
今回【実録】介護の本質chからは
第28回【ケアマネ試験2025】解答速報
~現役ケアマネジャーが「気になる問題」を徹底解説!
と題してお伝えします。
▶はじめに

この記事では、令和7年10月12日に行われた「第28回ケアマネ試験」
(正式名称:介護支援専門員実務研修受講試験)においての解答速報を見ながら、
実際に出題された問題の中で「選択肢に迷った」や「意味が解らなかった」などといった
「気になる問題」について現役ケアマネジャーである筆者が徹底解説していきます。

後半の方では、
今回の試験の難易度や合格ライン、
予想される合格率などについてもお伝えしますので、どうぞ最後までご覧ください。
それでは始めていきますね!
▶第28回ケアマネ試験・解答速報ならびに「気になる問題」の解説

それでは早速「解答速報」からご覧いただきますが、
これに先立っての注意点があります。
まずはコチラを確認しておいてくださいね。
この記事において記載されている解答速報については、
介護福祉各社サイトが掲示しているものをベースとして
筆者が実際に問題を解いて導き出したものと整合しています。
あくまでも「速報」ですので
正式な解答ではないことを予めお伝えしておきます。
解答内容に関する問い合わせなどについては、
お答えできない旨ご了承の上でご覧くださいませ。
各分野においての「解答速報」をご覧いただいた後に
「気になる問題」を解説していく流れになりますので、
しっかりと復習して行ってくださいね。
▶第28回ケアマネ試験「介護支援分野」(全25問):解答速報

それでは、まずは“前半戦”。
「介護支援分野」の解答速報からお伝えします。
現時点での正答は、コチラです!
| 問題1 | 問題2 | 問題3 | 問題4 | 問題5 |
| 3,4 | 1,2,3 | 2,3,4 | 3,4,5 | 2,3,5 |
| 問題6 | 問題7 | 問題8 | 問題9 | 問題10 |
| 1,2,3 | 4,5 | 1,2,4 | 2,3,4 | 2,5 |
| 問題11 | 問題12 | 問題13 | 問題14 | 問題15 |
| 1,2,4 | 2,5 | 1,3,5 | 1,3,4 | 1,2,4 |
| 問題16 | 問題17 | 問題18 | 問題19 | 問題20 |
| 1,2 | 1,2,3 | 1,2,5 | 1,2,3 | 2,3,4 |
| 問題21 | 問題22 | 問題23 | 問題24 | 問題25 |
| 1,2,3 | 1,3,5 | 1,2,3 | 2,3 | 1,3,5 |
▶介護支援分野の「気になる問題」を徹底解説!

では、この分野において皆さんが
「ちょっと難しかった」、
「よく分からなかった」、
筆者も実際に解いてみて「???」だった「気になる問題」をいくつか取り上げ、
解説していきます。
気になる問題としては5つ。
具体的には、問題2、問題3、問題6、
問題13、問題21を取り上げます。
順番に一緒に見て行きましょう!
問題2は、「認知症基本法」に関する問題でした。
2024年1月1日に施行され、
「認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らせる」ための法律です。
基本理念として、以下の7つが掲げられているので、確認してください。
- 認知症の人の権利: 認知症の人が基本的人権を持ち、自分の意思で日常生活や社会生活を送れるようにする。
- 正しい知識と理解: 国民が認知症について正しい知識を持ち、認知症の人を正しく理解することを促進する。
- 障壁の除去: 認知症の人が安全で安心して自立した生活を送れるように、生活の障壁を取り除き、意見を表明し社会活動に参加する機会を確保する。
- 継続的なサービス提供: 認知症の人の意向を尊重し、良質で適切な医療・福祉サービスを途切れなく提供する。
- 家族への支援: 認知症の人だけでなく、その家族も地域で安心して生活できるように支援する。
- 研究と社会参加: 認知症に関する研究を推進し、その成果を広く国民が享受できる環境を整備する。また、認知症の人が尊厳を持って希望を持って暮らせるように社会参加を促進する。
- 総合的な取り組み: 教育、地域づくり、雇用、保健、医療、福祉などの関連分野で総合的な取り組みを行う。
そこで、選択肢を見て行くと、
1番は、基本理念の1番最初に記載されているので「○」。
2番は、基本理念の4番目に記載されているので、こちらも「○」です。
後の選択肢は「行政の責務」が並んでいますが、
ポイントになるのは「法律に書かれているかいないか」。
選択肢の中で。書かれていないのは4番と5番になるので、3番が「○」。
よって、正解は1番・2番・3番になります。
問題3は、「介護保険法第4条」についてでした。
この問題は、2021年にもほぼ同じものが出題されていましたので、
過去問をやった人はラッキーでしたね。
ちなみに、第4条はコチラです。
国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、
加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して
常に健康の保持増進に努めるとともに、
要介護状態となった場合においても、
進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス
及び福祉サービスを利用することにより、
その有する能力の維持向上に努めるものとする。
国民は、共同連帯の理念に基づき、
介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
ポイントは、「(条文に)書かれているかどうか」。
このことを押さえて選択肢を見て行くと一目瞭然ですよね。
正解は、2番・3番・4番になります。
どんどん行きましょう!
次の気になる問題です。
問題6は、指定地域密着型サービスについてでしたね。
この辺りもここ数年よく出題されているので、
勉強した人も多かったのではないでしょうか?
難しそうな文言が選択肢に並んでいますが、
決定的に1つ選択肢を減らす方法があります。
それは「地域密着と来れば”市町村”」と覚えておくことです。
これを念頭に置いて選択肢を見ると、5番が「×」だと分かるでしょう。
後は「法律に書かれているかどうか」になりますが、
この問題についてはもっとシンプルに正解が導き出せます。
それは「選択肢の文章の違和感」です。
4番の選択肢にある「毎年更新」。
筆者はこれを見た瞬間思いました。
『そんな効率悪いことします?』
正しくは「6年ごとに更新」なので、4番は「×」。
よって正解は、1番・2番・3番です。
問題13は、介護サービス情報公表についてでした。
行政が行う「実地指導」とは違って、関連書類等の有無を確認し合い、
サービス利用者によりよい支援を提供できるようにしていくもの。
という考え方でいいでしょう。
その中で「居宅介護支援(ケアマネ)」が行っているものを選択すればいいので、
正解は1番・3番・5番になります。
単純に、2番と4番は他の事業において公表する内容になりますので、
「ケアマネさんだからすべて周知して公表しないと!」ということはありません。
問題21は、運営基準についてでしたが、
この問題も、2020年にほぼ同じような出題がされているので、
過去問を解いていた人にはラッキー問題でしたね。
ポイントとしては、指定居宅介護支援運営基準の中で
「介護支援専門員は」で始まる項目は、3項~25項まで。
この中に「書かれているか、いないか」になります。
よって正解は、1番・2番・3番になります。

