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第36回【介護福祉士試験2024対策】過去問から「気になる問題」を徹底解説!めざせ!一発合格‼<前編>

【実録】介護の本質
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今回は【実録】介護の本質chから

第36回【介護福祉士試験2024対策】

過去問から「気になる問題」を徹底解説

めざせ!一発合格‼  

と題してお送りします。

1987年より国家資格となった「介護福祉士」

令和5年9月末までにおいての登録者数は、推定190万人にも上っています。

筆記試験の概要については

13分野全125問に亘る問題のうち

全分野において1点でも得点があり正答率60%以上が合格になります。

介護の仕事をする上では今後「必須」となるだけに、なんとか取得しておきたい資格であり、2024年4月からは「国家資格取得者」や「従事する上で必要な研修を修了している者」以外は介護の仕事ができなくなるので、2024年1月の試験においてはぜひとも合格を勝ち取ってもらいたい!

そう筆者は切に願っています。

そこで重要となるのが「勉強法」。どういった方法なのか?

一番確実なのは「過去3年間において出題された問題を解いていく」ことです。

巷でよく言われている「過去問をしっかりと解いていけば大丈夫!」というのは、あながち間違っていないのは事実ですが、ただ闇雲に解いていけばいいというものではなく、出題される傾向を踏まえながら勉強していくことがベターなのではないでしょうか。

この記事では、過去3年間に介護福祉士試験で出題された「375問」について、現役介護福祉士である筆者が実際に解きながら、出題が予想される「気になる問題」について、間違いやすい部分や正解を導き出すポイントなどを徹底解説し、解答に悩む問題などに自信を持って答えられる一助となるような内容をお伝えします。

今回は「前編」として、主要な7分野から出題される問題について「頻繁に出題される」、「間違いやすい」、「難解」などといったものを取り上げ、徹底解説しますので、しっかりと理解を深めることで一発合格への足がかりにしてもらえたら嬉しいです!

では、始めていきますね。


介護福祉士試験・主要7分野の「気になる問題」徹底解説!

令和6年1月28日(日)に筆記試験が行われる「第36回介護福祉士試験」。一発合格へ向けて筆者も力を入れて解説していきますので、頑張ってくださいね!

各分野においての出題順がランダムになっているようなので、ここでの解説順に出題されるかどうかは定かではありませんが、1つ1つの分野においてしっかりと理解を深めていけば大丈夫です。

では、最初に解説する分野をご覧ください。


人間の尊厳と自立

<解説>

過去においてもトップに出題されているこの分野からは2問

そのうち1問は「事例を絡めた問題」になっています。

事例ではない問題については、出題されることについて「知っているかいないか」のみになるのでどんな問題が出るのかは計り知れません…

それを如実に表していた問題があるので、今回取り上げて解説したいと考えます。

第33回介護福祉士試験

問題 1 
人権や福祉の考え方に影響を与えた人物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.リッチモンド(Richmond, M.)は、『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』をまとめ、現在の社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。

2.フロイト(Freud, S.)がまとめた『種の起源』の考え方は、後の「優生思想」につながった。

3.マルサス(Malthus, T.)は、人間の無意識の研究を行って『精神分析学入門』をまとめた。

4.ヘレン・ケラー(Keller, H.)は、『看護覚え書』の中で「療養上の世話」を看護の役割として示した。

5.ダーウィン(Darwin, C.)は、『人口論』の中で貧困原因を個人の人格の問題とした。

この問題。

試験が始まって最初に目にした時、ドン引きした人が多かったのではないでしょうか。

筆者もかなり動揺しました…

こういった問題はインパクトが強く、一見ドン引きしますが「著書と著者名が正しいかどうか」のみに視点を置くことで正解を導くことができます(この中で知っている著書と著者名がある人ならば、容易に解けたのではないかと考えます)

今後においてもこういった問題は出題される可能性があり、良い機会なので正解の他に不正解の著書と著者名について、正しいものを載せておきますので、しっかりと押さえておいてくださいね!

