【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
福山雅治 さんの 想望 です。
印象的な歌詞の意味を考察し
この歌が現世に伝えたい想いの本質をお伝えします。
どうしようもない程の切なさが込み上げてくる叙情的なミディアムバラード
1988年に俳優としてデビュー。2年後に歌手としてデビューを果たして以降、世代を問わず幅広い人気を誇る日本の男性シンガーソングライター福山雅治さんが発表したこの曲。
想望とは、そうぼうと読み、「想い慕うこと」という意味があります。
汐見夏衛さん原作、福原遥さん・水上恒司さん主演の映画
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の主題歌として書き下ろされました。
映画の概要・あらすじはコチラ。
70年前の戦時中の日本にタイムスリップした少女が 特攻隊の青年と出会い、戦争に対する当時の人達との 感情のすれ違いの中で青年に想いを寄せていく切ない物語。 親や学校、すべてにイライラした毎日を送る 中学2年生の加納百合(福原遥)。 母親とケンカをして家を飛び出し、近くにある防空壕跡で 一夜を明かして目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。 偶然通りかかった青年・佐久間彰(水上恒司)に助けられ 彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。 しかし、彼は特攻隊員で ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった。 のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。
叙情的なミディアムバラードであり、奏でられるメロディは川の流れのような清らかさと激しさを感じさせ、ファルセットを巧みに操る歌声と重なり合うことで、私たちの心の中にどうしようもない程の切なさが込み上げてくる…
そんな楽曲だと筆者は感じました。
歌詞の意味を考察!想いのままに心から人を愛せる世の中であれ
さて、歌詞考察に入ります。
まずは、歌詞の全文をそのままご覧ください。
好きなんだ
君をまだ好きなまま
帰らぬ旅へ征かなきゃ
永遠の旅へ
あたらしい夏 百合薫る丘
去年は君を まだ知らなかった
うちに帰ろう もっと話そう
一緒に寝よう そして朝が来て
ご飯を食べよう
泣かないで
君を幸せであれ
ふたり出逢えたことは
よかったことと
止めないで
僕が決めた道
これでよかったと
いつか ねぇ思って
変わる時代止められない
僕ら大河のただ一粒
か弱き生命が
ただ出逢った
叶うなら
僕が君の明日を
君の夏を何度も
まぶしくしたい
好きなんだ
君をまだ好きなまま
飛び発つ僕はバカだね
でも征かなきゃ
善と悪とを 生と死とをね
乗せてこの地球(ほし)
今日も急いで
うちに帰ろう ごらん夕焼け
綺麗と思える 小さな世界で
泣いたり笑ったり
食べたり眠ったり
僕らは
いま
生きてる
引用元-Lyrical Nonsense
全文を読み込んでいくと、歌詞の構成は3つに分かれていると筆者は考えます。
筆者が考える歌詞構成は、次の通り。
- 遺言
- 現世の危うさ
- 今を生きる私たちへのメッセージ
1つずつ考察を進めていきますね。
遺言
好きなんだ
君をまだ好きなまま
帰らぬ旅へ征かなきゃ
永遠の旅へ
引用元-Lyrical Nonsense
泣かないで
君を幸せであれ
ふたり出逢えたことは
よかったことと
引用元-Lyrical Nonsense
止めないで
僕が決めた道
これでよかったと
いつか ねぇ思って
引用元-Lyrical Nonsense
変わる時代止められない
僕ら大河のただ一粒
か弱き生命が
ただ出逢った
引用元-Lyrical Nonsense
叶うなら
僕が君の明日を
君の夏を何度も
まぶしくしたい
引用元-Lyrical Nonsense
好きなんだ
君をまだ好きなまま
飛び発つ僕はバカだね
でも征かなきゃ
引用元-Lyrical Nonsense
歌詞の大部分が「彰の遺言」になります。
愛する人と見つめ合い、ありったけの想いを込めて伝えるはずだった
