【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
Mrs.GREEN APPLE の Soranji です。
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えします。
ゴスペルのような荘厳なメロディーラインに感じる愛と祈りの深さ
1989年に文藝春秋より発刊された
辺見じゅんさん原作のノンフィクション「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を映画化。
令和4年12月9日より全国一斉公開された
瀬々敬之さん監督、二宮和也さん主演の日本の戦争ドラマ映画
「ラーゲリより愛をこめて」の主題歌としてこの曲は発表されました。
映画の概要・あらすじなどはコチラ。
第2次世界大戦終結後。 シベリアにある強制収容所(ラーゲリ)で過酷な生活を強いられる 日本人捕虜たちは絶望の毎日を送っていた。 そのうちの1人である山本幡男(二宮和也)は いつか帰国できると信じて周囲の人々を支えていく。 零下40度を超える厳冬のシベリアで 死と隣り合わせの日々を過ごしながらも家族を想い、仲間を想い、 希望を胸に懸命に生きた男の壮絶な半生を描いたノンフィクション作品である。
タイトルの「Soranji」は「諳んじる」という言葉からきていて
「暗唱できるくらいの確かな記憶」といった意味合いがあります。
楽曲について、Mrs.GREEN APPLEの大森元貴さんは、次のように語られています。
映画の中で描かれている大きな喪失感とともに 「誰かを信じたい」、「思いをつないで生きたい」という気持ち… 絶望の淵にありながら それでも希望を見出そうとあがいている主人公の姿が 僕とリンクする部分があって。 主人公が抱き続けた とてつもなく大きな愛をカタチにして届けたい。 そう強く感じました。 自分自身の最後の作品になっても構わないくらいに 僕の想いのすべてをこの楽曲に込めました。
思いの深さがひしひしと伝わる重めのメロディーラインは、時代背景とも重なって悲しく響いていきますが、その中に確かに存在するほのかな温かさに希望の光を感じさせます。
特にサビの部分のメロディーはゴスペルのような荘厳さに溢れ、熱い想いが込められた歌声がストレートに私たちの心の琴線を振るわせ、愛と祈りの深さとともに「人間にとって何が一番大切なのか」を教えてくれる… そんな楽曲だと筆者は感じました。
歌詞の意味を考察!希望を捨てない愛と勇気
さて、歌詞考察に入ります。
1つ1つの言葉に優しさと強さを感じさせる歌詞…
一緒に見ていきましょう。
貴方に会いたくて
生まれてきたんだよ
今、伝えたいんだよ
私はただ
私はまだ…
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
冒頭の部分の歌詞。
始まりの部分には、新しい命と消えそうな命…
相反するイメージを抱く歌詞ですが、視野を広げてみると「永遠の命」といったイメージへと変わるのではないでしょうか。
私はただ
私はまだ…
この後に続く言葉が何なのか?
私はただ 信じている(信じ続ける)
私はまだ… 希望を捨ててはいない
この言葉ではないかと筆者は考えます。
命をつなぐ、想いをつなぐ。
深いテーマがここにあるのではないでしょうか。
はじまりの朝が来る
宝物を探すけど
いつの間にか すぐそばにある事を
忘れて今日も浮かんでます
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
思い出は歩いてきた証だと
この傷が教えてくれる
当たり前に進んでゆく皆んなに
ついて行こうと頑張っています
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
1番の歌詞を考察していきます。
収容所での過酷な生活の中で「幸せ」という名の宝物を探す日々。
それは満ち足りたものでは決してないけれど、ちっぽけではあっても幸せを感じることができるもの。
不条理に引き裂かれ傷ついた心を癒すのは、愛する人たちと過ごした遠い日の思い出と必ず生きて戻ると信じて進む仲間たちの想い。あまりの過酷さゆえに自分を見失いそうになりながらも、懸命に今日を明日を生き抜こうとする姿が見て取れます。
汚れながら泳ぐ生の中で
まあ よくぞここまで大事にして
抱えて来れましたね
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
サビ前の部分の歌詞は、希望を捨てずに生き抜く自分を奮い立たせる様子が窺える一方で、遠い空の向こうで生きる愛する人たちからのメッセージにも感じられると筆者は考えます。
そして楽曲はサビへ。
まだ消えちゃいないよ ちっちゃな希望を
何とか信じて、信じて欲しい。
裏切りが続こうが 「大切」が壊れようと
何とか生きて、生きて欲しい。
有り得ない程に キリがない本当に
無駄がない程に 我らは尊い。
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
『現状はかなり厳しいけれど、生きて戻れる可能性はゼロではない。そのことを信じて、信じ抜いて生きるのだ…』
『混とんとした時代に翻弄されようとも、希望を捨て去るなんて有り得ない。私たちも生きる。どんなことがあっても生き抜くから…』
この2つの想いが重なり合い、強い絆で結ばれていることこそが、我らは尊いとの言葉の本質であり、その本質が「希望を捨てない愛と勇気」であると筆者は考えます。
引き続き、2番以降の歌詞を一緒に見ていきましょう。
寂しさの甲斐は無い
雪もいつかは溶けるけど、
鳥の群れは明日へと飛び立つが
私は今日も小さくなってます
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
どれだけ寂しさを募らせても、時代が変化しても現実は何も変わらぬまま。
鳥たちは翼を広げて大空へと飛び立ち、希望の明日へと向かっていくけれど…
「必ず帰る」という約束は、いつ果たすことができるだろう…
明るく気丈に振舞いながらも心の中では常に不安を抱えている様子が見て取れます。
ゆらり揺れながら
産声が聞こえる
繰り返してる春
大事にして語り継いでくれましたか?
