【Ado X B’z】DIGNITY～歌詞の意味を考察！今、私たちに問われる「戦争と平和」

信念を以て闇を貫き突き進む「覚悟」を感じさせる壮大なバラードナンバー

引用元－Amazon

1988年より講談社「モーニング」にて1996年まで連載され、当時の世界情勢と重なる部分も多く大反響を巻き起こした、かわぐちかいじさん原作の漫画「沈黙の艦隊」。

引用元－音楽ナタリー

2023年9月に、俳優の大沢たかおさんがプロデューサーを兼ねた主演で実写による映画化となるのに際し書き下ろされた、「Ado」さんと「B‘ｚ」という日本が誇る2組のトップアーティストがタッグを組み、最高のパフォーマンスを実現したこの曲。

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「沈黙の艦隊」の概要・あらすじはコチラ。

日本の近海で、海上自衛隊の潜水艦が米原潜に衝突し沈没。
艦長の海江田四郎かいえだ・しろう（大沢たかお）を含む
乗員76名全員が死亡との報道に衝撃が走る－

が、実は乗員全員無事であり、事故は日米政府が極秘に建造した
高性能原子力潜水艦「シーバット」に乗務させるための
「偽装工作」だった。

米艦隊所属となり「シーバット」の艦長となった海江田は
シーバットに核ミサイルを搭載し突如反乱逃亡。
自らを国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を宣言する。

大義か、はたまた反逆か。
世界を巻き込む海江田の野望とは、そしてその真意とは－

引用元－タワーレコードオンライン

楽曲についてAdoさんとＢ‘ｚ（松本孝弘さん、稲葉浩志さん）は、こんな風に語られています。

Adoさん

彼らが戦う海原のように壮大で、果てしなく…ですがその奥深くにはあたたかな愛がある美しいバラードです。叫びと共に子守唄のような優しさを感じていただければと思います。

松本孝弘さん

実際に（Adoさんに）僕の書いたメロディーを歌って頂き、彼女の歌唱力、表現力は若手のアーティストの中でも群を抜いて素晴らしいと感じています。映画「沈黙の艦隊」は正に“DIGNITY”。Ado＋B‘zのコラボレーションをお楽しみください。

稲葉浩志さん

国家の尊厳、命の尊厳を守りながら世界平和を獲得するという、永遠の命題に想像を絶する手法で挑む本作の熱量が、彼女の繊細かつ逞しい声を通してさらに増幅すればと思います。

イントロは2006年に発表された「OCEAN」とサウンド的には似ている部分があり、Aメロにおいては1991年に発表された「ALONE」を彷彿とさせますが、楽曲全体においては「ALONE」や「OCEAN」を遥かに凌ぐ壮大なスケールと抱えている心情の重さが一気に私たちの感情に訴えかけてきます。この感情を一言で表すと「覚悟」であると筆者は感じました。

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歌詞の意味を考察！今、私たちに問われる「戦争と平和」

楽曲タイトル「DIGNITY」は、日本語では「尊厳」を意味しています。

尊厳とは何なのか？

「命」や「威厳や品格」だという人が多いようですが

筆者は「今、目の前のその人（物や事象）の存在そのもの」を意味していると考えます。

大きく歪み偏向する社会、利権に群がる権力者たち、いつ何時どうなってもおかしくない恐怖と絶望を感じながら、それでも未来に希望を抱き、ささやかな喜びを探し求める人々など、すべてが「今、目の前で巻き起こっている事実」…

そのことに目を逸らさず、あるがまま向き合うことで本質を見極めながら

自らの信念の下、覚悟を以て誰もが望む平和へと導いていく。

原作や映画の内容を踏まえると、こんな内容になるのではないでしょうか。

それではまず、公開されている歌詞をご覧ください。

小さな泡きらり

陽の差す方に昇り

自由を目指し飛び立つように

パチンと弾ける

引用元－Lyrical Nonsense

ねえ、大事なもの問われ

あなたなら何と答えるでしょう

引用元－Lyrical Nonsense

いつかわかるのかな

愛はどこに響くの

愛は迷ってしまうの

今はあなたの寝息に

耳を澄ますだけ

引用元－Lyrical Nonsense

幸せを奪い合い

ボクら水槽の中で

誰もみな自分らしく

いたいだけなんだよ

引用元－Lyrical Nonsense

すべては運命に沈みゆく

もうできることなどない

引用元－Lyrical Nonsense

ほんとにそうなのかな

愛は誰を照らすの

愛は傷つけてしまうの

時間が足りないこと

気付いているのに

引用元－Lyrical Nonsense

いつかわかるのかな

愛は超えてゆけるの

愛はひとつになれるの

試されてるのは

奏でられる命

揺るぎないその命

引用元－Lyrical Nonsense

小さい泡くっついて

陽の差す方に昇る

引用元－Lyrical Nonsense

太字や赤字、下線で示した部分を中心に考察を進めていきます。

この楽曲の歌詞の中で、筆者が注目したのはコチラ。

幸せを奪い合い

ボクら水槽の中で

誰もみな自分らしく

いたいだけなんだよ

引用元－Lyrical Nonsense

最初のフレーズからは、こんな心情が読み取れます。

人々が温めるささやかな幸せをも奪い合うような世の中

誰かが創り上げた自分本位の社会

そこから導かれる未来に愛や希望などあるのだろうか。

後の歌詞については、この歌が伝えたい想いの本質へとつながる重要な部分ですので、しっかりと掘り下げて解説していきますね。

水槽とは「地球」を意味し、さらに深掘りすれば「国」→「社会」ということになるでしょう。現世への切なる「願い」のように感じますが、むしろこの部分は「嘆き」と捉える方が自然だと筆者は感じました。この部分に「現世を生きる人間の心の弱さ」が露呈していると筆者は考えます。