「ソーシャル・ケース・ワークとは何か」リッチモンド「○」

「種の起源」→フロイト「×」(本当の著者は、ダーウィン

「精神分析学入門」→マルサス「×」(本当の著者は、フロイト

「看護覚え書」→ヘレン・ケラー「×」(本当の著者は、ナイチンゲール

「人口論」→ダーウィン「×」(本当の著者は、マルサス

よって正解は、1番になります。

実務に直接活かせるものではないため、著書の細かな内容まで知る必要性があるのかは分かりませんが、興味のある人は一読しておいてもいいのではないでしょうか。

試験問題としては「著書と著者名が合致しているか否か」のみ着目すると比較的容易に解けると考えられますので、活用してみてください。


人間関係とコミュニケーション

<解説>

この分野からの出題は2問

そのうち1問は「事例を絡めた問題」になっていますが

ここでは事例問題は取り上げず、それ以外の出題について解説していきますね。

第33回介護福祉士試験

問題 3 
人間関係における役割葛藤の例として適切なものを1つ選びなさい。

1.就労継続支援B型の利用者が、生活支援員の期待に応えようとして作業態度をまねる。
2.家族介護者が、仕事と介護の両立への期待に応えられるかどうか悩む。
3.通所介護(デイサービス)の利用者がレクリエーションを楽しんでいる利用者の役を演じる。
4.就労移行支援の利用者が、採用面接の模擬訓練中にふざけて冗談を言ってしまう。
5.高齢者が、家事を行う家族に代わり、孫の遊び相手の役割を担う。

役割葛藤とは2種類あって、1つは「役割内葛藤」、もう1つは「役割間葛藤」です。

2つの違いは役割について「1つ」か「複数」かであり、その役割について葛藤(互いに対立する感情や意見、欲求などを同時に抱えて思い悩む心理状態)している」ことがこの問題を解くカギになります。

選択肢を見るポイントは、文章最後の「動詞」

「まねる」「悩む」(役を)演じる」「冗談を言う」「担う」の中で

葛藤している状態を指すものが正解になります。 正解は、2番ですよね。

第34回介護福祉士試験 

問題 4 
利用者とのコミュニケーション場面で、介護福祉職が行う自己開示の目的として最も適切なものを 1つ選びなさい。

1.ジョハリの窓(Johari Window)の「開放された部分(open area)」を狭くするために行う。
2.利用者との信頼関係を形成するために行う。
3.利用者が自分自身の情報を開示するために行う。
4.利用者との信頼関係を評価するために行う。
5.自己を深く分析し、客観的に理解するために行う。

「自己開示」という言葉をザックリ説明すると「自分自身をさらけ出す」であり、自分から心を開いて相手と接するといった意味合いになりますが、ここで既に1番が「×」なのは分かるでしょうか?

1番の「ジョハリの窓」とは自己分析を行う際に使用する心理学モデルの一つ

図解するとコチラになります。

4つのエリア(self)に分かれていて「開放された部分」とは「開放の窓」(自分も他人も知っている自己)に当たりますが、ここを狭くすると何が起こるか。互いに「赤の他人」になってしまうでしょう…

狭くするのは「秘密の窓(hidden self)」であり

開放の窓は広げることで自己開示につながります。

3番は利用者ではなく、先に介護福祉職の方が情報開示します(得体の知れない人と会話するのは、利用者にとってかなり強いストレスを感じるのではないでしょうか)

4番は評価ではなく形成であり、評価はするのであれば最後です。

5番は尤もな話であり、選択に悩むところですが、よく見てみると自己開示ではなく「自己覚知」になるので、これも×。

よって正解は、2番になります。

コミュニケーションの基本は会話であり、その中には表情や仕草、声のトーン、会話のスピードなども含まれますが、介護福祉職と利用者(高齢者)とを比較してどちらの方が、絶対的に情報量が多いのかは歴然ですよね。

「自分を知り、相手を知ってまた自分を知る」

このことは介護という範疇を取り払い、普段の生活の中でのコミュニケーションを考えた場合においても言えることなので、頭の片隅に置いておくといいでしょう。


社会の理解

<解説>

社会の理解からの出題は、過去数年間における福祉施策の動向関連する言葉、そして私もイヤだった「法律関連」についての問題が多くを占めています。実務においても知っておく必要のある問題ばかりですので、しっかりと押さえていきましょう。

