今回のNON SEALDは「暮らしに役立つ情報」chからお送りします。
はじめに
七夕…
毎年夏の始まりを予感させるこの言葉の響きが、私たちの気持ちを高揚させてくれますよね。
時季を楽しむことは、子どもたちだけではなく大人においても大切なことですし、季節を感じることができるのはある意味「日本人の特権」ではないでしょうか。
小さいお子さんがおられるお家であれば、家族みんなで一所懸命飾りを作ったり、たくさんの願い事を短冊に書いて、笹竹に結び付けることでしょう。
そんな中、ふと聞こえてくる可愛い声。
「ママ。パパ。七夕って何?」
お子さんであれば、お父さんやお母さんに訊いてくることでしょう。
その時、あなたなら何と答えますか?
もしかしたら、大人になってからも七夕の本当の意味を知らない人が多いのではないでしょうか。
七夕と聞いて一般的に思われているのが、この3つ。
- 織姫と彦星が天の川を挟んで1年に1回だけ逢うことができる日
- 7月7日
- 笹に短冊を結び付けて軒下に飾る日
筆者もこれらを信じて疑わないですし、両親からもそう教わってきましたので、子どもたちにもそのまま伝えていたんですが、詳しい内容については…
「知らないことを知ることは、人生を豊かにする」いい機会だと考え、ネットや本などで調べてみたんですが、結構たくさんの情報を知ることができたので、まとめてみることにしたんです。
よかったら、一緒に学びませんか?
七夕について、ちょっと違った視点から見ることができますし、ある意味「池上某」よりもフランクで分かりやすく解説していますので、楽しく学べるのは間違いありません。
題して
【七夕】は7月7日ではない⁈伝説はもう1つある⁉楽しく学ぶ七夕まとめ
後半の方で「豆知識」として、ぜひともお伝えしたい耳寄り情報もありますので、どうぞ最後までご覧ください。
それでは、始めていきましょう!
意外と知られていない「もう1つの七夕伝説」とは
織姫と彦星が天の川を挟んで1年に1回だけ逢うことができる日
これが、一般的にいう「七夕伝説」になります。
既に知っている人もおられるかもしれませんが、知らない人のためにその「あらすじ」をお伝えしておきます。
天帝(天の神様)には美しい織物を織ることができる織姫という娘がいました。 毎日毎日、化粧もせずに一所懸命機織りをしている娘を不憫に思った天帝は、年頃の娘なのだから、少しは華やいでもらいたいと考え、牛の世話をしている彦星を引き合わせました。 根が真面目で一所懸命な所に互いの心は惹かれ合い、すぐに恋に落ち、やがて結ばれることに。 これで安心。と天帝が思ったのは束の間… 結婚すると、2人は仕事をしなくなり、ずっと2人で仲睦まじくするばかりの暮らしに。 当然のこと、今まで織られていた衣類は廃れていき、飼われていた牛は瘦せ細ってしまいます… これに怒った天帝は、2人を天の川を挟んだ東側と西側に引き離し、2人に奮起を促そうとしたのですが、これがかえって逆効果。 2人は悲しみのあまり、ますます仕事をしなくなってしまいました。 そこで天帝は2人に対し、真面目に働くことを条件に、年に1回だけ逢うことを許したのです。 それから2人は、7月7日の夜にカササギの翼に乗って天の川を渡り、逢いに行くようになりました。
目を閉じてイメージしてみると、本当にロマンティックですよね。
誰もがウットリとして、キラキラ輝く星空へと想いを馳せることでしょう。
しかしながら、七夕伝説はもう1つあるんです。
室町時代の書物の中には「天女と男の話」として伝えられているものがあるんですが、こちらのあらすじもご紹介しますね。
天女が水浴びをしている隙に、若者が羽衣を隠してしまい、天に帰れなくなった天女は男の妻に。
子どもが生まれ、その子が歌う歌から羽衣の隠し場所を知った天女は羽衣を取り返し、子どもを連れて天へ。
帰る時に瓜の種を残していったことで、男は瓜を育て、そのつるを昇って天に辿り着きます。
天帝からの難題を天女の助けで解決しますが、やってはいけない瓜を縦に割ってしまったことで、瓜から流れ出た水が大洪水を引き起こし、男は流されていきます(これが「天の川」とされています)
流されていく男に天女が「7日7日(7日ごと)に逢いましょう」と伝えたのを「7月7日に逢いましょう」と勘違いした男のせいで、1年に1回しか逢えなくなってしまいました…。
天女が伝えた言葉を男が勘違いしたために、1年に1度しか逢えなくなった日
こちらの方はちょっと悲しいですよね…
「してはいけないことをした報い」ではあっても、逢えなくなってしまったのは何ともツラい…
天女が出て来るのは「羽衣=神様の衣」として織られたもので、それを織る女性を「棚機津女(たなばたつめ)」とした日本古来の伝説から伝播されたもののようです。
様々な語り伝えがあって今の「七夕」になっているんですが、どちらの話も「7月7日」になっていることで、やはり「七夕=7月7日」ということは揺るぎないものだと考えられます
が!