今回の「介護支援分野」は、過去に出題された問題が多くあり、
傾向と対策が立てやすかったように思います。
ということは、ある意味「基礎知識」ともいえるので、
しっかりと復習して、身に着けておいてくださいね。
こんな感じで、解説は進めていきますので、よろしくお願いいたします!
▶第28回ケアマネ試験「保健医療・福祉サービス分野」(全35問):解答速報

続いて“後半戦”。
「保健医療・福祉サービス分野」の解答速報をお伝えします。
ここでの点数差が合否を左右すると言っても過言ではありません。
現時点での正答は、コチラです!
◆保健医療分野(20問)解答速報
| 問題26 | 問題27 | 問題28 | 問題29 | 問題30 |
| 1,2,3 | 1,4,5 | 1,3,4 | 3,4,5 | 1,2 |
| 問題31 | 問題32 | 問題33 | 問題34 | 問題35 |
| 1,2,3 | 1,3,5 | 1,2,4 | 1,4,5 | 1,2,3 |
| 問題36 | 問題37 | 問題38 | 問題39 | 問題40 |
| 2,3,4 | 2,3,5 | 3,4,5 | 2,3,5 | 4,5 |
| 問題41 | 問題42 | 問題43 | 問題44 | 問題45 |
| 1,2,3 | 1,2,4 | 1,4,5 | 1,3,5 | 2,4,5 |
◆福祉サービス分野(15問)解答速報
| 問題46 | 問題47 | 問題48 | 問題49 | 問題50 |
| 2,3,5 | 1,3,5 | 1,2,5 | 2,4,5 | 1,2,5 |
| 問題51 | 問題52 | 問題53 | 問題54 | 問題55 |
| 1,2,4 | 1,5 | 2,3,4 | 2,3,4 | 1,2,5 |
| 問題56 | 問題57 | 問題58 | 問題59 | 問題60 |
| 1,2,4 | 1,3 | 1,2,5 | 1,4 | 1,3 |
▶保健医療・福祉サービス分野の「気になる問題」を徹底解説!