第34回介護福祉士試験

問題 7 
2015年(平成 27 年)以降の日本の社会福祉を取り巻く環境に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.人口は、増加傾向にある。
2.共働き世帯数は、減少傾向にある。
3.非正規雇用労働者数は、減少傾向にある。
4.高齢世代を支える現役世代(生産年齢人口)は、減少傾向にある。
5.日本の国民負担率は、OECD加盟国の中では上位にある。

(注)OECDとは、経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)のことで、2020 年(令和 2 年)現在 38 か国が加盟している。

キーワードになるのが「2015年以降の日本の社会」であり、2015年を起点として日本社会はどんな道を辿ってきたのか?を考えると分かり易いですよね。

今般、声高に叫ばれているのが「少子高齢化」「非正規雇用の増大」「共働き世帯の増加」なので、選択肢と照らし合わせると、4番が正解になるでしょう。

(5番については、2015年42.6%28位/36か国以降も20位以下で推移しているので「×」になります)

第35回介護福祉士試験

問題 8 近年、人と人、人と社会とがつながり、一人ひとりが生きがいや役割をもち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方が示されている。この考え方を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.ナショナルミニマム(national minimum)
2.バリアフリー社会
3.介護の社会化
4.生涯現役社会
5.地域共生社会

キーワードになるのが「助け合いながら暮らすコミュニティ、地域や社会を創る」という部分になるので、後はこのワードをそのまま含んだ選択肢を探せば大丈夫!

5番が正解になります。

次からの2問は「法律関連」の問題です。

解説を見ながら、確実に自分のものにしていってくださいね!

第33回介護福祉士試験

問題 7 次のうち、福祉三法に続いて制定され、福祉六法に含まれるようになった法律として、正しいものを1つ選びなさい。

1.社会福祉法
2.地域保健法
3.介護保険法
4.老人福祉法
5.障害者基本法

福祉三法とは、次の3つのこと。

  • 生活保護法
  • 児童福祉法
  • 身体障害者福祉法

これに、新たに3つが加わって「福祉六法」になっています。

  • 知的障害者福祉法
  • 老人福祉法
  • 母子及び寡婦福祉法

よって正解は、4番になります。

※福祉六法は、今後においても関連する問題が出題される可能性があるので、覚え方としては「自【】・(の)生活(を)(る)(いた)という感じで覚えておくと良いでしょう。

第33回介護福祉士試験

問題 14 
「障害者総合支援法」の障害者の定義に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.18 歳以上の者である。
2.65 歳未満の者である。
3.難病患者は除外されている。  
4.発達障害者は除外されている。
5.精神作用物質による依存症の者は除外されている。

(注)「障害者総合支援法」とは「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

障害者総合支援法の問題については、過去3年において2度、しかも複数問出題されていますが、介護福祉士として理解しておくべき内容としては「定義」だけでも十分だと筆者は考えますので、しっかりと覚えておいてください。

障害者総合支援法 第4条に定められている障害者の定義は、コチラ

身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害者を含む)
政令で定める難病等により障害がある者で18歳以上のもの。  

この段階で2,3,4は「×」になりますよね。残ったのは1番と5番。

5番においては、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、その他の精神疾患を持つものにおいても含むとされているので「×」。

よって正解は、1番になります。

法律関連の問題は難解なものが多く、勉強する上でもなかなか捗らないですよね…筆者もこの分野の問題を解くのには今でも苦労するのですが、条文については「そのまま書かれていれば〇」数字が盛り込まれている選択肢は「どちらかが〇」といった考え方で解いていくと正解に辿り着くパーセンテージが高くなると筆者は考えます。


介護の基本

<解説>

「基本」と銘打つだけに、本当に基本的な知識として知っておくべき内容の問題が複数出題されますので、『満点を取る!』くらいの意気込みでしっかり勉強しておきましょう。

この分野においては、過去問を見ていても比較的解きやすい問題が並んでいましたので、ここでは「基本中の基本」の視点での問題を解説しておきますね。

第34回介護福祉士試験

問題 19 
利用者の自立支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.利用者の最期の迎え方を決めるのは、家族である。
2.利用者が話しやすいように、愛称で呼ぶ。
3.利用者が自分でできないことは、できるまで見守る。
4.利用者の生活のスケジュールを決めるのは、介護福祉職である。
5.利用者の意見や希望を取り入れて介護を提供する。

