―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS
毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、星街すいせいさんの楽曲「綺麗事」を取り上げます。
▶はじめに｜VTuberアーティスト・星街すいせいと「綺麗事」
2018年に登場して以来、アーティストとしても絶大な人気を誇るVTuber・星街すいせいさん。
彼女が2025年にリリースした楽曲「綺麗事（きれいごと）」は、アルバム「新星目録」の最後を飾る楽曲。
タイトルだけ見るとやや皮肉めいた印象を受けますが、実は聴き進めていくうちに心の奥深くまで入り込んでくるような、強くて繊細なメッセージが込められています。
この記事では、
- 「綺麗事」というタイトルが意味すること
- 楽曲から伝わるイメージ
- 歌詞の奥にある想い
について深掘りし、伝えたい想いの本質に迫っていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
▶楽曲イメージ｜”もどかしさ”が伝えるリアルな心情
「綺麗事」を聴いたとき、まず感じたのは“もどかしさ”でした。
前半のメロディーは静かに語りかけるようなトーンで、
「頭では分かっているのに、それを上手く言葉や行動にできない」
という葛藤がにじみ出ています。
一方、サビでは一気に感情が高まり、
「本当に伝えたい想いは、言葉や行動で示さなければ伝わらない」
という決意を感じられます。
音と心がリンクして、まるで一つのドラマを観ているかのようなストーリー性。
自分自身の“弱さ”と向き合いながらも、何かを伝えたい、伝えなければならないという内なる衝動が、すいせいさんの声からまっすぐに届いてくるのです。
▶歌詞の意味を徹底考察！｜「綺麗事」を嫌う理由とその先にある希望
それでは歌詞考察に入ります。
※ここでは考察を進める上で、歌詞の一部を引用しています。全文を知りたい方は、以下のリンクからご確認ください。
綺麗事を嫌う理由：本音が隠れてしまうから
綺麗事を吐くその口が嫌いだから
歌を歌うんだ
ここで歌われている「綺麗事」とは、おそらく「正しすぎる言葉」や「きれいに整いすぎた建前」のようなもの。
一見すると優しさや思いやりのようでいて、実は誰かの本音や痛みに蓋をしてしまうこともある。
だからこそ、星街すいせいは“歌”を歌うのだと伝えています。
それはただの娯楽ではなく、自分の想いを「ありのまま」に届ける手段。
「綺麗事」が心を曇らせるなら、自分の声で、音で、誰かの曇りを晴らしたい——そんな決意すら感じられます。
カラーフィルターと潔癖：価値観に縛られる私たち
ひしめき合うカラーフィルターの奥で笑ってる
ここでの「カラーフィルター」とは、いろんな人の「色眼鏡」や「価値観」を象徴しているようです。
SNSや日常の中で、知らず知らずに誰かの視点に振り回され、自分の感情が見えなくなる。
そしてその奥には、
潔癖な思考に縛られたままで
というフレーズ。
完璧を求めるがゆえに、自分に厳しくなりすぎたり、弱さを見せられなかったりする。
「間違ってはいけない」「傷ついてはいけない」——そんな思い込みが、どれほど自分を苦しめているか…
不完全さを抱きしめて、それでも歌う
ずっと欲張って きっと間違えて
今日も転げ落ちる 不完全な朝
この部分は、とてもリアルで胸が締め付けられます。
誰もが「こうありたい」と願いながら、なかなかその通りに生きられない。
でも、この曲のラストでは、
それでも歌おう 不完全だから
と歌われています。
ここにこそ、この楽曲の真のメッセージが込められているのではないでしょうか。
「不完全だからこそ、誰かに伝えたい」
「未熟なままで、傷だらけでも、だからこそ美しい」
そんな思いが、聴く人の心をそっと抱きしめてくれるのです。
▶まとめ｜星街すいせいが描く「綺麗事」は、希望の裏返し
今回は、星街すいせいさんの楽曲「綺麗事」を徹底考察しました。
“綺麗事”は、時に人を傷つけ、心の痛みを覆い隠してしまいます。
でも、その「綺麗事」に反発し、自分の声で想いを伝えようとすること——
それこそが、私たちが抱える不安やもどかしさから抜け出すきっかけになるのかもしれません。
星街すいせいさんは、そんな私たち一人ひとりの想いに寄り添いながら詞を綴り、曲を紡ぎ、言葉にしづらい感情を歌にして届けてくれる存在です。
もしかすると彼女は、青春の幻影のような存在かもしれません。
だけど、その声は確かに“今”を生きる私たちの心に寄り添い、励まし、照らしてくれる——そんな「希望の光」なのです。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも多くの楽曲を考察しています。
そちらもどうぞご覧くださいね。
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