事の成り行きを直視することは心が痛むだけ。

事なかれ主義に徹し、このまま静かに時が流れてくれさえすればいい…

そうすれば「自分らしく居られる」。そう思っているように筆者は感じました。

しかしながら考えてもらいたい。

それって本当に「自分らしく居られる」ことになるのでしょうか？

波風立てず抗わず、見たくないものを見ず臭い物に蓋をして、厄介事はすべて人のせいにすることや風見鶏の如く人の意見に流され、多数派を気取り勝ち馬の尻ばかり追いかけて悦に入ることで「自分らしく居られる」などという考えは、単なる「得手勝手」なだけです。

目の前に広がる社会が本当に自分らしく居られるものなのであれば、あなたの心はどんなことがあっても騒めかず、悩みや不安を抱えることもないはず。人を羨んだり、人の失敗を嘲笑したり、ほんの少しでも人より優位に立ちたいなどといった邪な感情を抱かないはず。

現実はどうでしょうか？そんなことに溢れていますよね。

これは「自分らしく居られない社会」というのではないでしょうか？

得手勝手や日和見主義を「自分らしさ」と勘違いし、事実や本質と向き合うことなく「雰囲気」だけで物事を判断し続けてきた結果として「自分らしく居られない社会」になっていたと考えた時、その社会を創り上げたのは誰でもない「自分自身だ」ということになるでしょう。

そのことに「気づかないフリをしている」、「眠ったままでいる」、「寝息を聞いている」を続けてしまうと何が起きるのか。自分のことしか考えない輩の支配下でがんじがらめにされ、望んでもいない痛みや苦しみの中へと引き摺り込まれた挙句に、絶望的な悲しみに暮れる日々を送ることになるのではないでしょうか。

それを「運命だから」、「時間が足りないから」などと思い込まされ

もうできることなどないと諦めてしまうように誘われてしまう…

「自分らしく居られない世の中」が誘う先には何が待っているのか。

「戦争」ということになると筆者は考えます。

であれば、自分らしくいるためには何をすればいいのか？

ここまで分かった上で「大事なもの」への問いかけ。

「あなたなら何と答えるでしょう」へとつながっていきます。

その問いかけは6つ。

それぞれ「いつかわかるのかな」、「ほんとにそうなのかな」の後に続くフレーズになります。

• 愛はどこに響くの
• 愛は迷ってしまうの
• 愛は誰を照らすの
• 愛は傷つけてしまうの
• 愛は越えてゆけるの
• 愛はひとつになれるの

この中で「Yes/No」で答えを出せるものは4つ。

「愛はどこに響くの」と「愛は誰を照らすの」には確かな答えが必要になります。

さて、愛はどこに響き、誰を照らすのでしょうか？

筆者は「愛は人々の真心に響き、恒久平和を信じ抜く人々の心を照らす」と考えます。

そしてその考えから導かれる4つの問いかけへの答えは

すべて「Yes」になるのではないでしょうか。

• 支え合い労り合うこと
• 誰かが誰かを気にかけること
• 「ありがとう」の気持ちを横に拡げ、つなげていくこと

これらの根源が「愛」だとするならば、様々な紆余曲折やすれ違いなどによって先が見えなくなろうとも、互いを愛し信じ合うことで、いかなる困難をも乗り越えて行ける「絆」を以て一つになることができる…

そんな夢物語を…　

そう思っている人もいるでしょう。

しかしながら考えてもらいたい。

大きく歪み、深く澱み、時限爆弾や地雷の如く「一触即発」にまで緊張が高まっている現世において、愛と平和を信じ抜くことができるかどうかを、私たちはある意味において試されているのではないかと。

試されてるのは

奏でられる命

揺るぎないその命

引用元－Lyrical Nonsense

奏でられる命とは「自らが抱いている『信念』」であり

揺るぎない命とは「愛と平和を信じ抜き護る『覚悟』」だと筆者は考えます。

これが、筆者がこの歌が現世に伝えたい想いの本質とした

今、私たちに問われる「戦争と平和」の真意です。

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まとめ

今回は　Ado Ｘ B’z　の　DIGNITY

歌詞の意味を考察し

この歌が現世に伝えたい想いの本質に迫りました。

BRAND-NEW MUSIC DAYSでは

この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので

そちらの方もどうぞご覧くださいね。