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【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
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今回、あなたの心に届けたい楽曲は
Awesome City Club の「勿忘」です。
歌詞の意味を考察し
この歌が伝えたい想いの本質を、あなたに届けます。
独特の音の刻みがすべての想いを包み込む歌
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2020年に発表されたこの曲は
坂元裕二さん脚本、土井裕泰さん監督
菅田将暉さん、有村架純さん主演の映画「花束みたいな恋をした」の主題歌として
発表されました。
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この歌の最大の特徴は「独特な音の刻み」
奏でられる音とテンポが抜き差し入り混じって追いかけっこをしているイメージがあり、これが映画の中で繰り広げられる2人の主人公の「親近感」や「すれ違い」などを絶妙に表現していると筆者は考えます。
喜び・悲しみ、怒り・恐れ、祈り・夢など
この世の情念のすべてが集まる街に流れる歌を形にすると、こういった楽曲になるのでしょう。
ある意味「崇高」なイメージを受けるメロディーラインですね。
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デュエット部分のハーモニーも高音域から降り注ぐPORINさんの歌声を
しっかりとatagiさんが受け取めるといった感じがして
全体を通して優しさをにじませ、すべての想いを包み込む歌になっているのではないでしょうか。
歌詞の意味を考察!花束が伝える真実の愛
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さて、この歌の歌詞考察に入ります。
例えば今君が その瞳濡らしていたとしても
呼ぶ声はもう聞こえない
絵の具を溶かすように
君との日々は記憶の中 滲んでく
何かを求めれば何かがこぼれ落ちてく
そんなこの世界で
引用元-J-Lyrics
男性目線からの想いが込められた歌詞。
恋人と過ごした日々を振り返っているのでしょう。
出会いがあれば、別れもある…
そう自分の心に言い聞かせているかのように感じますよね。
記憶の中で「滲んでいく」想いとは
想いを残したまま去っていった恋人への「涙」なのかもしれません。
春の風を待つあの花のように
君という光があるのなら
巡り巡る運命を超えて
咲かせるさ 愛の花を 花束を
引用元-J-Lyrics
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出会った季節が、野に咲く花によってまた巡ってきたことを知らせてくれます。
柔らかな日差し、薫る風、晴れ渡る空を一緒に感じて過ごしていた人。
今度また出会えたとしたら、今度は恋では終わらせたくない。
抱えきれないほどの花束のような「愛」を育んでいきたい…
そんな想いが込められていると、筆者は考えます。
ここで登場する 春の風を待つ花
一体何の花なのか? 気になるところではありますが、それは後でお伝えするとして
この部分が「勿忘」とリンクしているとした場合、この歌が伝えたい本質が見えてきます。
それは何なのか?
2番の歌詞に「ヒント」が隠されています。
続きを見ていきましょう。
願いが叶うのなら 二人の世界また生きてみたい
あのキスから芽吹く日々
水色花びらはもう香りを忘れ
君への想い 枯れていく
散ってしまいそうな心に覚えたての愛の美しさを
ねえ 咲かせて
春の風を待つあの花のように
飾らない心でいられたら
触れられなくても
想い煩っても
忘れないよ
引用元-J-Lyrics
今度は女性目線からの想いが込められた歌詞。
水色花びらが「勿忘(草)」をイメージさせる部分になります。
散ってしまいそうな心に覚えたての愛の美しさを咲かせてほしい
そう願う気持ちの中に、終わったはずの恋をもう一度…
そして今度は「愛」へと進んでいきたい。
そんな感情を抱いているイメージが浮かびますよね。
そして大サビへと向かいます。
この恋をひとつずつ束ねいて
君という光があるのなら
巡り巡る運命を超えて
咲かせるさ 愛の花を 花束を
引用元-J-Lyrics
恋していた日々を花に見立て、1つ1つの想い出を「花束」として束ねる。
心までは離れてはいない2人の関係性。
お互いが「光」のような存在であるならば
どんなに季節が巡り、運命に翻弄されようとも
きっと今度は大きな花を咲かせ、かけがえのない愛へと変えることができる。
