一所懸命な気持ちは国境を越える

よもやま話

今回の「よもやま話」は、「一所懸命な気持ちは国境を越える」という内容です。

一所懸命? 一生懸命じゃないの? 

あなたはそう思うでしょう。

「命がけで物事に取り組むこと」という意味ではどちらも同じなんですが、一生懸命の方が「一生をかけて」「力の限り」といった思いが伝わりやすいので、一生懸命の方がメジャーになっています。

「一所懸命(一生懸命)な気持ちになること」って、どんな時代であっても大切なことですが、いざという時にはなかなか勇気が出ないものですよね…

でも、そんな時の感情は「前向き」なものなので、自分だけではなく他人においても「なんとかしてあげたい」というものになって、それを成し得た時の喜びは自分だけではなく他人にも伝わって、ある意味「相乗効果」を生み出すものだと私は考えます。

そんなことを感じさせるエピソードがあったので、お伝えしますね。

先日、仕事の関係で市役所を訪れた際に、「スミマセン」と声をかけられました。

振り返ると20代後半と思しき外国人の男性。

「どうされましたか?」と普通に答えると、彼は英語でペラペラと何かを話している…

「???」ではありましたが、大学時代に英会話を少しだけ習っていたことなどもあり、

「彼が何を話しているのか」は一応分かりました。(^-^)

Where do you pay the residence tax?

後で思い返せばこんな風に話していたようなんですが、私が分かったのは「Where」「pay」「tax」の3つの単語。

「税金を支払う場所はどこか?」は分かったんですが、税金といってもそれぞれに支払う場所が違うので「どの税金を払うのか」が分かればなんとかなりそう。

彼が差し出して来た書類を見せてもらうと、住民税の支払いに関する内容だったので、どうやら東棟の「市民税課」へ行きたい様子だと分かりました。

私たちが話しているのは 市役所の正面玄関前で「中央棟」。

市民税課は、今話している場所からは彼から見て「左側にあるエスカレーターを上って、少しまっすぐ行ったつき当たりの右側」にあるんですが、私にはそんな英語が話せるわけはなく…(^-^;)

でも困っている彼を放ってはおけないので、とりあえず一所懸命に伝えようと頑張ることにしたんですが、如何せん英会話といっても、初日に行った時に一緒になった女子大生に今でいう「キュンです!」の状態になり、その子に会いたいがために通っていたようなもの…

もっとまじめに勉強していればよかった…

なんて後悔先に立たず。

彼も忙しいようだから、モジモジしていては迷惑になってしまうし、私の言動如何では日本の未来が危うい…日本を代表して答えないと‼(今考えたら、何とも大げさなことを思っていたようです…)

意を決した私。

「OK。Look this my finger…」

私は人差し指をエスカレーターに向けて


「ザット エスカレーター アップ セカンドフロアー リトルストレート 

『ドーーーン』 ライト OK?」

伝えたい日本語を単語のみで伝えようとしたんですが「突き当たり」が分からないので『ドーーーン』ということにして、文字通り「一所懸命」身振り手振りを交えて「熱演」。

気負い過ぎたせいでジェスチャーも声も大きかったので、周囲にいた人もクスクスと…(^-^;)

すると、彼。

 「 OK!  That’s light !!  You’re great !!  Thank you !! 」

と大喜び。

握手とハグを求められ、汗だくで申し訳ないとは思いましたが応じた後、嬉しそうに市民税課へ向かって、エスカレーターを上って行く彼。上り切ったところで、私に笑顔で手を振ってくれました。

「なんとかしてあげたい」と思う気持ちが伝わって私も嬉しくなり、人目もはばからずまるでドラマのワンシーンのように大きく手を振っていましたが、ふと我に返った時に恥ずかしさ全開になり、余計に汗だくになってしまいました…

文化や風習、お国柄は違っても「なんとかしてあげたい」という「一所懸命(一生懸命)な気持ち」は、国境を越えて伝わるものなんだと、改めて感じました。

変に自分を高く見積もり過ぎて「イイとこ見せよう」とはせず、「今の自分ができることで、なんとかしてあげたい」と思い、少しだけ勇気を出したことで成し得たこと。

あなたにもできることがありますし、あなたにしかできないことだってある。

優しい気持ち、支え合う気持ち。大切にして生きましょう!

ちなみに後で調べたんですが、先程の外国人の方に私が言いたかったことを英語にすると

(You can)Go up the escalator on the left and it is on the right at the end of the 2nd floor.

というようです。

こんなにスラスラと話せたら素敵ですよね…

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