【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
B‘z の LOVE PHANTOM です。
楽曲の概要とリリース情報
日本が世界に誇るロックユニットB’zが
1995年10月にリリースした18枚目のシングル曲。
ドラマチックな展開と壮大なメロディーが特徴的で
多くのファンに愛される名曲の一つだと筆者は考えます。
オーケストラのような壮大なイントロから始まり
激しいロックサウンドへと移行する構成が印象的で
ライブでも人気のある楽曲ですよね。
「LOVE PHANTOM」のタイトルの意味
タイトルの「LOVE PHANTOM」は直訳すると「愛の幻影」という意味になります。
この「幻影」という言葉が示すように、楽曲では愛が形を持たず、幻想や執着として描かれていて、歌詞の中で描かれる愛は、単なる恋愛感情ではなく、依存や自己喪失にも繋がる深いテーマを持っていると筆者は考えます。
以上のことを踏まえ、今回は B‘zの「LOVE PHANTOM」について
歌詞の意味を徹底考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えします。
どうぞ最後までご覧ください。
歌詞の意味を考察!幻影にすがり続ける愛の亡霊
それでは、歌詞考察に入ります。
本当の愛を見誤った主人公の壮絶な末路を感じさせる…
そんな印象的な歌詞を、考察を含めながら見て行きましょう!
イントロ部分の歌詞の解釈
You must know who I am
I must tell you I’ve been loving
I’m nothing, lifeless, soulless…
Cause I’m “LOVE PHANTOM”
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
イントロ部分:1分20秒を経てから聴こえてくる低い声…
何と言っているのか? 和訳(意訳)するとこんな意味になります。
君は僕が何者かを知らなければいけない
ずっと愛していると伝えないと"生きられない”
なぜなら、僕は(君という幻影にすがり続ける)
実体がない、命がない、魂もない"愛の亡霊”…
これを踏まえ、以降の歌詞を見て行きましょう。
いらない何も 捨ててしまおう
君を探し彷徨うmy soul
Stop the time, shout it out
がまんできない 僕を全部あげよう
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
「いらない何も 捨ててしまおう」の解釈
この歌詞は、主人公がすべてを投げ捨ててしまうほどの愛に溺れている様子を表しています。それは恋愛において、自分自身を見失うほど相手に依存してしまうことを象徴しているとも考えられますね。
主人公の心情と状況
歌詞全体を通じて、主人公は愛する君に完全に支配されているような感情を抱いています。その愛は純粋なものではなく、執着に近いものであり、最終的には自己崩壊を迎える暗示がされています。
サビ部分の分析
ふたりでひとつになれちゃうことを
気持ちいいと思ううちに
少しのズレも許せない
せこい人間になってたよ
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
濡れる体 溶けてしまうほど
昼も夜も離れずに過ごした時はホントなの
君は今何思う
腹の底から君の名前を叫んで
とびだしたIt’s my soul
カラのカラダがとぼとぼと
はしゃぐ街を歩く
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
1番と2番のサビを並べてみました。
1番では、愛している君の存在を”自分のもの”と思い
怒涛のように執着していく様子が見て取れます。
一方2番では、愛することの意味を取り違えていると気づかず
想いを貫き、執着するがあまり身も心もボロボロになってもなお
”君が僕のものとしてあるべき姿”=幻影を追い続ける様子が窺えるではないでしょうか。
間奏部分の考察
君がいないと生きられない
熱い抱擁なしじゃ意味がない
ねえ2人でひとつでしょyin and yan
君が僕を支えてくれる
君が僕を自由にしてくれる
月の光がそうするように君の背中にすべり落ちよう
(そして私はつぶされる)
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
「君がいないと生きられない」の意味
主人公が君に対する強い依存心を抱いていることが明確に表現され、恋愛が依存関係に陥ることの危うさを伝えている部分になるでしょう。
「2人でひとつ」「yin and yan」の解釈と陰陽の概念
これらのフレーズは「陰と陽」のような二元論的な関係を表しているように筆者は感じました。特に恋愛においては相手がいなければ自分の存在意義も失われてしまうという思考が、この楽曲の根底にあると考えられることが、そう感じた理由です。
