はじめに
慌ただしい日々の中で「あーでもない。こーでもない」と試行錯誤したり
家族などに支えてもらいながらお家で介護を続けているあなた。
日々の介護、本当にお疲れさまです…。
現状において、慌ただしい中ではあっても家族みんなが元気であって
会話も笑顔も弾んでいるのであれば何の問題もありませんよね(^-^)
ただ…
今は大丈夫であっても、月日が経つにつれ家庭での様々な要因などが重なり
高齢者においては在宅での介護が難しくなってしまうこともあると考えられます。
そういった時に頭に浮かぶのが
「施設への入所」。
それぞれの生活を無理なく続けていくための「最終手段」になりますが、長年一緒に暮らした家から新しい環境である施設へ移り住むことになると、高齢者にもあなたにも少なからず不安はあると考えます。
それに「施設」といってもたくさんありますし
「どの施設があなたのお父さんやお母さんに合った施設なのか」
「経済面を考えた場合、費用は1月あたりどれくらいかかるものなのか」
などの疑問が湧き上がってくるのではないでしょうか?
そこで今回は、介護福祉士でありケアマネジャーでもある筆者の培った経験から
「介護施設の選び方で知っておくこと」
「押さえておきたい8つのポイント」についてお伝えします。
この記事では施設といって真っ先に頭に浮かぶ
ポピュラーな3つの施設についてスポットを当てて
・どんな高齢者の方に向いているのか?
・1ヶ月あたりの費用はどれくらいかかるのか?
・入所する場合の条件は?
といった「介護施設の選び方で知っておきたいこと」をまずご紹介して
後半では「介護施設の選び方で押さえておきたい8つのポイント」についてお伝えしますので、どうぞ最後までご覧ください。
それでは始めていきましょう!
介護施設の選び方で知っておきたいこと「特徴」、「費用」、「入所条件」についてお伝えします!
現在「社会福祉施設(特別養護老人ホーム)」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設(介護医療院)」を中心として、「介護付有料老人ホーム」、「グループホーム」、「地域密着型小規模特別養護老人ホーム」など、多くの施設で高齢者の方々が暮らしています。
それぞれにおいて特色などがありますが、ここでは代表的な3つの施設についてご紹介します。
社会福祉施設(特別養護老人ホーム)
「終の棲家」ともいわれる施設で、施設で高齢者が暮らす最もポピュラーな施設です。
特徴
4~6名が1つの居室で生活する形が多い「従来型」と
全室個室対応をしている「ユニット型」があり、最近多くみられるのは「ユニット型」。
1ユニットにつき約10名の高齢者が暮らす形になります。
周りに人が多くいて賑やかに生活ができ、費用負担を少なくしたい場合は「従来型」。
個人のプライバシーを守って、自分のペースで生活したい場合は「ユニット型」がオススメです。
費用
「従来型」で1ヶ月あたり約6万~10万前後。
「ユニット型」で1ヶ月あたり約8万~13万前後が平均値です。
「介護保険負担限度額認定証」によって、費用負担を少なくすることができます。
※住民税非課税世帯が主な対象になります
入所条件
現在では「要介護3以上」の方でないと入所申込ができないことになっています。
介護老人保健施設
病気やケガなどで療養していて、病状が安定し退院となった場合
家に帰ってからの生活には不安が残る方が一時的に入居する施設です。
リハビリテーションを行う施設としても耳馴染みがあるのではないでしょうか?
