【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回、あなたの心に届けたい楽曲は
YOASOBI の アイドル です。
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えします。
光と影、虚像と偶像の狭間で苦しむ様子をドラマティックに表したメロディー
2019年、コンポーザー(作曲家・サウンドクリエイター)のAyaseとシンガーソングライターikuraによって結成された「特定の小説などをテーマとして楽曲にする」男女混成ユニット「YOASOBI(ヨアソビ)」が発表したこの曲。
赤坂アカ原作、横槍メンゴ作画、田中仁脚本によるTOKYO MX超大反響アニメ「推しの子」のオープニング主題歌として、赤坂アカ著の小説「45510」をもとに書き下ろされました。
アニメの作風や概要、あらすじはコチラ。
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 主人公の雨宮吾郎は、宮崎県の山間地域の産婦人科医。 自分に懐いていた患者で12歳の若さで亡くなった少女 天童寺さりなの影響により「アイドルオタク」になっていた。 ある日、彼の元に活動休止中の「推し」アイドル 「B小町」の星野アイが現れた。 16歳の彼女は双子を妊娠した状態で ある禁断の秘密を抱えていた… そんな2人の“最悪”の出会いから 運命が動き出していく…
主人公が死後に前世の記憶を持ったまま 推しているアイドルの子どもに生まれ変わる「転生もの」。 ファンタジー設定でありながら サスペンス要素や現世を投影した展開、 芸能界の闇に斬り込むリアルさなどが注目を集める話題作。 それが「推しの子」である。
※「推し」とは、アイドルやファンなどの間で「応援している人」のこと。
勇ましさ、可愛さ、寂しさ、悲しみ、苦しみ、喜び。
猫の目のように変化するメロディーラインはアイドルの心の中そのものを描いていて、聴き込むほどに「光と影、虚像と偶像の狭間で苦しむアイドルの姿」がドラマティックに表されているように筆者は感じました。
歌詞の意味を考察!秘密と嘘の中に在る「愛と誠」
さて、歌詞考察に入ります。
様々な視点から「アイドル」を描いたドラマティックな歌詞です。
冒頭部分から一緒に見ていきましょう。
無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
冒頭の部分で描かれているのは「アイドルとして誰もが信じて疑わない姿」。
アイドルという言葉の意味が「偶像」であるとすれば
その偶像をカリスマ化する人たちの強過ぎる気持ちが投影されるのではないでしょか。
1番の歌詞では、メディアなどでよく見るアイドルの姿が描かれていて、画面などを通して発せられる言葉や表情、しぐさを「アイドルのあるがままの姿」と信じてしまう人たちの姿も窺えるものになっています。一緒に見ていきましょう。
今日何食べた? 好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない それは内緒
何を聞かれても のらりくらり
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
そう淡々と だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは? 相手は?
さあ答えて
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
誰もが目を奪われていく
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で 愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳が その言葉が
嘘でもそれは完全なアイ
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
誰にでもある「触れられたくない過去」や「知られたくない日常」。
今、目の前にいる私は「虚像」なのに「偶像(アイドル)」だと信じて疑わない人たちのためにアイドルを「演じ抜く」姿が何とも胸を締めつけます…
2番の歌詞では、アイドルグループの仲間からの視点や「推している人たち」からの視点での「アイドル」の姿が描かれています。一緒に見ていきましょう。
はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない
洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃないからこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
分かりやすいように色分けしてみました。
「推している人たち」や仲間からも完璧を求められる
アイドルの心身状態が如何に過酷なものかが窺われますよね…
誰もが信じ崇めてる
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
1番と2番のサビの最後に登場する「アイ」とは、アニメでいうと「星野アイ」のことなのは明白ではありますが、虚像や偶像といった秘密や嘘で表現されたものだから「愛」としない部分も見え隠れしているように筆者は考えます。
そして、3番から大サビの部分には「アイドルとして生き抜く決意」と「1人の人間としての本心」が描かれていると筆者は考えます。
得意の笑顔で沸かすメディア
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
アイドルとして生きる以上、虚像であっても偶像であり続けなければいけない。
裏切ることなど有り得ない。信じてくれる人たちを自分も信じることで想いをつなぐ。
たとえそれが「嘘偽りで塗り固めた愛」であったとしても…
こんな感じでしょうか。
続きを見ていきましょう。
誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてる
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
「誰かに愛された」、「誰かのこと愛した」には
「本気で」という言葉が隠れていると筆者は考えます。
アイドルの私を愛している人たちとアイドルを演じている私が愛している人たちが存在する今、あるがままの私を分かってくれる人などいないかもしれないし、本当の私を見せることで「本当の私の方が嘘偽りだ」とされるのが怖くて、純粋に人を愛することなんてできない…
でも、私という人間は1人しかいないのだから
いつか本当の私を見つけてくれる誰かが
あるがままの私を愛してくれることを信じている…
アイドルが心の奥で抱える想いが、ここに集約されているのではないでしょうか。
そして、この部分がこの歌が伝えたい想いの本質
秘密と嘘の中に在る「愛と誠」へとつながっていると筆者は考えます。
さぁ!大サビへと向かいましょう!
いつかきっと全部手に入れる
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/yoasobi/idol/
等身大の私で愛したい…
今、みんなの目の前にいる私は「アイドルを演じている私」
いつかそのことに気づいてほしい…
アイドルの私の一挙手一投足、発する言葉のすべてが
「偶像」ではなく「虚像」なのだと分かってもらえる日が
きっと訪れることを願っている…
後半部分の歌詞にある「君と君」は、アイの最愛の子どもたち「アクアとルビー」を指していると筆者は考えますが、最後に伝えられた嘘偽りのない「愛してる」が、事の真相やお母さんのすべてを知っている子どもたちだったことが、何ともやりきれない思いですよね…
まとめ
今回は YOASOBI の アイドル について
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えしました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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