心の弱さ」だと解釈すると意味は通じます。
どんなに仲が良くても、人には誰だって触れられたくないプライバシーはあるもの。
その部分の大半を占めるのが「心の弱さ」ではないでしょうか。
心の弱さを克服し強くなるために支え、護ってくれる人たちの存在。
何にも替え難いものですよね。
そして、自らもまた「己の純真な信念」を胸に誰かを支え、護る存在になっていく。
それができるようになってきた「自信」が
遠慮せんで放っても大丈夫とのフレーズで表されていると筆者は考えます。
そして、2番もサビへと向かいます。
流れるまんま流されたら
出し抜こうか 美しい鰭で
離される時も見失わず
君を想えるように
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
移りゆく時代の流れの中で、自分を見失ってしまいそうな人がいたら
その前にしっかりと手を握り「自分を信じるんだ。大丈夫だよ!」と伝えるのだ。
どんなことがあっても心を奪われることなく、ありのままで生きるあなたのことを想いながら、私もしっかりと前へ進んでいくから…
こんな想いが込められていると筆者は考えます。
そして楽曲は、最も印象的なブリッジから大サビへ!
強がるポーズは そういつまでも
続けられない 分かってるけれど
優しくなった世界をまだ
描いてゆきたいから
流れるまま流されたら 抗おうか
美しい鰭で
壊れる夜もあったけれど
自分でいられるように
「美しい鰭」スピッツー先行配信音源から
強がるポーズは「ファイティングポーズ」
優しくなった世界を逆に考えると「現世」になるでしょう。
メロディーラインや歌声などを総合的に考察すれば
今、悲しみや苦しみを抱えながら生きている人へのメッセージがここにあると筆者は考えます。
どうしようもなく歪み澱んだ社会が目の前に広がる中で
心の弱さを隠し、強がることでバランスを取ろうとする人が多くいます。
息苦しいですよね… 生きづらいですよね…
誰もがみな、悲しみの涙で暮れる日々を送りたいなどと思っていないはず。
誰もがみな、笑顔が溢れる明るい明日を、未来を望んでいるはず。
ならば、1人1人が笑顔を絶やさないように、悲しみや辛さを抱え込まないように
自分自身を愛し、お互いの個性を認め合い、支え合いながら生きようじゃないか!
さぁ!愛する人たちと一緒に声を合わせて誓い合おう。
悲しみの涙はもう流さない と。
これが、筆者がこの歌が現世に伝えたい想いの本質とした
悲しみの涙はもう流さないの真意です。
まとめ
今回は スピッツ の 美しい鰭 について
歌詞の意味を考察し
この歌が伝えたい想いの本質をお伝えしました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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