特徴
こちらにも特別養護老人ホームと同じように「従来型」と「ユニット型」がありますが、ユニット型の介護老人保健施設は少ないように感じます。
在宅と施設をつなぐ「中間施設」の意味合いがあるので
在宅での介護と施設利用とのバランスを考える場合にはこういった施設を選ぶといいでしょう。
将来的に特別養護老人ホームへの入所を考える場合
複数の介護老人保健施設を転々とする「入所待ち利用」を行う方も多くいます。
費用
特別養護老人ホームとさほど違いはありませんが
こちらの施設の方が若干高めの金額になる場合があります。
具体的には平均値として1ヶ月あたり約10万~15万円前後になります。
先程と同様に「介護保険負担限度額認定証」によって、費用負担を少なくすることができます。
※住民税非課税世帯が主な対象です
入所条件
「要介護1以上」であれば入居は可能ですが
「3~6ヶ月の入居期間制限」があります。
介護療養型医療施設(介護医療院)
病状が安定せず、機能低下などもあり、在宅や先述した施設では穏やかな生活が行えない高齢者など、介護を受けながら長期的な医療サービスを必要とする方が入居する施設になります。
特徴
看取りやターミナルケアなど行うところが多く、医療面においての不安が他施設よりも少ないので、ある意味において「終の棲家」として検討される方も増えています。
費用
平均値としては介護老人保健施設とほぼ同じような感じ。
具体的には、1ヶ月あたり13万~16万円。
医療負担を考えると費用が高くなる可能性もあるので、押さえておいてくださいね。
「介護保険負担限度額認定証」によって、費用負担を少なくすることができます。
※住民税非課税世帯が主な対象です。
入所条件
「要介護1以上」で入所できますが
多くの場合は治療を要する病気があり「要介護度の高い方」がメインになっています。
以上が「介護施設の選び方で知っておきたいこと」になります。
次の章では「押さえておきたい8つのポイント」についてお伝えしますので、どうぞ続きをご覧ください。
介護施設の選び方で押さえておきたい8つのポイント
どの施設を選ぶにしても、高齢者の状態を見た上でということにはなるのですが
こういった状況の際に介護保険制度下において頼りになる人といえばケアマネージャーですよね。
在宅サービスを利用するなどの際には、多くの情報提供をしてくれるので有難い存在だと思いますが、施設への入所となると、ケアマネージャーがしてくれることは「パンフレットを取りに行ってくれる」のみになります。
どうしてか?
「施設への入所は、高齢者・あなたと施設との直接交渉での契約になるから」です。
あなたがこれまでどんな時でも側にいて喜びも苦しみも分かち合いながら介護をしてきた大切な高齢者ですから、大きな生活環境の変化を余儀なくされてしまうのは必然ですよね。
だからこそ、よく考えてもらいたいのです。
そういった場面において
いくら関係性を築いて信頼も厚いからと
他人様に任せておいていいんですか?
- ◎新しい環境の下で、どんな暮らしが待っているのか
- ◎介護職員たちは、入居高齢者にどんな介護をしているのか
- ◎施設スタッフは高齢者やあなたの思いをしっかりと聴き、活かしてくれるのか
心配ですよね。
だからこそ「あなたの目で観て、耳で確認すること」が重要になるのです。
では、どこを見て、どこを確認すればいいのか?
そりゃそうですよね。難しいと思います。
そこであくまでも私見ではありますが
筆者の経験において、このことを押さえておけば施設選びに失敗しない
「8つのポイント」についてお伝えしますので、しっかりと覚えておいてくださいね。
経験に基づいてお伝えする「介護施設の選び方で押さえておきたい8つのポイント」
- 入居する施設の正面玄関フロアが明るいか暗いか
- 受付の事務職員の挨拶が笑顔を伴っているか(身だしなみを含む)
- 見学にて案内をする職員が、あなた方と歩調を合わせているか
- 見学にて案内をする職員の説明は、あなた方が質問する余地を残しているか
- 集合スペースを見渡した際の雰囲気と集合スペースでの入居高齢者方の表情はどうか
- 介護をしている職員の言動や表情に違和感を感じはしないか
- パンフレットを手渡された後、職員は費用のことばかり細かく話をしていないか
- 施設を出た後、振り返って施設を見た時、あなたの大切な高齢者の笑顔が浮かぶか
あくまでも私の見解ですのでこれ以外にもあるとは思いますが
この8つを押さえておけば、あなたの大切な高齢者が
不安少なく過ごせる施設かどうかが判断できると筆者は考えます。
まとめ
今回は
【介護施設の選び方】
知っておきたいこと、押さえておきたい8つのポイント
についてお伝えしました。
「施設への入所」は、高齢者やあなた、そして家族それぞれにおいて「大きな環境の変化」となりますが、誰もが願うことは「穏やかに日々を過ごすこと」であり「柔らかな微笑みとぬくもりの中で暮らしていくこと」ではないでしょうか。
1つ1つのポイントをしっかりと押さえ
後悔のないケアライフを無理なくお続けくださることを願っています。
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