介護保険の基本理念「利用者本位」や、バイステック7原則における「自己決定」というものと照らし合わせると分かり易いですし、普段介護に従事している中でも意識して取り組むべきことなので「間違えてしまうことはご法度」ではないでしょうか。

1番と4番は、完全に利用者本位ではありませんので「×」

3番は「できないことを支援する」という介護の考え方と異なるので「×」

2番については、特に施設介護においてよく見かけるものですが、愛称(下の名前にちゃん付け、あだな呼びなど)は利用者の尊厳に関わる問題になるので「×」

したがって正解は、5番になります。

以降についても、こんな感じで進めていきますね。


発達と老化の理解

<解説>

この分野からは毎年、乳幼児や子どもの成長期に関する問題、高齢者によくある疾患や症状についての問題などが複数出題されています。選択肢において複雑な書き方をしている者が多いようですが、ポイントを押さえておけば大丈夫!点数は取れますよ。

早速問題を解いていきましょう。

第34回介護福祉士試験

問題 69 
愛着行動に関する次の記述のうち
ストレンジ・シチュエーション法における安定型の愛着行動として適切なものを1つ選びなさい。

1.養育者がいないと不安な様子になり、再会すると安心して再び遊び始める。
2.養育者がいないと不安な様子になり、再会すると接近して怒りを示す。
3.養育者がいないと不安な様子になり,再会すると関心を示さずに遊んでいる。
4.養育者がいなくても不安な様子にならず,再会すると関心を示さずに遊んでいる。
5.養育者がいなくても不安な様子にならず,再会すると喜んで遊び続ける。

ストレンジ・シチュエーション法とは、乳幼児と母親など(養育者)によって形成される愛情の発達や類型について、いくつかの異なる状況によって明らかにするための実践観察法で、4つに分類されています。

それを踏まえて選択肢を見ていくと、3番4番「養育者がいてもいなくても無関心」であることが分かり「回避型」になりますよね。2番「アンビバレント型」になり、5番は乳幼児の行動がチグハグになっているので「無秩序・無方向型」であることが分かるため、正解1番になるでしょう。

ストレンジ・シチュエーション法が分からなくても、赤ちゃんとお母さんの関係性を考えた時、お互いにおいて一番愛情表現が「まとも」なものを選択すれば容易に解けると筆者は考えます。

では、もう1問!

第34回介護福祉士試験

問題 74 
老化に伴う感覚機能や認知機能の変化に関する次の記述のうち最も適切なものを1つ選びなさい。

1.大きな声で話しかけられても、かえって聞こえにくいことがある。
2.会話をしながら運転するほうが、安全に運転できるようになる。
3.白と黄色よりも、白と赤の区別がつきにくくなる。
4.低い声よりも、高い声のほうが聞き取りやすくなる。
5.薄暗い部屋のほうが、細かい作業をしやすくなる。

この問題を解くカギは

高齢者の特徴をしっかりと理解しているか?の一択です。

高齢者の特徴として頭に浮かぶものは…

  • 耳が遠い(聞こえにくい)
  • 目が不自由(見えにくい)
  • 複数のことを同時にできない(注意力散漫)など

こんな感じでしょうか。

これらを改善するために、介護者はどんなことをすればいいか?

それが正解を導き出します。

耳が遠い高齢者の多くは「感音性難聴」であり、高い音や大きな音には反応が鈍いため、低いトーンで普段の声音でゆっくり話すと聴こえるようになります。

目が不自由な高齢者は、薄暗くなると目が見えにくくなる傾向にあり、色の識別については、曖昧な色合いは区別しにくいので、室内の明るさを調節して視界を確保することや、はっきりとした色合いのものであれば区別はできるでしょう。

高齢者は、現役世代や若者のように「AをしながらBをする」といった器用なことができにくくなっていますので、動作を分割させること(Aをやり終えてからBを行う)が必要になります。

以上のことを踏まえて選択肢を見てみると、正解は1番ということになるでしょう。

こういった基本的な部分を押さえながら発展・応用問題を解いていくと、曖昧な表現や微妙な言い回しで書かれた問題において「軸がブレない」ので、自信を持って問題に挑むことができるでしょう。

前編は、あと2分野。一発合格へ向けて、一緒に頑張りましょう!


