【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
サザンオールスターズ の Relay~杜の詩 です。
歌詞の意味を考察し、この歌が現世に伝えたい想いの本質に迫ります。
心から大切に想うものへの愛、未来への憂い、対話から生み出される希望を感じさせる至極のバラードナンバー
引用元-音楽ナタリー
2023年でデビュー45周年を迎えた、日本を代表するロックバンド「サザンオールスターズ」が、2023サザン三部作のアンカーとしてリリースしたこの曲。
発表当初から話題となっているこの曲は、2023年2月に認可され、翌月より工事が始まっている「神宮外苑再開発」に伴う約1,000本もの樹木の伐採に関するサザンからのメッセージソング…
実際、楽曲を制作した桑田佳祐さんは、このように語られています。
森が伐採されたりすることなどへの違和感を 多くの人間が持っているのは事実だと思うし。 だったら“失うもの“はこれだけで “得るもの”はこれだけといったことなどを 穏やかにコミュニケーション出来ればいい。 もちろん、世の中にはこの再開発の件に限らず 似たようなことが日本中、あるいは世界で いっぱい起きていると思うんです。 この曲で何か、我々のみならず 若い世代も考えるきっかけになればと。 そういうことを音楽で継ないで リレーしていくのが私に出来ることだと思い 歌にしました。
ピアノの音色で始まる静かなメロディーは、曲が進むにつれてドラマティックに展開され、聴いている人たちの心の奥深くに染み渡っていく…心から大切に想うものへの愛、未来への憂い、対話から生み出される希望を感じさせる至極のバラードナンバーだと筆者は感じました。
歌詞の意味を考察!思いを繋ぎ合わせて創る「あるべき未来」
さて、歌詞考察に入りますが、まずは楽曲タイトルから考察していきますね。
楽曲タイトル「Relay~杜の詩」
それぞれが抱く思いを継ないでいくことで見えてくる未来が
希望に満ち溢れるものであることを願わない人なんていない…
それは、この地にずっと在って、人々の喜怒哀楽を見守り続けて来た「杜」が何よりも知っている。
誰かの意見や権力・忖度によって強引に突き進むのではなく、かといって対立から心を傷つけ合うことを良しとするのでもなく、それぞれが抱く思いを分かち合い、確かめ合うことで「あるべき未来」へ向けて、歩調を合わせていけばいい…
そんな熱く強い想いが、タイトルにも感じられるのではないでしょうか。
それではお待たせしました。歌詞考察を始めていきます。
誰かが悲嘆いてた
美しい森が消滅えるのを
Ah…
自分が居ない世の中
思い遣るような人間であれと
「Relay~杜の詩」作詞・作曲/桑田佳祐
地球が病んで未来を憂う時代に
身近な場所で何が起こってるんだ?
ここに集って音楽を紡いだスタジオ
歌がある
「Relay~杜の詩」作詞・作曲/桑田佳祐
1番の歌詞で目立つのは「当て字」であり、本来の読み方とは違う表現になっている言葉が多いですが、「桑田さんの強い想いを表現している」と考えると「本来の言葉では表現しきれないから」というのが理由なのでしょう。
神宮外苑再開発を想起させる部分はありますが、その中で
自分が居ない世の中 思い遣るような人間であれ
というフレーズが桑田さんの「本心」。想いのすべてだと筆者は考えます。
どんな世の中になっても、命を繋いで生きていく人たちへのメッセージ。
思いやり。これこそが「人間にとって一番必要なもの」だと伝えたい…
その手段として、私はこの歌を歌うのだ。
そんな想いを、筆者は1番の歌詞に感じ取りました。
2番は、神宮外苑再開発についての懸念や問題に関する提言のような歌詞になっていますが「単なる懸念や提言」ではないことは明白です。想いの本質へと近づく大切な部分になりますので、筆者の独自の視点からの考察と併せて一緒に見ていきましょう。
麗しいオアシスが
アスファルト・ジャングルに変わっちゃうの?
Ah…
分かり易い言葉で
どなたか教えてくれませんか?
「Relay~杜の詩」作詞・作曲/桑田佳祐
未来の都市が空を塞いで良いの?
我が身を映した鏡のような月を
ピアノの音色が今も胸に響く
コミュニケーションしようと
「Relay~杜の詩」作詞・作曲/桑田佳祐
アスファルト・ジャングル。耳馴染みのない言葉が登場しましたね。
「コンクリート・ジャングル」と思いがちですが、意味合い的には少し違っています。
コンクリート・ジャングルが「林立したビルなどの建物を木々として、都会をジャングルに見立てた言葉」であるのに対し、アスファルト・ジャングルとは「生存競争の激しい、味気なく物寂しい大都会をジャングルに喩えていう言葉」になるのですが、現状を客観視した時に最も合致した表現となると「アスファルト・ジャングル」になるのではないでしょうか。
人間が何かを得ようとする際には、何かを失うことを考えなければならない。失うものが単純に断捨離できるものではないものならば「なぜ必要なのか」、「なぜ不要なのか」について納得まではいかないとしても理解するまで考える必要がありますよね。
神宮外苑再開発に置き換えてみると、もちろんそこには「この街が好き」、「この町を良くしたい」という思いがあった上で「好きだからどうしたいのか?」「良くしたい方法が、本当にこれでいいのか?」といった議論や「何をどの程度失い、何をどの程度得られるのか?」といったガイドマップを示しながらお互いの思いを通わせる必要があるのではないでしょうか。
「もう決まったことだから」などの言葉を盾にして後先考えずに突き進むことで、多くの人が遺した思いを無碍に扱うことは許されることではありませんし、思いを尊重し過ぎるがあまり、未来において必要とされる開発を滞らせるのも如何なものか。
後戻りできないのであれば「立ち止まる」ことはできる。
立ち止まって思いを確かめ合い、いろんな角度から「あるべき未来」を模索する。
それが今、求められているもの…「コミュニケーション」であり「対話」。
そんな想いが込められていると筆者は考えます。
いつもいつも思ってた
知らないうちに決まってる
「Relay~杜の詩」作詞・作曲/桑田佳祐
ブリッジ部分の歌詞。
楽曲の中では少しこもった感じで聴かれる部分ですが、これこそが「現世への嘆き」であり「本音」を表していて、言い換えればこれまでに何度も繰り返されてきた「私たちの失敗」なのではないでしょうか。
それはある意味で“有能”な政治屋や輩たちが誘った「今日を生きるだけで精一杯な世の中」にまんまと嵌められた感じがあるものの、それに抗うことなくただただ流されて行った私たちにおいても責任は免れないこと…
「知らないうちに決まっている」と嘆く前に、私たちにできることはあったはず。
考えることが面倒で、分からないことを分かるようにするでなく、挙句の果てには「自分には関係ない」と決め込んでスルーしている場合ではない。そんな余裕なんてどこにもないような状況なのが「リアルな現世」であり、それはどんどん加速しているのではないでしょうか。
「知らない」、「分からない」、「関係ない」で済ませるのではなく
「知ること」、「分かること」、「関係すること」を怖れない。
抱える悩みや不安、疑問、不条理などは言葉を交わすことで思いを継合わせていく。
一方向からではなく双方向、多方向から事の本質を捉え「あるべき未来」へと進んでいく。
こういった思いを、この歌は私たちに伝えたいのではないかと考え、筆者がこの歌が現世に伝えたい想いの本質を「思いを継合わせて創る『あるべき未来』」としているのです。
まとめ
今回は サザンオールスターズ の Relay~杜の詩 について
歌詞の意味を考察し、この歌が現世に伝えたい想いの本質に迫りました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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