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【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
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今回、あなたの心に届けたい楽曲は
Ado さんの 心という名の不可解 です。
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい本質について検証します。
単なるドラマ主題歌としては片づけられない「本当の想い」を
どうぞご一緒に!
速いテンポの中に「動と静」が共鳴し合う世界観
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引用出典-Amazon,(C)カンテレ
樹林伸さん原作のシリーズ小説「ドクター・ホワイト」のドラマ化にて
浜辺美波さん演じる謎の少女「雪村白夜」が巻き起こす奇跡のストーリー。
その主題歌として発表された4分29秒からなるこの曲。
BPM=152
比較的テンポの速い楽曲ですが、時折静かなメロディーラインやフラットな音階などもあり、楽曲の中で「動と静」がしっかりと共鳴し合い、聴き込むほどにこの楽曲の世界観の虜になってしまいます。
人間の心の揺れ動きが巧みに表現されたメロディーと
細かな抑揚から絶妙のタイミングで感情を爆発させる歌声
乾いたビートサウンドの中に時折感じさせるウィットな部分は
歌詞の中で度々登場する「潤み」だと筆者は考えます。
歌詞には「目の潤み」と表されていますが
考察する中で、本質は違う部分にあると筆者は考えます。
その本質とは何なのか?
次の章からの「歌詞考察」で、その真意をお伝えします。
歌詞の意味を考察①:これまでの確固たる信念が揺らぎ、動揺と混乱の中にいる自分
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まず、冒頭と1番の歌詞考察から見ていきましょう。
君が瞬きをする音
目を逸らした音さえ
こんなにも容易く聞き分けられるのに
時に、病名を何としましょうか
誰も知りえないはずの
ココロなんてさ 期待もしないよ
引用元-J-Lyrics
冒頭の部分です。
本来であれば、瞬きや目を逸らす仕草には音はあるにしても聴こえないもの。
それが聞き分けられるなんて…
この部分は「音」に囚われてしまいがちになりますが「解剖も存在証明もできない心、心を知らない人がテーマ」と、主演の浜辺美波さんが語られていることを考えた時、音ではなく「人の立ち振る舞い」と考えれば筋は通ります。
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目に見えるものだけがすべてであり、目に見えないものなど証明できる訳がない。
このことが、1番の歌詞の始まりからサビ前までに表されています。
寸分の狂いだってない
正確に記録されたジグザグに
それ以上意味はないはずだもの
故にどんな顔して笑おうと
カルテに書かれないことは
信じるに値しないんだ
引用元-J-Lyrics
心音を吐いている
心音を吐いている
それだけ
最適な治療法などどこにもない
引用元-J-Lyrics
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論理的で分かりやすい説明で、自らにも語りかけているようにも見えますね。
これを続けてきたことで、自分の確固たる信念を貫いてきたのでしょう。
そうだ…
他人の言動自体を簡単に理解できても
自分自身ですら分からない心の揺れ動きなど他人に分かるはずはない。
期待したところで上っ面の部分しか視ず、勝手な理屈をつけて決めつける。
そんなものなのだ…
ある意味達観した考え方ではありますが、ここでカギとなるワードが。
冒頭の歌詞の中に、その部分があるのです。
それは
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時に、病名を何としましょうか
「最適な治療法などどこにもない」のは当たり前。
病名がつかなければ、治療法など見つけられませんからね。
しかしここまで達観した考え方であるならば
現実として目に見えないものを、証明できないものを否定する人が
今、自分が直面している「目に見えないもの」に
病名をつけようとする必要があるでしょうか?
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しかも厄介なのは
今、直面しているのは「自分が今までに体験したことのない心の揺れ動き」であること。
体験していたとしても「自分の確固たる信念の下に切って捨てていたもの」であること。
そのことが動揺を招き、混乱と叫びへとつながっていく…
それが、サビの部分に表されています。
感情の判断はどうしたらいい?
心境の分別はどうしたらいい?
証明しようもない不明瞭が
エラー吐いては脈を打つんだ
安寧も安楽もどうだっていい
後悔の人生だとしたっていいからさ
この目が潤む病の理由は何なの?
