今回の【実録】介護の本質chからは
ケアマネ試験合格率UP!その要因と実務において必要な3つの視点
という内容をお伝えします。
お伝えする内容は
- ・2021年度ケアマネ試験の合格率は、速報値23.3%
- ・ケアマネ試験合格率UPの要因は?
- ・ケアマネ試験に合格してから実務において必要な3つの視点
この順番でお伝えしていきますので、どうぞ最後までご覧ください。
それでは始めていきましょう!
2021年度ケアマネ試験の合格率は、速報値23.3%
まずは、データからお伝えします。
令和3年12月2日。
2021年度のケアマネ試験(「介護支援専門員実務研修受講試験」)の合格発表がありました。
平成12年4月よりスタートの介護保険制度に先駆けて、平成10年度から始まったこの資格試験。
今回で24回目となる試験に、54,290人が受験し12,662人が合格!(おめでとう!)
速報値としての合格率は、前年より5.6ポイント上がって23.3%という結果でした。
ケアマネ試験合格率UPの要因は?
制度改正後に行われた試験ではありましたが、昨年よりも合格率がUPしました。
要因としては3つあると私は考えます。
- ・比較的過去問に準ずる内容のものが多かった
- ・介護支援分野の「事例問題」の難易度が低かった
- ・テキストや参考書などを読み込んでいれば解けるものが多かった
昨年度同様、今年度においても新型コロナウイルスの影響もあり、第6波や新たな変異株への懸念から実務研修の延期や中止などが相次いぐことが予想され、多かれ少なかれケアマネジメント業務についての支障は出るとは思いますが、新しい仲間が増えることについては、私は率直に嬉しいんです。
私が主任だった頃、施設介護に従事している介護福祉士の友人や知人、同僚で「ケアマネージャー試験を受けて、ケアマネージャーの仕事をしたい」と話してくれる人が多くいたんです。
もちろん仲間が増えることなので嬉しかったんですが、ケアマネージャーになったとしても「介護経験が長い人ほど陥りがちな考え方」が、自分自身を縛りつけてしまうことを知っている私にとっては複雑な気持ちの方が強かった…
その「介護経験が長い人ほど陥りがちな考え方」が
ある意味ケアマネージャー試験の際にも影響してしまい
悲しい結果を招くことにもなるんです。
その考え方とは何なのか?
客観的に物事を見ることができない ということです。
長く介護に携わっていると、どんな人でも情が湧いて「この人のために何とかしてあげたい」といった気持ちになりますが、目指すものは「ケアマネージャー」であり、公正中立の立場になるんですから、今まで以上に「客観性重視」になっていきます。
そういった意味で
実務研修を受講する前段階として
理論よりも実践!として
そして、合格してからも必要になる3つの視点が大事になって来るんです。
その3つの視点については、次の章で詳しくお伝えします。
続きをどうぞご覧ください。
ケアマネ試験に合格してから実務において必要な3つの視点とは?
ケアマネージャーになるということは
直接介護から後方支援にシフトする形にはなりますが
高齢者介護において「要」となる立場のスタートラインに立ったことになります。
これまでの経験値を活かし、スキルアップできる喜びを噛みしめている人もいれば、「これからが大変だ…」と、気持ちを引き締めている人もいるでしょう。
自分自身の中での「ケアマネージャー像」をイメージしている人も多いとは思いますが、いずれにしても先程お伝えした「3つの視点」をしっかりと持ち合わせておけば大丈夫です。
3つの視点とは何なのか?
- 自分のことを大切に思える
- 他人のことを自分のことのように考えるのを止める
- 素のままの思い・考え方ができる
です。
順を追って、解説していきますね。
視点①:自分のことを大切に思える
ケアマネージャーの仕事は、難しい言葉でいうと「対人援助業務」に分類されます。
対人援助業務において何よりも大切なことは「自分自身の心と身体の安定」です。
考えてみてください。
自分の心の中がささくれ立っている状態で
体調が悪く、高熱にうなされるような状態で
支援する人であるとは言え、全く赤の他人のことなんて考えられますか?
「自分の現在の状態が安定していて、経済面を含め、心にも身体にも余裕ができて初めて周りの人々や他人のことが考えられる」と私は考えます。
『私は心を痛め、体調を崩していても、ずっとあなたのことだけを考えています』なんて、もはや「ホラー」「ストーカー」以外の何物でもないです。
自己管理というと堅苦しいですが、心も身体も元気で穏やかでいる状態をキープすることが
対人援助をする上で必須になりますので覚えておきましょう。
視点②:他人のことを自分のことのように考えるのを止める
この視点。
ややこしい言葉の並びですが
これも考えてみてください。
(あなたは)自分の人生があるのにもかかわらず
他人の人生までもを背負えるほどのキャパを持っていますか?
