
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS

毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、竹内まりやさんの「いのちの歌」を取り上げます。
▶はじめに

「いのちの歌」は、2009年放送のNHK連続テレビ小説『だんだん』の劇中歌として初めて世に出たあと、2012年に竹内まりやさん本人のセルフカバーでシングルとしてリリースされました。
2012年元日に放送されたNHKドキュメンタリー番組の主題歌にも起用され、
“命の尊さ”や“人とのつながり”を静かに、そして力強く伝える楽曲として、
多くの人の胸に深く刻まれてきました。

発表から10年以上が経つ今でも、世代や時代を越えて、なお心を揺さぶり続ける名曲です。
本記事では、この「いのちの歌」の歌詞に込められたメッセージを、筆者自身が初めて聴いたときに浮かんだ2つのイメージとともに紐解いていきます。
きっとあなたの胸にも、静かに、そして温かく届く言葉があるはずです。
どうぞ、最後までお付き合いください。
▶楽曲イメージ~風に揺れる綿毛と、記憶を映す8㎜フィルム~

この楽曲を初めて聴いたとき、私の脳裏に浮かんだのは、二つの情景でした。
1.春の風にふわりと舞うタンポポの綿毛

どこへ向かうか分からないけれど、風に身を委ねながら、
それでもちゃんと“命”を運んでいる。
そんな綿毛の姿が、人のいのちの儚さや、出会いの奇跡を象徴しているように思えました。
2.8㎜フィルムに映された懐かしい日々の記憶

家族で過ごした日常、何気ない笑顔、過ぎ去った時間……
ざらついたフィルムの粒子が、まるで“人生”そのもののように感じられました。
これらのイメージは、まさに「いのちの歌」が描こうとしている世界そのものではないでしょうか。
筆者は、そう感じています。
▶歌詞の意味を徹底考察!~“いのち”、“影”、そして“ありがとう”に込められた想い~

ここからは、いよいよ歌詞の世界へと踏み込んでいきましょう。
「いのちの歌」というタイトルが示すように、
この楽曲の中心には“命”というテーマがあります。
けれどそれは、ただ「生きている」という事実を指すのではありません。
「出会い」「記憶」「感謝」――目には見えないけれど、確かに存在するもの。
それらすべてを抱きしめてこその“命”なのだと、歌は静かにそっと伝えてくれます。

ここでは、その中でも特に印象的なキーワード3つに注目し、
この歌の根底に流れる想いを読み解いていきましょう。
※JASRAC管理楽曲のため、歌詞全文は掲載しておりません。
詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。
◆「いのち」――めぐり会いの中で受け継がれていくもの
いつかは誰でも
この星にさよならを
する時が来るけれど
命は継がれてゆく
この楽曲の根底にある最大のテーマが、「いのち」。

生まれたこと、人と出会い、誰かを想い、愛すること――
それら一つひとつが“命の奇跡”であり、同時に、誰かの命に支えられている。
「命は継がれてゆく」という言葉には、生物的なつながりだけでなく、
“想いの継承”という意味も込められているように感じます。

親や祖父母からの愛、友人との記憶、小さな優しさの連鎖――
それらすべてが“いのち”の一部。
だからこそ、この歌は最後に「この命に ありがとう」と静かに結ばれるのです。
◆「影」――ぬくもりの記憶と、等身大のわたし
泣きたい日もある
絶望に嘆く日も
そんな時そばにいて
寄り添うあなたの影
“影”という言葉は、この楽曲の中でとても象徴的な存在です。
「寄り添うあなたの影」には、哀しさとともに、
“安心感”や“ぬくもり”も宿っています。

影は、光があるからこそ生まれるもの。
見えにくくても、確かに“そばにある”存在。
それは、日々見落としてしまいがちな“ささやかな喜び”の象徴とも言えるでしょう。

また、“影”は過去の記憶や、先人たちの残した想いでもあります。
大切な人の面影に触れたとき、私たちは“今”を見失わずにいられる。
そんなあたたかいメッセージが、夕暮れの光のように心に届いてきます。
◆「ありがとう」――命のすべてを包む、たったひとつの言葉
生まれてきたこと
育ててもらえたこと
出会ったこと 笑ったこと
そのすべてにありがとう
この命にありがとう
楽曲の終盤に繰り返される「ありがとう」は、
まるで人生そのものの総括のように響きます。

生まれてきたこと。
育てられたこと。
誰かと出会い、笑い合えたこと。
どれも“特別な瞬間”ではないかもしれない。
けれど、それらが今の“わたし”を形づくっている。
そんな日々に「ありがとう」と言えることこそ、
“いのち”の尊さではないでしょうか。
――あなたは今、誰に「ありがとう」と伝えたくなりましたか?
▶なぜ、この歌が今、注目されるのか

2025年――戦後から80年。
日本は、かつて大切にしていた礼節や思いやりの心を、
どこかに置き忘れてしまいそうな不安定な時代を迎えています。
そんな中で、私たちの心の奥でも、何か大切なものを見失いかけているのかもしれません。
だからこそ、「いのちの歌」は、いま改めて注目を集めているのでしょう。
この星の片隅で
めぐり会えた奇跡は
どんな宝石よりも
大切な宝物
このフレーズが教えてくれるのは、
“人と人がつながる奇跡”、
そして、“今ここに生きている”という何より尊い”日常のかけがえなさ”。

忙しい毎日の中、立ち止まり、
大切な人を思い出すきっかけをくれる。
「いのちの歌」は、そんな優しさに満ちた一曲だと、筆者は感じています。
▶まとめ

今回は、竹内まりやさんの楽曲「いのちの歌」を徹底考察しました。
「いのち」とは、特別なものではなく、私たちが生きる日常そのもの。
何気ない日々、ささやかな記憶、交わした笑顔、伝えたい「ありがとう」――
それらこそが、かけがえのない“奇跡”。
竹内まりやさんの「いのちの歌」は、そんな日常の尊さに
静かに気づかせてくれる楽曲です。
音楽は、聴くたびに新しい発見をくれます。
あなたにとっての「いのちの歌」は、どんな思いを運んできてくれましたか?
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは、
この他にも竹内まりやさんの楽曲を丁寧に考察しています。
彼女の音楽の世界観を、ぜひご堪能ください。
💬 感想や共感したポイントがあれば、ぜひコメントで教えてください。
📩 シェアも大歓迎です。大切な人に、この歌を届けてみませんか?
コメント