引用元-J-Lyrics
次の章では2番の歌詞考察を一緒に見ていきましょう。
続きをどうぞご覧ください。
歌詞の意味を考察②:無機質な「心音」はいつしか確かな鼓動へ
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2番の歌詞の考察を見ていきます。
永遠と静寂の 戸をたたいた言伝
私はいつまで忘れているつもりだろう
引用元-J-Lyrics
ドラマの主人公は「記憶喪失」という設定になっているため
この部分はそのことを言っているのだろうと考えられます。
しかしながら、楽曲のつながりに視点を置き換えると
先程の動揺と混乱の要因を
何とか自分の中に落とし込もうとする様子が見て取れます。
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そして、この段階で既に主人公の記憶は戻り始めていると考えられます。
この後の歌詞の展開にも表されています。
明日を繋いだ指で
取りこぼしてきたものを数えてしまう
虚しさのままに
引用元-J-Lyrics
そして、この部分。
心音を吐いている
心音を吐いている
引用元-J-Lyrics
1番にも登場したこのフレーズは、最後の大サビにも登場しますが
それぞれにおいて意味合いが違います。
どういうことなのか?
1番では「無機質な心音」であったものが
2番では「確かな鼓動」へと変わりはじめ「これが正体?」とした疑いが
最後には「確信」へと変化している
と考えられるからです。
確かな鼓動として理解するからこそ
本当は乱暴に君が触れてくれたら
ぽっかり覗く空白も埋められる
引用元-J-Lyrics
ことが分かるのではないでしょうか。
そしてサビの部分に入ります。
表情にメスを入れてしまう
愛情は投薬と思えてしまう
解剖できない手術台じゃ
答えなんてさ 分かりゃしないよ
数式で一切を証明しない
心という名前の不可解を
素直になれぬ私のことを見抜いてよ
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誰も本当の自分を分かっていない。
他人が自分をどう思っているか。など考えるだけで負の連鎖。
鏡の前の自分に問いかける、目に見えないものへの不審
人との触れ合いの中で芽生え始める感情
それもまた目に見える「喜怒哀楽」で表されるものだけだと信じてきたが
どうもそれだけではないらしい…
- 嬉しいのに涙を流す
- 悲しいのに笑顔になる
- 絶望に震えながら怒りを爆発させる
- 苦しみの中で輝ける
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決して止まることのない時間の流れの中で
少しずつ分かり始める自分の心
その中で「空虚な心を埋められる術」を見つけた
しかしながら、過ぎ去った時間の中に
その答えがあったのなら
今、そのことに気づいた私を包み込んでくれる人はいない…
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「心を知らない人がテーマ」としたこの楽曲の本質は
本当の自分を知るのを恐れ
記憶喪失の名の下に「知らないふり」をしていた人が
勇気を出して一歩踏み出そうともがく「叫び」。
それは目に見える「喜怒哀楽」ではなく
それぞれの中の「狭間」にある想いへの「叫び」だと筆者は考えます。
次の章が歌詞考察の最後になります。
ぜひご覧ください。
歌詞の意味を考察③:目の潤みは「心を潤ませる涙」、想いの名前は「…」
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最後の大サビの部分の歌詞で、再度問いかけている部分があります。
この目が潤む理由は何なの?
この想いの名前は何なの?
引用元-J-Lyrics
歌声とメロディーが最後で明らかに変化しているように
この問いかけについてはおそらく
主人公の心の中で答えが出ていると考えられます。
そして、それをはっきりさせるために
あえて私たちに問いかけているのではないでしょうか。
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筆者は「目が潤む」のではなく「心が潤む」のだと考えます。
そして、今まで目に見えるものだけを信じて生きてきた「乾いた心」を潤すために、様々な人との関わりの中で気づけたことへの喜びから溢れ出る涙が、心を癒し潤しているのだと。
そして「想いの名前」についてですが
ある人は「愛」といい、ある人は「勇気」と名付けています。
人それぞれに感情表現は違いますし
愛する人や大切な仲間の存在
思い描く未来などによって「想いの名前」は様々なのではないでしょうか。
まとめ
今回の【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYSは
Ado さんの 心という名の不可解 について
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい本質について検証しました。
「BRAND-NEW MUSIC DAYS」では
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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