女性の声「(そして私はつぶされる)」の意味
間奏の最後に挿入される女性の声「そして私はつぶされる」は、愛が自己喪失へと向かう様子を象徴していると筆者は考えます。
これは、相手を愛しすぎるがゆえに自分自身が消えていく感覚や、一方的な優位性の中で本当の愛の意味を見失っていく危うさを表しているのではないでしょうか。
主人公と「君」の関係性
主人公は「君」に夢中になりすぎるあまり、愛の本質を見失ってしまいます。
- 相手が実際に存在するのか、それとも幻想なのか。
- 実際に存在していても、2人の愛に「心」があるのかないのか
そういった境界線が曖昧になっている点も特徴的な歌詞だと筆者は考えます。
ブリッジ部分の歌詞の解釈
欲しい気持ちが成長し過ぎて
愛することを忘れて
万能の君の幻を
僕の中に作ってた
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
「欲しい気持ちが成長しすぎて 愛することを忘れて」の意味
このフレーズは、愛が純粋なものから、自己中心的な欲望へと変質してしまったことを示しています。本来の愛とは異なる「執着」が、最終的には破滅へと導くことを暗示しています。
「万能の君の幻」とは何か
ここでの「幻」とは、主人公が作り上げた理想の相手像を指していると考えられます。実在しない完璧な愛を求めすぎるあまり、現実とのギャップに苦しむ姿と、本当の愛の意味を知り、取り返しのつかない絶望を抱く様子が窺えるのではないでしょうか。
愛と執着の違い
ここまで考察を進めてきて、筆者は「LOVE PHANTOM」を通じて愛と執着の境界線を描く楽曲であり、聴き込むほどに愛することの本質について考えさせられました。
愛とは互いの心を繋ぎ、想いを共有し、存在を認め、尊重しながら育んでいくものであり、そこには「支え合い」「労り合い」の気持ちに溢れ、一緒に成長していこうとする強い絆が見えてくるでしょう。
一方、執着は歌詞にもある「欲しい気持ちが成長し過ぎる」で表されるように、慈しむという感情に近いもので、この段階で上下関係が生まれてしまう。それは心の弱い人においてやがて依存となり、心が蝕ばまれ、思考が停止。すべてを支配されても気づくことなく、ずっと愛の幻影にすがり、光が届かない深い闇の中へと誘われていく…
この危うい境界線上にある自分の「心」が
愛に向くのか? それとも執着に向くのか?
そんな深い問いかけが、ここにあるのではないでしょうか。
自己喪失と依存からの解放
いらない何も 捨ててしまおう
君を探し彷徨う my soul
Stop the time, shout it out
がまんできない 僕を全部あげよう
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
前半部分の歌詞が繰り返され、最後にまた登場しました。
最終的に、主人公は自己を見失い、破滅へと向かうというイメージになります。
此処だけを単一的に見ると”愛の深さ”を感じさせますが、全体を通して見れば、恋愛において相手に依存しすぎることのリスクを伝えていると考えられるのではないでしょうか。
アウトロの歌詞の解釈
幻をいつも愛してる
何もわからずに
Can you hear the sound
it’s my soul I will give you
anything, anything you want…
「LOVE PHANTOM」 B’z 歌詞引用
英語の歌詞を和訳(意訳)すると、こうなります。
"すべてを捧げたい"という僕の魂の叫びが、君に聴こえるだろうか…
この歌詞は、イントロ部分の歌詞とリンクしていて
2つが重なることで”LOVE PHANTOMの正体”へとつながり
この歌が伝えたい想いの本質になるのではないでしょうか。
その正体が…
幻影にすがり続ける愛の亡霊だと筆者は考えます。
まとめ
今回は B’z の LOVE PHANTOM について
歌詞の意味を徹底考察し
この歌が伝えたい想いの本質をお伝えしました。
この楽曲は、1995年に発表されたものではありますが、SNSやメディアを通じて理想の恋愛像が作られがちな現世においても「愛とは何か?」という問題提起や「執着→依存→破滅」という末路に陥ってしまうことへの警鐘を鳴らす作品だと筆者は考えます。
それは、愛という漢字を「爱」として捉え、人間にとって大切な心を外して愛を表現しようとする邪な感情が、時として執着や依存を膨らませ、本来の愛の意味を見えなくしてしまうということにもつながっているのではないかという考えに基づくものです。
イントロを含め、約6分30秒に亘る楽曲「LOVE PHANTOM」
サブスクリプションなどではなく、フルサイズをじっくりと聴いて
楽曲が伝える「愛とは何か?」という問いかけに
自分なりの答えを出してみてはいかがでしょうか。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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