今回の「よもやま話」は、「七夕」にまつわるお話です。
♪さ~さ~の~は~さ~らさら~
子どもの頃に歌ったことが、あなたにもあるでしょう。
願い事を短冊に書いて笹に吊るし、願いが叶うように祈りながら天の川を眺めていた…
軒先に飾られている七夕飾りを見ると、世代を超えて受け継がれているんだと温かな気持ちになりますよね。
七夕に笹が登場するのはかなり前からの話になるんですが、短冊に願い事を書いて吊るすのは江戸時代に入ってからだといわれています。
元々は奈良・平安時代の貴族が笹の葉に紙などを敷いて、人形などを乗せて川に流すといったものだったようですが、当時は紙自体が高価なものだったため「高価な紙に願い事を書く」ということは、それだけ大切な願い事を書いていたと考えられます。
ですから、今でいう「女の子にモテたい」といった「抽象的なこと」や、「レクサスが欲しい」などといった「ある意味自分で頑張ったら叶えられそうなこと」、はたまた「新垣結衣さんになりたい」といった「無理難題」などは書かなかったようです。
大切な想いを紙に託して、抗菌を意味する笹の葉に乗せ、願いが叶うよう祈る…
大切な想いを短冊に託して、成長を意味する笹竹に結び付け、願いが叶うよう祈る…
七夕伝説にある「織姫と彦星の物語」をそのままに、神秘的な風習ですよね。
このことを現世において見てみましょう。
ここで、あなたに訊きたいことがあります。
率直に訊きますが、
あなたはここ1年以内にSNSなどのツールを使わず、鉛筆やボールペンなどの道具を使って、誰かに手紙を書いたことがありますか?
年賀状とかの挨拶文ではありませんよ。
近況などを含めた「大切な人などへの想いを認めて書いた手紙」です。
総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると
1年以内に手紙を書いたことがある人の割合は33.1%。
5年以上書いたことがない人の割合は55.1%に上っていることが分かっています。
同じ調査で、大切な人とのコミュニケーション手段として「直接会って話す」以外に「手紙」を選択する人は全体の約11%であり、メール、電話、LINE、Facebook、Twitterに次いで6番目になっています。
如何に想いを紙に託すといったことが少ないかが如実に分かりますよね。
昔はパソコンなんてなかったから、紙に書くしかしょうがなかっただけじゃないの?
こう仰る人もおられるでしょう。
確かにそうです。
平安時代にパソコンなんてあったら、現世においてビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズは「ただの人」になっていますからね。
ただ、これは単なる「論理の飛躍」であって、実際にこういった風習が受け継がれて来たからこそパソコンにまで辿り着いたのではないでしょうか?
パソコンなどで打ち込まれて印刷されたものもある意味「手紙」ではありますが、直筆とは違ってどこか無機質なものとさえ感じてしまいます。
文具店などで売られている書簡箋や100均などにあるレターセットなどにあなた自身が、あなたの手で、あなたの直筆で書き綴ったものが本当の「手紙」だと私は考えます。
手紙とは
「(自分の)手で書き綴る文字を、大切な人を想いながら紙(神)に託すもの」だとは私の見解ですが、手紙を書いている時には「想い」も自然と込められてくると考えた時、私の見解はあながち間違っていないことが分かるでしょう。
短冊に想いを書き、「どうか叶いますように」との願いを込めて飾る。
あなたが本当に伝えたい想いを「短冊」という「紙(神)」に託して書くのであるならば、手紙は短冊より「面積が広い分、伝えたい想いをより多く書き綴ることができる」ものですよね。
ここまでお話すると「字が下手なので、手紙を書いたら恥ずかしくなる」という人が出てきますが、先程お伝えしたように「自分の手で書き綴る文字を、大切な人を想いながら紙(神)に託す」ものですので、字の上手下手は関係ありません。
あなたの想いを、あなた自身の手によって書き綴られた「直筆」の手紙は、きっと受け取った人の心をしっかりと掴み、あなたのことをもっと大切に想ってくれることでしょう。
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