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想い出のいっぱい詰まった花束が
お互いの想いが「真実の愛」だと伝えてくれた…
そんな印象になります。
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映画の中では、2人は別れを決めてそれぞれの道を歩んでいきますが
歌詞考察を進めて行く中で、きっとまた2人は出会い
今度は恋ではなく、愛し合うだろうと筆者は結論づけました。
歌詞考察は、ここまで。
次の章からは、先程お伝えした「春の風を待つ花とは何か」や
楽曲タイトルの謎と真意についてお伝えします。
春の風を待つ花は、映画の中で登場するマーガレットではなく「勿忘草」
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歌詞考察を進めて行く中で
歌詞の中で数回登場する「春の風を待つ花」が気になった筆者。
映画をご覧になった人であればよく分かると思いますが
実際に映画に登場する花の中で特に印象に残る花は「マーガレット」。
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映画のワンシーンに登場し
印象に残る花がマーガレットであれば
楽曲のタイトルは「マーガレット」でもいいはず。
にもかかわらず、主題歌で表される花は「ワスレナグサ」であり、タイトルも「勿忘」。
どうしてマーガレットではなく、ワスレナグサ(勿忘)なのか?
その真意を、筆者の独自の視点からお伝えします。
マーガレットではなく「勿忘」(ワスレナグサ)とした真意
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楽曲のタイトル「勿忘」は、冒頭にもお伝えしたように「わすれな」と読み
春から夏にかけて野に咲く花「ワスレナグサ」と同じ漢字。
ちなみに「ワスレナグサ」とは、このような花です。
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花言葉は2つあって
「私を忘れないで」と「真実の愛」です。
ワスレナグサの名前の由来と花言葉の意味するところには
「ドナウ川の悲恋伝説」というものがあります。簡単に触れておきますね。
恋人同士でドナウ川のほとりを散策している際に川岸に咲く綺麗な花を彼が見つけ、花を摘もうとしたが誤って川の流れに飲まれてしまいます。 彼は最後の力を振り絞り、川岸にいる彼女に 「私を忘れないで」との言葉を遺して亡くなりました。 彼女は彼からの想いを大切にし、以降、生涯この花を身に着けたことから 「ワスレナグサ」と名付けられたとされています。
1つ目の花言葉「私を忘れないで」が
そのまま花の名前になっていたとは
筆者は知りませんでした。
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一輪の花に込められた
愛する人の大切な想いを胸に生きる…
人の優しさ、命の儚さ、そして想いの強さを感じさせますよね。
このことが
2つ目の花言葉「真実の愛」へとつながっていきます。
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真実の愛という花言葉は、マーガレットにもあるのですが
それでもこの楽曲のタイトルは「勿忘」が最適だと筆者は考えます。
どうしてか?
1つ1つの想い出が詰まった花を花束にした場合
忘れられない想いをつなぐのは「勿忘草」だけだからではないでしょうか。
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これまでに歩んで来た人生において、多くの人との出会いや別れを経験し、その中で一緒に優しさや厳しさ、喜びや悲しみを分かち合い、まごころや愛に育まれて過ごしてきた日々。
これからの暮らしの中で、どんなにつらいことや悲しいことに苛まれたとしても「いつの日もあなたのことを観護っている」ことの証となるものが「花束」だとしたらそれは紛れもない「真実の愛」だと筆者は考えます。
想いを残したままの関係性。
そこにある複雑な感情のすべてを包み込み、1つ1つの想い出を花束にして昇華させ
恋をしたことに感謝して、今度は2人の想いを愛に変えたい…
このことから、彼らは「マーガレット」とはせず
「勿忘」としたのではないでしょうか。
筆者はそう考えます。
まとめ
今回は
Awesome City Club の 勿忘
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお届けしました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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