認知症の理解

<解説>

この分野については事例を含めて複数問出題されますが、ただ認知症の種類や特徴だけを憶えていると失点するリスクが高いと筆者は考えます。「認知症とは何なのか」「認知症と間違いやすい疾患」などに着目し、そこから発展・応用していくことをお勧めします。

では早速、過去問を一緒に解いていきましょう。

第34回介護福祉士試験

問題 79 
軽度認知障害(mild cognitive impairment)に関する
次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 

1.本人や家族から記憶低下の訴えがあることが多い。
2.診断された人の約半数がその後1年の間に認知症(dementia)になる。
3.CDR(Clinical Dementia Rating)のスコアが 2 である。
4.日常生活能力が低下している。
5.治療には、主に抗認知症薬が用いられる。

軽度認知障害とはザックリいうと「軽い物忘れ程度の認知障害」のことで、出来事について何かのきっかけで思い出せる人がこれに当たります。『最近物忘れがひどくてね…』といった自覚もあるので、認知症という判断は尚早なものになります。

物忘れなど記憶の低下はみられるものの、日常生活への影響はほとんどないため、4番「×」

何もせず放置しておけば確かに認知症症状が進行していきますが、1年の間に認知症となってしまう人の割合10%程度なので2番「×」

CDRとは「臨床的認知症尺度」で、認知症の重症度を判定する評価基準の1つ。記憶、見当識、判断力と問題解決、地域社会活動、家庭生活および趣味・関心、介護状況などを基に評価されますが、軽度認知障害と判断されるスコアは0.5なので、3番「×」

治療については、食習慣や運動習慣、人との関わりなど「日常生活の改善」を主体としたものになり、薬物による治療ではないので、5番「×」(軽い物忘れで薬を使用すれば、違った意味で大変なことになりかねません…)

よって正解は、1番になります。

では、次の過去問です。

第34回介護福祉士試験

問題 82 
軽度の認知症(dementia)の人に、日付、季節、天気、場所などの情報を
ふだんの会話の中で伝えて認識してもらう認知症ケアとして正しいものを1つ選びなさい。

1.ライフレビュー(life review)
2.リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)
3.バリデーション(validation)
4.アクティビティ・ケア(activity care)
5.タッチング(touching)

この問題については「用語を知っているかどうか」のみなので

5つの選択肢の用語を記しておきます(その方が一目瞭然ですからね)

ライフレビュー:
自分の人生を振り返り、想い出や出来事を他者に語ること。

リアリティ・オリエンテーション:
今日の日付や時間、今いる場所などに関する質問や確認を繰り返すことで現実感を持ってもらうことを目的としたもの。

バリデーション:五感を使って相手の立場になって理解しようとすること。

アクティビティ・ケア:楽しみながら体を動かし、身体機能低下を防ぐ介護のこと。

タッチング:手や指で撫でる、擦るなどといった「肌と肌との触れ合い」を通じた相互作用性のある行為によって心の安定をもたらすことを目的としているもの。

正解は、もうお分かりですね?

2番になります。

では、この分野最後の過去問です。

第33回介護福祉士試験

問題 77 
うつ病(depression)による仮性認知症(pseudodementia)と比べて認知症(dementia)に特徴的な事柄として適切なものを1つ選びなさい。

1.判断障害がみられることが多い。
2.不眠を訴えることが多い。
3.誇張して訴えることが多い。
4.希死念慮がみられることが多い。
5.抗うつ薬が効果的であることが多い。

うつ病と認知症の違いが分かっているかどうかを問われている問題です。

高齢者の場合、この2つの疾患は重なる部分が多く、本質を見抜くことが難しいのですが、決定的な違い「心に起因する病」「脳に起因する病」なのではないでしょうか(あくまでも私見ではありますが)

これを考慮しながら選択肢をみていくと、まず5番論外なのが分かるでしょう(分からない人は、先程の過去問【第34回:問題79】で解説した内容を再チェック!)