この考えを根底から揺るがす、何とも衝撃的なことが分かったんです!!
それは何なのか?
次の章をご覧ください。
厳密には「7月7日」とは決まっていない⁈その由来と理由について
タイトルを見て驚かれた人もいるでしょう。
結論からいえば「その通り」なんです…
その説明は後にして、まずは七夕が7月7日とされている由来について見ていきましょう。
七夕が「7月7日」とされている由来は2つあります。
- 七夕伝説
- 中国の行事「乞巧奠(きっこうでん)」
1つずつ見ていきましょう。
七夕伝説
先程の章でお伝えしたので、ここでは詳しい説明は割愛しますが、現世においても根強く残っているのは「逢えないことの悲哀」や、天の川を渡って逢うといった「神秘的なイメージ」があるからではないでしょうか。
夏の大三角において輝く2つの1等星(「ベガ」:織姫と「アルタイル」:彦星)が、この日はひときわ眩しく輝いているように感じますよね。
中国の行事「乞巧奠(きつこうでん)」
毎年7月7日に「詩歌や手芸、裁縫の上達を祈る」お祭りのことで、奈良時代に日本に伝わり、主に宮中での行事として執り行われていたものが、江戸時代に入ってから一般的に拡がり、短冊に願い事を書いて笹に飾るといった風習が定着していきました。
ここまでご覧になっていて、共通するのが「7月7日」なので「7月7日=七夕」と誰もが思いますよね。
日本においては雑令(ぞうりょう)においての5節句の1つとして定められていることもあるので「やっぱりそうなんだ」と思ってしまいますが、厳密には「七夕」とされる日は他にも「7月6日」、「8月7日」、「8月14日」、「8月20日」があるんです。
どうしてそんなにバラバラなの?
そう思うでしょう。私も初めて聞いた時は混乱したんです…
その理由についてまとめると、こういうことなんです。
「七夕の日」とするそれぞれの日の理由
7月6日の理由…
日本の神事は殆どの場合「夜明けの晩」という時間帯(深夜1時ごろ)に行われることにより、7月6日の夜に七夕飾りを済ませるといった意味合いから(「一夜飾り」とも呼ばれ、7月7日未明には「七夕流し」といって飾りを川や海に流して身を清めたとされています)
8月20日の理由…
現在親しまれている七夕は「旧暦」の日にちであり、新暦に合わせた場合の日にちに行うとすればこの日になるから。
8月7日の理由…
先程お伝えした「新暦」で行うとすると、立秋を過ぎてしまい季節は秋になってしまうので、季節を夏に合わせる形で考えた場合、この日になるから。
8月14日の理由…
太陽の位置関係から2021年の場合、新暦で行うとしたらこの日になるから。
本来であれば「お盆近くの時期に行われているもの」が本当のようですが、お盆と七夕とが重なり合うなんて、何とも違和感がありますよね…
筆者の故郷では、初盆に当たる家では飾り付けた若竹をお盆の時に燃やして供養をするといった風習があるので、そのことを思えば頷ける部分もあるように感じています。
最後の章になります。
どうぞ、一緒に学んでいきましょう。
笹に短冊を結び付けて軒下に飾る日。昔は「屋根の上に」だった
今でこそ「当たり前」のように飾っている「軒下」。
雨に濡れないように、風に飛ばされることが少ないようにといった考え方が主流であり、実際には家の中に飾るというのは考えにくいものですので、軒先やベランダなどに飾っていますよね。
しかしながら昔は、外は外でも屋根の上。
屋上に飾っていたんだそうです。
これに関しては、明治時代の百科事典「古事類苑」の中に、このように記されています。