好きなんだ というたった5文字すら許されなかった時代…
愛する人を乗せた機体が、二度と生きて戻ることのない絶望とともに
澄みわたる空の彼方へと消えていく…
当時、多くの人を悲しみと絶望の淵へと追い遣った「特攻」
『自ら志願した』とはいっても、その恐怖は計り知れないものだったでしょう…
その心情を踏まえた筆者の考察は、このようになります。
志願した理由は「お国」なんかではなく「愛する人」を護るため
あなたのその聡明な明るい笑顔を護るため。
これから先の未来にも、あなたの傍にいることを“時代”は決して許してはくれない
ならばこの身を天に捧げ、いつの日もあなたを明るく照らす光になろう。
そうすれば… いつだって傍にいられる。
だから泣かないで。
笑顔でいて。
いつまでも、あなたを愛しています…
こんな感じになるでしょう。
その一方で『こんなに辛く悲しい想いは、俺たちだけでたくさんだ』という「戦争への憎悪」と「平和の尊さ」、「日常という刹那」といった想いが込められていると筆者は考えます。
最後に筆者がお伝えした「日常という刹那」が
次の「現世の危うさ」へと続いていきます。
どうぞ続きをご覧ください。
現世の危うさ
うちに帰ろう もっと話そう
一緒に寝よう そして朝が来て
ご飯を食べよう
引用元-Lyrical Nonsense
うちに帰ろう ごらん夕焼け
綺麗と思える 小さな世界で
泣いたり笑ったり
食べたり眠ったり
引用元-Lyrical Nonsense
朝目覚めれば「おはよう」と家族に声をかけ、「行ってきます」と学校や職場へ向かう。
先生や友達、上司や同僚との会話を楽しみ、帰宅すれば「ただいま」、「お疲れさま」。
暖かい部屋、美味しい食事、温かいお風呂で疲れを癒し「おやすみなさい」で眠りにつく。
歌詞に描かれたものは「日常」であり
誰もが「当たり前」と思っている光景。
たとえ時代は変わっても、このことだけは不変であり永遠…
そう信じ、疑う余地などないように見える社会。
実際はどうでしょう?
昼夜問わず走り回る緊急車両と鳴り止まないサイレン。
騒然とする社会に蔓延する格差、貧困、分断、増え続ける自死者。
これらを目の当たりにしても、あなたは「その通り」だと言い切れるでしょうか?
当たり前と思っていることが、当たり前でなくなる。
そんな世の中の到来が、目前にまで迫っていると感じざるを得ないのではないですか?
現世を憂いながらも「まだ日常は存在している」という喜びを嚙みしめながら、どんな時代になっても決して失ってはいけないものとして、この歌詞は伝えていると筆者は考えます。
そして最後にこの歌は
「今を生きる私たちへのメッセージ」を優しく強く、伝えてくれています。
どうぞご覧ください。
今を生きる私たちへのメッセージ
善と悪とを 生と死とをね
乗せてこの地球(ほし)
今日も急いで
僕らは
いま
生きてる
引用元-Lyrical Nonsense
僕らは いま 生きてる
今を生きる私たちへのメッセージがこの部分になります。
楽曲のすべてを踏まえた筆者の考察は、こんな感じです。
移り行く時代の流れの中で生じる善と悪の狭間で
生と死を宿命に持ちながら、人々は懸命に生きている。
何もかもが失われ、先の見えない闇に覆い尽くされようとも
社会に裏切られ、蔑まれ、虐げられ、打ちひしがれようとも
明るい未来や夢や希望を信じて、信じて、信じ抜くことを諦めないでほしい…
愛する人へ「愛してる」
大切な人へ「ありがとう」
頑張っている自分へ「お疲れさま」
そんな想いが言葉となり、言霊となって
今を生きるすべての人々の心を癒し続けるとしたら
それが、私たちの「生きる意味」になっていく…
そんな感情が、何も臆することなく伝えられる世の中を
誰もが「想」い「望」んでいるのではないでしょうか。
これが、筆者がこの歌が伝えたい想いの本質とした
想いのままに心から人を愛せる世の中であれ の 真意 です。
まとめ
今回は 福山雅治 さんの 想望 について
印象的な歌詞の意味を考察し
この歌が現世に伝えたい想いの本質をお伝えしました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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