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
産声とは「新しい命の誕生」を意味するのか
それとも自分が産まれた時のことを思い出しているのか
あるいは今を生きるすべての命の叫びなのか。
生きることへの強い信念を筆者は感じます。
季節は巡り、その中で育まれる命。
惜しみなく注がれる優しさとぬくもり、そして愛。
同じ空を見上げているであろう貴方にも、その想いが届いていますか?
こんな感情が読み取れます。
まだ伝えてないよ
今日の分の「大好き」を
未来でも変わらず届けられますように
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
もちろん一番大切な貴方への想いはずっと変わらない。
毎日伝える「大好き」は、今の私にできる唯一の「生きている証」
遠い空の下で願う、未来へつながる笑顔の日々が
どうか貴方の元へと届きますように…
この世が終わるその日に
明日の予定を立てよう
そうやって生きて、生きてみよう。
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
先の見えない不安。明日やもしれない命の期限。
それでも「私にはまだやるべきことがある」と心に誓い
希望という名の予定を立て続け、生きていく…
こんな感じになるでしょう。
そして楽曲は、怒涛のクライマックスへと向かいます。
ここからは一気に考察部分をご覧ください。
有り得ない程に キリがない本当に
無駄がない程に 我らは尊い。
踏み締める大地に 重なるはアイロニー
有り得ない程に キリがない本当に。
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
まだ消しちゃいけないよ ちっちゃな希望を
迷わず信じて、信じて欲しい。
暗闇が続こうと 貴方を探していたい
だから生きて、生きてて欲しい。
有り得ない程に キリがない本当に
めくるめく世界に 膝を抱えていたり
誰しも何処かに 弱さがある様に
無駄がない程に 我らは尊い。
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
極寒の地で積み重なる不安と絶望、込み上げる怒りと悲しみ。
長い歳月の中で繰り返される嘲笑や皮肉に耐えながら過ごす日々。
やりきれない思いの中、それでも希望は捨てない。
引用元-YouTube
愛する貴方がいるから… 必ず帰ると誓ったから…
貴方が私に、信じる力と愛と勇気をくれたから…
だから貴方も信じて欲しい、生きていて欲しい。
命尽きる日まで、貴方と一緒に愛を感じていたい。
人はみな、心の何処かに弱さを抱えている。
だからこそ人は幸せを探し、ぬくもりを求め、希望にすがる。
愛と勇気を以て、希望を捨てずに自分を、社会を、未来を信じ抜く…
その想いを抱き続ける私たちの信念は、何にも替え難く尊いものなのだ。
この部分からも、筆者がこの歌が伝えたい想いの本質とした
「希望を捨てない愛と勇気」の真意が読み取れることでしょう。
一歩ずつでいいからさ
何気ない今日をただ愛して欲しい。
ズタズタになった芯もほら
明日へと花を咲かすから繋いで欲しい。
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/mrs-green-apple/soranji/
歌詞の最後のフレーズは、山本幡男さんが愛した人たちのみならず
命と向き合うすべての人へ向けたメッセージであり「遺言」であると筆者は考えます。
まとめ
今回は Mrs.GREEN APPLE の Soranji
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えしました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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