では、この分野において皆さんが
「ちょっと難しかった」、「よく分からなかった」、
筆者も実際に解いてみて「???」だった
「気になる問題」をいくつか取り上げ、解説していきます。
気になる問題としては5つ。
具体的には、問題26、問題39、問題40、
問題48、問題59を取り上げます。
順番に一緒に見て行きましょう!
問題26は、フレイルとサルコペニアについてでした。
二つの用語をザックリと解説すると、こんな感じです。
- サルコペニア:加齢等による筋肉の減少で、身体の機能が低下した状態。
- フレイル:加齢に伴う予備能力の低下で、ストレスに対する回復力が低下した状態。
これを分かった上で選択肢を見てみると、5番が「×」であることが分かります。
残った選択肢で4番の「オーラルフレイル」とは、口の機能低下にあたるため、
心理的フレイルとは違うことが分かるので、正解は、1番・2番・3番になります。
問題39は、臨死期の徴候について。
臨死期とは、平たくいえば「もうすぐお亡くなりになる状態」です。
先に正解をお伝えすると、2番・3番・5番が正解です。
身近な出来事として、肉親や親族との「終末」。
施設などでは「ターミナルケア」としての体験からイメージすると
自ずと正解に辿り着くのではないでしょうか?
問題40は、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について。
ACPとは、一般的には「人生会議」という名前で知られています。
「もしもの時の備え」として、自分の人生観や今後の生き方などを
家族や医療、介護従事者と共有しながら、継続的に話し合っていく。
これが「人生会議」の核になる部分ですが、
これが分かっていれば、正解は一目瞭然!4番と5番になるでしょう。
先の参議院議員選挙の際にも、
この問題を取り上げていた方がいらっしゃったので
耳馴染みがあった人もいるのではないでしょうか?
問題48は、相談援助業務に関わる者としての「基本姿勢」。
「公正中立」「利用者本位」「自己決定の支援」といった
ある意味「バイステック7原則」が基本になりますので、
そのことを軽んじるような選択肢は「×」といっていいでしょう。
正解は、1番・2番・5番になります。
はっきり言っておきますが、
これは実務に直結する問題になるので、正解しないといけません。
問題59は、成年後見制度について。
ほぼ毎回出題されています。
なので、過去問を解いて勉強した人、ラッキーでしたね。
成年後見制度をザックリ解説すると、こんな感じです。
知的障害・精神障害・認知症などによって、
ひとりで決めることが心配な人の思いを
地域みんなで分かち合い、
いろいろな契約や手続をする際にお手伝いする制度。
答え合わせをしていくと、
2番の「成年後見人の選任」は、家庭裁判所が行うので「×」。
3番は、弁護士だけではなく、親族や社会福祉士もなれるので「×」。
5番については、法律で明確に禁止されているので「×」。
よって正解は、1番と4番になります。

「保健医療・福祉サービス分野」においても、過去問重視の傾向が強く感じられ、
昨年よりも増して「知っているかいないか」で差が付く問題が並んでいました。
しっかりと復習して、今後に繋げてもらいたいです。
第28回ケアマネ試験の解答速報ならびに「気になる問題」の解説は以上です。
▶第28回ケアマネ試験・難易度、合格ライン、合格率について

今年の試験、難しかったですか?
筆者も実際に問題を解いていて、
年々介護保険制度の枠を超えた
多岐にわたる知識が必要になっていることに驚いています。
「これだけのことを網羅しておかないといけないの?」
といった疑問が湧いてくるような問題もあり、
今後、出題内容がより一層難しくなる懸念がありますね…

前回もお伝えしましたが、
あえて今回も現役ケアマネジャーとして皆さんにお伝えしておきます。
ケアマネ試験は「実務研修受講試験」なので、
あくまでも「実務に必要な基礎知識」を問うものです。
何事も「土台があってのもの」ですから、
今回の試験を決して“自己採点”だけで留めず、
しっかりと復習して、今度の支援活動に活かせるようにしてもらいたいです。

それでは、今回の試験の難易度や合格ラインについてお伝えしますね。
まず、難易度ですが、筆者が実際に解いた感じでいえば
A~Eで示すと難易度は、B(やや簡単)。
合格ラインは、45点~47点だと考えられます。
(※ちなみに筆者は、50点でした)
しかしながら、実際には「C(普通)」
「介護支援分野が難しかった」といった声も多いようであり、
“前回の反動”といった感じがあるようです。

続いて合格率については、前回は全国平均で32.1%でした。
今回も同様に30%を超えるのではないか。
あるいは前回以上の合格率を叩き出すかもしれないとお伝えしましたが、
今回の合格率は、25.6%に留まっています。
▶まとめ

今回は【実録】介護の本質chから
第28回【ケアマネ試験2025】解答速報
~現役ケアマネジャーが気になる問題を徹底解説!
と題してお伝えしました。
試験を受けられた皆さん、本当にお疲れさまでした。
結果はもう「神のみぞ知る」ですので、
普段の介護支援活動を続けながら吉報を待ちましょう!
合格発表は、令和7年11月25日(火)の予定になっており、
通例からいえば14時から発表になるでしょう。
一人でも多くの仲間ができ、一緒に支援活動ができることを筆者は期待しています!
※過去問での勉強を行うにあたり
その一助になればと考えました。ぜひ活用してみてください。
今回の試験においても、いくつか出題が的中しています。
問題の捉え方や解き方など、参考にしてもらえたら嬉しいです。







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