うつ病の特徴が書かれているのが3番4番悩ましいのが1番2番になりますが、不眠うつ病の場合は初期的症状であるのに対し、認知症の場合は二次的症状に当たるため「×」となりますので、正解は1番ということになるでしょう。

何事においてもそうですが「基本をしっかりと理解してこそ発展、応用が活きてくる」ことを頭の片隅に置きながら、1つ1つ確実にものにしていってくださいね。

いよいよ最後の分野になります。頑張りましょう!


障害の理解

<解説>

この分野においても、事例を含め複数問出題されていますが

難易度的には低めのものが多いようです。

ただし、油断は禁物!

思わぬ落とし穴にはまらないように

しっかりと問題を読み解きながら復習を重ねていってくださいね。

それでは過去問を解きながら解説していきます。

第33回介護福祉士試験

問題 92 
筋ジストロフィー(muscular dystrophy)の病態について適切なものを1つ選びなさい。 

1.網膜が変性する。 
2.運動神経が変性する。 
3.自己免疫が原因である。 
4.中脳の黒質が病変部位となる。 
5.筋線維に変性が生じる。

筋ジストロフィーの病態についての問いになりますが、解答の際に「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」や「パーキンソン病(パーキンソン症候群)」と混同してしまうことが多々あるようです…筆者も混乱した記憶がありますので、当時同じ問題が出題されていたら失点していたかもしれません。

運動機能が低下することは同じなのですが

病態的には全く違うものですので

いい機会ですから一緒に覚えてしまいましょう!

  • 筋ジストロフィー⇒筋肉を作るためのたんぱく質を生成する遺伝子の異常によって筋線維が壊れやすく再生されにくくなり、運動機能や身体の内部の機能も弱ってしまう。
  • ALS運動ニューロンという筋肉への運動命令を出す神経が正常に機能しなくなり、運動機能が著しく低下。筋肉が痩せることによって歩きにくいなどの運動機能のみ障害があらわれる。
  • パーキンソン病脳内の筋肉への運動を命じるドーパミンという物質が減少することにより、歩行困難や震えなどの身体的な症状と精神症状があらわれる。⇒鬱や幻覚などが見られることもあり、重度になると認知症を合併する場合もある。

これを踏まえて選択肢を見ていくと、正解は一目瞭然!5番です。

ちなみにALSは2番パーキンソン病は4番が病態の1つとして記されています。3番が正解として悩ましいところですが、自己免疫ではなく遺伝子の異常が原因なので「×」ということになるのです。

第34回介護福祉士試験

問題 92 
Gさんはパーキンソン病(Parkinson disease)と診断され、薬物療法が開始されている。立位で重心が傾き、歩行中に停止することや向きを変えることが困難である。 
Gさんのこの症状を表現するものとして最も適切なものを1つ選びなさい。 

1.安静時振戦 
2.筋固縮 
3.無動 
4.寡動 
5.姿勢保持障害

前編の最後は「事例形式」の過去問を取り上げました。

今後、事例問題が増えていくことを考えた時に慣れておく必要があるからです。

注目すべき部分は「立位で重心が傾き、歩行中に停止することや向きを変えることが困難」であることは明白ですよね。難しい言葉の選択肢が並んでいますが、落ち着いて読み解いていけば大丈夫です。

立っている時や歩いている時、立ち止まったり方向転換する時には「動作や状態を保とうとする」ような体の仕組みになっているはずなのに、立位で重心が傾き、立ち止まったり向きを変えることが困難なのは何故か?

そういった「保とうとする体の仕組み」に障害を負ってしまっていると考えるのが自然ではないですか?ということで、正解は5番「姿勢保持障害」ということになります。

こういった事例形式の問題は、単に覚えたことを吐き出すのではなく、状態像をイメージして答えを導き出すので、実践的で良いのではないでしょうか。

前編として、主要7分野の過去問から「気になる問題」を解説しました。


まとめ

今回は【実録】介護の本質chから

第36回【介護福祉士試験2024対策】

過去問から「気になる問題」を徹底解説!

めざせ!一発合格

その前編として

主要7分野について「気になる問題」の解説と勉強法についてお伝えしました。

次回【後編】では、残りの6分野について徹底解説していきますので

ぜひとも活用して行ってくださいね!

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