
――愛する者たちが紡ぐ、軌跡と奇跡。
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS

毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、SEVENTEENの楽曲「愛が通り過ぎた跡」を取り上げます。

▶はじめに

SEVENTEENの「愛が通り過ぎた跡」は、
清原果耶さん主演のTBS系ドラマ『初恋DOGs』の主題歌として、
メンバーのWOOZIさんが手がけ、書き下ろされた一曲です。

優しいピアノとギターが重なるメロディー、
温かさの中に力強さを感じさせる歌声が印象的な楽曲です。
本記事では、SEVENTEENが日本のファンのために紡いだこの新曲タイトルに込められた意味をひもときながら、
ドラマの世界観との重なりや、“跡”という言葉がもつ力に焦点を当てて考察していきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
第1章:“後”ではなく“跡”──その選択に宿る感情の記憶
こちらでは、楽曲タイトルから伝えたい想いを紐解いていきます。

「愛が通り過ぎた跡」というタイトルを見たとき、多くの人が感じるのは、
そこにただならぬ余韻があるということではないでしょうか。
通常、「通り過ぎた後」という表現なら、
“愛が終わった”という時間的な意味に留まります。
しかし、“跡”という一字を選んだことで、そこには単なる過去ではなく、
“何かが確かにそこにあった痕跡”が感じられるのです。

たとえば、足跡や涙の跡、爪痕という言葉があるように、
“跡”とは誰かが残していった証。
目に見えないけれど、確かに存在し、今なおそこにとどまっているもの。
それが「愛」だったならどうでしょう。

通り過ぎていった恋、終わった関係、心にぽっかりと開いた傷。
けれどその跡があるからこそ、人は誰かに出会い直すことができるのかもしれません。
本作のタイトルは、そんな「記憶の温度を帯びた言葉」として、“跡”を選んだ──
そう感じずにはいられません。
第2章:ドラマ『初恋DOGs』──“愛に臆病な2人”と“傷跡の物語”
こちらでは、楽曲とドラマとのリンクについて考察していきます。

『初恋DOGs』は、清原果耶さん演じる“愛を信じられない離婚弁護士”と、動物にしか心を開けない獣医が、飼い犬同士の出会いをきっかけに恋を模索していくラブストーリー。
ここで描かれるのは、いわゆる“初恋”ではなく、一度傷ついた人間同士が、もう一度恋と向き合う物語です。
信じられなかったものを、もう一度信じてみる。
それは容易なことではなく、
誰しも過去の“愛の跡”を抱えたまま生きている。
つまりこの物語の主人公たちは、
“愛が通り過ぎた跡”を胸に抱きながら、
それでも未来へ進もうとする人たち。
そこにSEVENTEENのこの楽曲が主題歌として寄り添うことの意味は、とても大きいと感じます。

WOOZIさんがこのドラマのために書き下ろしたという事実も、その想いの深さを裏付けているように筆者は感じます。
第3章:SEVENTEENの音楽に流れる“愛の記憶”
こちらでは、SEVENTEENの音楽観から、楽曲イメージを読み解いていきます。

SEVENTEENはこれまでも、恋愛や人生の一瞬一瞬にある
“きらめきと痛み”を丁寧に描いてきたグループです。
その歌詞世界は、ただのラブソングではなく、「感情の記録装置」のように、聴く人の記憶に触れてきました。
たとえば――
- 「Don’t Wanna Cry」では、涙をこらえて立ち尽くす孤独を
- 「Imperfect Love」では、不完全なままの愛に対する肯定を
彼らの楽曲には、常に“未完成で不確かだからこそ美しいもの”が描かれています。
そしてその中心にあるのが、WOOZIの繊細なソングライティングです。
今回の「愛が通り過ぎた跡」もまた、“過去の愛”を否定するのではなく、
“それがあったからこそ今がある”と受け止めるような姿勢が感じられます。

