
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS

毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、B’zの楽曲「恐るるなかれ灰は灰に」を考察します。

▶はじめに

「恐るるなかれ灰は灰に」は、間宮祥太朗さん主演のTBS系ドラマ「イグナイト―法の無法者―」主題歌。
タイトルからして只者ではないこの曲は、生きること・燃えること・恐れないことを、 まるで“警鐘”のように私たちに突きつけてくる一曲。
エネルギッシュでシリアス、けれどどこかユーモアすら感じさせる…
そんなB’zならではの熱い魂を感じさせてくれます。
本記事では、まだ公式歌詞が発表されていない中、ドラマで流れる音源から拾える言葉たちをもとに、この楽曲の持つメッセージとイメージを深掘りしていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
▶楽曲イメージ~筆者が感じた“静と動”2つの“警告”

筆者が初めて楽曲を聴いた時、ビジュアルイメージとして浮かんだのが「闇夜に光る猫の目」と「エマージェンシーを知らせる緊急信号」という対照的な2つの象徴です。

「猫の目」は、 どんなに暗くても“確かな光”を捉える直感や、本能の奥で静かに燃えている小さな炎を表しているように感じられます。
それは、誰かに見せるための情熱ではなく、“自分だけが知っている火種”のようなものではないでしょうか。

一方で、緊急信号(サイレンやパトランプ)は、 「今、立ち上がらなければ」という切迫した現実や、社会の歪みに対して鳴り響くアラートのようにも聞こえます。
もしかするとそれは、自分の中で聞こえる危機感なのかもしれません。
「このまま“燃えないふり”をしていていいのか?」という問いが、警報のように頭の中で鳴っている。といったイメージ。
B’zのこの曲は、静かに光る目と、騒がしく鳴り響くサイレン──その両方の力を借りて、「生きろ」「燃えろ」「恐れるな」と私たちを鼓舞しているように感じられます。
▶楽曲タイトル「灰は灰に」が意味するもの

タイトルに込められた「灰は灰に」という言葉。
この一節は、聖書の「塵は塵に、灰は灰に(ashes to ashes, dust to dust)」を思わせる言葉です。
一見すると“虚無”や“終わり”を連想させるこのフレーズですが、実はこの楽曲はその“灰”の中にこそ、燃え尽きるまで生き抜く意志や、誰にも見せない情念の炎が宿っていることを教えてくれます。
生あるものはやがて朽ち、すべては元に還るという、人生の摂理を示唆するフレーズ”灰は灰に”。
B’zはここでそれを“終わり”としてではなく、「どうせ灰になるなら、最後まで燃えろ」と逆説的なエネルギーに変換し、生きる意味を私たちに伝えようとしているのではないでしょうか。
そんな強いビジュアルイメージとともに響いてくるこの曲の歌詞は、聴けば聴くほど、「燃えること」や「終わりのその先」にあるものについて私たちに問いかけてきますよ。
その真意を、次の章で見て行きましょう!
▶歌詞の意味を徹底考察!―“燃え尽きること”は終わりじゃない―

それでは歌詞考察に入ります。
※本記事はドラマで流れた音源からの考察であり、公式歌詞とは異なる可能性があります。
””あと何回 陽が昇るのを見られるか あなた考えたことありますか””
冒頭から突きつけられるのは、私たちが普段直視しない“有限”の意識。

「あと何回朝を迎えられるか」という問いは、人生の残り時間を問うていると同時に、“今”に目を向けろという強いメッセージでもあります。
””知ってると思うけど みんな最後の最後は灰ですよ 灰””

この一節で登場する「灰」は、避けようのない終末を象徴しています。 けれど、その後に続く言葉がすべてを覆します。
””だったら晴れ晴れと生きて 煌く灰になろうじゃありませんか!””
ここで「灰」はネガティブなものではなく、すべてを燃やし尽くした証、ある種の勲章として捉え直されます。
“煌く灰”とは、無様でも必死でも「生き切った先」にしか辿り着けない、痛みも情熱もすべて抱きしめた人間の姿。

それはまるで、 長いトンネルを抜けた後に広がる、まばゆい日の光と青空 のようなイメージに重なります。
””やっと君に出会えたのに 相も変わらずカッコつけて やる気をひたすら隠して 今日を問うてるスピードばっか””
ここでは、本心や情熱を隠したまま無難に生きようとする姿勢への痛烈な風刺が込められています。

「スピードばっか」という表現も、忙しなさの中に埋もれ、まるで”中身のない日常”を加速させる現在社会への警鐘のように響くのではないでしょうか。
””傷はいずれ 君は触れて 誰かのもの そんなの僕はもう勘弁””
「自分の傷を他人に明け渡すな」というメッセージに聞こえます。

誰かに人生を委ねてはいけない、自分の情熱にだけ責任を持てという叫びのようですね。
””自分で燃え上がんなきゃ誰も知らんふり どんよりした日にゃ Bye Bye Bye 人生の意味なんて 問うてる場合じゃない””

この辺りから楽曲も一段とディープさを増し、まるで“エマージェンシー”を知らせるサイレンやパトランプのように、警鐘が鳴り響きます。
「誰も知らんふり」という一節は、人が誰かを真に理解することの難しさを突きつけます。 だからこそ、「自分で燃えろ」とB’zは強く訴えかけているのです。
””恐るるなかれ 灰は灰に””
このフレーズには、すべてが燃え尽きることを恐れるなという、B’zらしいポジティブな逆説が込められています。

「どうせ灰になるのだから、堂々と燃えてやろう」 そんな開き直りが、むしろ今を全力で生きる覚悟を与えてくれます。
▶まとめ

今回は、B‘zの楽曲「恐るるなかれ灰は灰に」を徹底考察しました。
「恐るるなかれ 灰は灰に」――
ディープでヘビーなメロディーから強烈なインパクトを放つこのフレーズにこそ、B’zの音楽が私たちに投げかける最大のメッセージが宿っています。
誰にも見せなかった炎、自分自身の情熱、それを燃やし尽くして灰になるまで生きること。
それは決して悲しいことではなく、誇りであり、証なのだと。

くすぶっていたあなたの心にも、静かに火が灯り、やがてイグナイトとなる。
この曲は、そんな「危うさと勇ましさとを併せ持つ再点火の歌」なのかもしれません。

私たちは皆、いずれ灰になる存在。
だったら、せめてその灰を「煌く」ものにしてみませんか?
あなたが放つ”煌く灰”は、きっと誰かの心に”生き様”として刻まれることでしょう。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
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そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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