七月七日ハ、古來其夜ヲ賞シ、是ヲ七夕ト云フ、七夕ハ古ハ、ナヌカノヨト呼ビシガ、後ニタナバタト云フ、棚機(タナバタ)ツ女ノ省言ニテ、織女ヲ云フナリ、支那ノ俗説ニ云フ、此夜牽牛織女ノ二星相遇フ、巧ヲ之ニ乞ヘバ、其願ヲ得ト、故ニ我朝廷ニ於テモ、乞巧奠ノ設アリテ、織女祭トモ稱ス、後世民間ニテハ、葉竹ヲ屋上ニ樹テ、色紙短册等ヲ附スルヲ例トス、亦乞巧奠ノ遺意ナリ、
— 『古事類苑』歳時部七月七日より抜粋
引用元‐Wikipedia
あくまでも私見ですが、できるだけ天に近い場所に七夕飾りをすることで、神様に願いが届きやすくしていたのではないでしょうか。
豆知識:七夕飾りは、終わったらどうすればいいのか?
ここからは「豆知識」としてご紹介しておきます。
「七夕飾りは、終わったらどうすればいいのか?」
誰もが抱く疑問ですよね。
子どもたちと一緒にワイワイ言いながら一所懸命に作った七夕飾り。
捨てるのはもったいないということで、来年まで取っておこうと考える人も多いでしょう。
結論からいえば、七夕が終わった後の笹竹や飾りについては「来年以降に持ち越す」ことはしない方がいいです。
どうして?
願いを叶えてもらうために作った飾りなので、持ち越してしまったら「願いも持ち越し」になってしまうでしょう?
せっかく子どもたちと一緒に頑張って作ったのに…綺麗なままだから、来年も使えるし。
そう思いがちですが、悪いことは言いませんので止めておきましょう。
では、どうすればいいのか?
「川に流す」→違う意味で川がきれいになりますが、現実的にはナンセンスです。
「細かくしてゴミに出す」→現実的ですが、ある意味「夢のない処理方法」です。
「野焼きと一緒に燃やす」→ヘタにやると延焼したりして、多大な迷惑になります。
筆者が実際にやった方法としては「神社に奉納し、昇華してもらう」がベターです。
筆者の子どもたちが小学生の頃、七夕飾りの他に、子どもたちの通う小学校のお友だちにお願いして「ゆめ気球の絵」というものを作りました。
子どもたちの夢がいっぱい書かれた気球の絵。
七夕の日に飾ると、みんな大喜びだったんですが、問題は「その後」。
これをそのままにしておくわけにはいかないと考え、近くの神社に出向いて事情を説明し、昇華をお願いしたら「私どもの方では、そういったことは行っていない」との返答が…
いくつかの神社を回ったんですが、どこも答えは同じ。
諦めきれないので、ネットなどで情報を集めてみると、こちらの神社がヒットしたんです。
福岡県にある「七夕神社」(媛社神社)。
ポータルサイト「おごおり探検隊」のホームページからメールで連絡を入れ、事情を説明した後、連絡を待っていたら返信が。
「素晴らしい企画ですね。ぜひとも力になりたいと考えています」
その返答に家族で大喜び!
送付先である神社の名前を確認し、ゆめ気球の絵を送付すると、後日実際に昇華してくださいました。
その時の様子をご覧ください。
現在「おごおり探検隊」のサイトは閉鎖されていますが、小郡市観光協会を通じて「七夕神社」への問い合わせはできるようです。
詳細なリンクを貼り付けておきますので、ぜひとも昇華させていただいてほしいです。
まとめ
今回は「七夕」に関する様々な情報をお伝えしながら、一緒に学んできました。
どんな時代になっても「時季を楽しむ」ことは何より大切なことであり、心を癒し、未来への活力を生み出してくれるものだということは間違いありません。
旧暦・新暦によって訪れる日が違っている「七夕」ですが、その想いは同じ。
どうぞ、あなたが胸に抱く夢や願いが叶いますように…
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