通り過ぎたものは、決して無意味ではなかった。
その跡は、あなたに出会うために必要だった“証”だった──
そんなふうに、過去の痛みをそっと肯定してくれるような歌なのかもしれません。
第3.5章:「通り過ぎた跡」に咲いた、“温かい痛み”という花 〜歌詞から読み解く、再生と希望の記憶〜

それでは、歌詞考察に入りましょう。
歌詞全体に通底するのは、「愛が去った後もなお、そこに残る記憶と感情」です。
印象的な歌詞をピックアップし、深掘りしていきますね。
※JASRAC管理楽曲のため、すべての歌詞は掲載していません。
詳しく知りたい方は、以下のリンクからご確認ください。

歌詞の中で、筆者が特に注目したワードが
「咲かない花」「温かい痛み」「春の午後」「小さな花が咲こうとしてる」です。
これらが描くものは、
愛の喪失と再生が表裏一体であるということではないかと筆者は感じます。
一つずつ見て行きましょう。
愛が通り過ぎた跡にyeah 咲かない花が揺れているoh
「咲かない花」は、かつて愛そうとしたけれど結ばれなかった想い、
あるいは、もう咲くことのない恋が見え隠れしています。
しかし、“咲かない”は完全な終わりではなく、
「まだ咲いていない」「いつか咲くかもしれない」という希望をも含んでいます。
君に触れた記憶だけで 歩き出せる気がした 春の午後 君は僕の温かい痛み 愛を残してたこの場所にyeah 小さな花が咲こうとしてるoh
「温かい痛み」は過去を悔やむのではなく、大切な想い出として抱きしめる感情。
「小さな花」はその“痛み”から生まれた、やさしくて前向きな何かです。
「春の午後」という季節の時間も、「少しずつ踏み出す」ことの象徴として描かれます。
これらの”想い”が涙となって溢れ、心の傷が癒された時、空に浮かび上がる言葉は――

ありがとうって 空にささやく花言葉のように いつかまた誰かを愛せるんだろう
まさに「通り過ぎた跡が“奇跡”になる瞬間」を描いた結晶といえるでしょう。
第4章:あなたの心に残る“愛の跡”──その意味と向き合うとき
こちらでは、“跡”が読む人の心とどう向き合うかに焦点を当てていきます。
誰にでも、忘れられない人がいる。
あの日の言葉、あの場所の記憶、ふとした瞬間に蘇る感情。
それはもう終わってしまった“恋”かもしれない。
でも、その”跡”があるから、今の自分がいて、次の恋への”証”となる――
「愛が通り過ぎた跡」は、そんな心の奥にある“記憶の痕跡”に、
やさしく語りかけてくれる楽曲なのではないでしょうか。

過去をなかったことにしない。
傷ついた自分も、愛してみようとした自分も、
全部ひっくるめて「意味のある跡」だと受け入れてくれる。
だからこそ、聴き終えたあとに少しだけ前を向ける。
それが、SEVENTEENの音楽が持つ
“メンタルエイド”としての力なのだと、
筆者は思います。
まとめ:過去は、出会いの“証”となって心に残る

今回は、SEVENTEENの楽曲「愛が通り過ぎた跡」を徹底考察しました。
通り過ぎた恋。終わったはずの愛。
それでもなお、胸の奥に残る記憶や痛み。
それを「なかったこと」にせず、
「あなたと出会うために必要だった軌跡」だと受け止めてくれる言葉。
それが、この楽曲のタイトルに込められた“跡”という一字なのだと感じます。

ドラマ『初恋DOGs』の世界観とも深く響き合い、
SEVENTEENの音楽が持つ“癒しと再生”の力が、確かにここにも流れています。
――“跡”とは、あなたと出会うための“証”。
その言葉が、今のあなたに寄り添い、
静かに背中を押してくれる一曲になることを願って。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは、
他にも多くの楽曲を考察しています。
あなたの心にそっと寄り添う言葉を、
ぜひ見つけにきてくださいね。





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