自分が生まれてから今日まで歩んで来た人生があります。その人もそうです。
それぞれが、それぞれのライフスタイルを創り上げて、未来へ向けて歩んでいる訳です。
支援を受ける人の人生を考える時
その人のこれからの人生を思う時には
自分のライフスタイルとして生み出す時間を削ることになります。
ある意味「自分の時間を止める」ことになりますね。
「家族」や「愛する人」などであれば少し話が別なのかもしれませんが
自分がどれだけ『この人のために』と思っていたところで所詮は「他人のこと」です。
その人には、その人が歩んで来た人生があり、これから先もその人の人生を歩まれます。
そもそもが「歩んで来た人生そのものが違う」訳ですから
「他人の人生を、自分のことのように思う」なんて「ナンセンス」です。
「ドラえもん」じゃないんですから、他人が未来を変えることはできませんし
何よりその人の未来を変えることができるのは、その人しかいないんですから
すべてを背負うなんてできないことは自ずと判断できますよね。
そういった意味においても「客観性」が重要になってきます。
これがしっかりできるようになると、ケアマネージャーとして活動する際
「変に気負うことがなくなる」ので覚えておきましょう。
視点③:素すのままの思い・考え方ができる
合格を手にした人は、次の年の1月中頃から3月にかけて行われる実務研修などで基本的な仕事について学び、以降は実践形式で個々の支援を受ける人々の対人援助をしていくことになります。
1年生であっても、周囲からは「専門職」、「プロ」と思われ
何かにつけて「専門職としての意見」を求められる機会が増えます。
もちろん、勉強してきたことをフルに活かして意見を言っても差し支えはありませんが、月日が経つにつれ、経験が増えると次第に「慣れ」が生じてきます。
これは、介護職員だった頃でも同じことがあったのではないでしょうか。
そうなったら「支援を受ける人との距離が近過ぎる」ことになりますよね。
「気づき」があればまだ救いようがありますが
気づかずそのまま続けていて、支援を受ける人に依存されてしまったり
反対にうっとおしいと思われてしまったら、もうおしまいです…
大切にしてもらいたいのは
ケアマネージャーである前に、一人の人間である。
ということです。
「専門職」「プロ」といった「鎧」や「プライド」を一旦外して
「この世に生を受けた『私』という一人の人間として現状を見る」ことが大切なんです。
例えば、認知症症状を発症し、進行している人を支援することがあったとします。
ケアマネージャーであれば、こういったことをしていきます。
- これまでに患った病気や「生活環境」、「家族関係」などを視て
- 認知症症状の進行を遅らせる術に着目し
- それに適う支援内容を組み立てて行く
何だか難しそう…
そう思われるでしょうが、これは実務研修でも習いますし、テキストにも載っています。
だったら安心♪
そう思うかもしれませんが、これはあくまでも「仕組み論」
大事なことは「仕組み」ではありません。
もう一度、先程の「仕組み」を見てみてください。
この内容って…
すごく「機械的」、「事務的」って感じませんか?
まず必要なことは、支援を受ける方に対する『労い』だと私は思います。
それは「専門職」としてではなく、「一人の人間」としての「労い」。
心から発せられる言葉によって、その人の心の琴線が揺れ動くんです。
「コメンテーター」のような言葉では決して人の感情を理解するこはできませんし、対人援助業務を行う上でも「邪魔」なんです。
遠過ぎず、近過ぎない距離感を保つためには
やはり「客観性」をしっかりと持ち合わせた上で
「素のままの思い・考え」で接することが大切になりますよね。
まとめ(結びとして)
ケアマネ試験合格率UP!その要因と実務において必要になる3つの視点
と題してお伝えした今回の【実録】介護の本質ch。
あらためて、3つを振り返って見ましょう。
- 自分のことを大切に思える
- 他人のことを自分のことのように考えるのを止める
- 素のままの思い、考えができる
3つの視点についてお伝えしましたが、すべてにおいて関連しているものがあるんです。
『あなた』という人間は、この世には『あなた以外にいない』と言うことです。
それぞれが唯一無二の存在だからこそ、あなたも私も、支援を受ける人々も今を生きる価値がありますし、明るい未来を望む権利もありますし、それを実現させることだってできると、私は考えます。
人間味溢れる、笑顔の素敵なケアマネージャーになるために
3つの視点をしっかり持つ「ありのままのあなた」でいてほしい
私も、そんなケアマネージャーに、たくさん出会えることを楽しみにしています。
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