【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
スガシカオ さんの バニラ です。
歌詞の意味を考察し
この歌が伝えたい現世につながる想いの本質をお伝えします。
渇いたビートサウンドの中にあるディープでねっとりとした淫靡さがハートをわしづかみにする
1997年にメジャーデビューを果たし、音楽プロデューサーとしても名高い日本の男性シンガーソングライター、スガシカオさんが2023年に発表したこの曲。
全体を通して感じるダークサイドなメロディーライン。
気だるい雰囲気で始まるAメロから徐々に刃物の切っ先のような鋭さを感じさせるBメロへ。そしてサビの部分では、感情の赴くままのような激しさが漂う…
渇いたビートサウンドの中にあるディープでねっとりとした淫靡さが
聴き込むほどにハートをわしづかみにする。
そんな楽曲だと筆者は感じました。
歌詞の意味を考察!現世を凡庸と思う異常
さて、歌詞考察に入ります。
歌詞全体を見て「タイトルとの違和感」を覚える人も多いでしょうけれど、その違和感がこの歌が伝えたい現世につながる想いの本質になりますので、どいうぞ最後までご覧くださいね。
それでは早速、1番から一緒に見ていきましょう。
もし嫌だったら すぐにはずせるよ
手首を縛った 赤い手錠型ベルト
君の大嫌いな うす汚い言葉
耳のすぐ後ろで 何度も言ってほしいんでしょ
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
勘違いしないで欲しい
君に苦痛を与えたり
痛みにゆがんだ顔
ぼくは見たいわけじゃない
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
AメロとBメロの部分。
もし嫌だったら すぐにはずせるよと、下線を引いて表してみました。
2番にも同様のものがありますが、ある意味この下線部分が1つのキーワードになります。
以降の歌詞を見ていくと結構ドSな言葉が並んでいますが、Aメロの「君の大嫌いな、うす汚い言葉」を「君の大好きな、心地の良い言葉」というように逆の意味に捉えると、この歌が伝えたい本質がみえてきます。
その本質とは何なのか?
結論をいえば、この楽曲の歌詞全体が日本社会のリアルを表しているということです。
どういうことなのか?
1番のサビ以降の歌詞を見ていけば、その真意が分かると筆者は考えます。
一先ず、1番のサビの部分の歌詞を見ていきましょう。
痛みの中でキス
怯えた声にキス
渇いた舌にキス
とろけるようなキス
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
キスという言葉の前に人間の様々な状態が表されています。
2番のサビや大サビにおいても同様に表されていますが
その言葉たちは、あまりいいイメージではないものばかりではないでしょうか。
愛やエロティックなイメージからすれば「貪るような愛情表現」とも考えられますが、この歌が伝えたい本質とは全く異なるもの。キスという言葉をまともに捉えてはいけないように筆者は感じます。
この「キス」に関する考察は後半で詳しくお伝えするとして、引き続き歌詞をみていきましょう。
苦しくなったら すぐに教えて
意識が飛んで 脳内麻薬みたいでしょ
でも誤解しないで欲しい
君の首を絞めるのは
君を傷つけたりしたいわけじゃない
そうじゃない
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
2番の歌詞の下線部分 苦しくなったら すぐに教えて
1番の下線部分と合わせて考えられるのは「与えられた自由」であるということ。
痛みや苦しみから解放されたければ、いつだってできるんだよ
そう言いたげな表現になるでしょう。しかしながら、この後にはこんな隠された思惑が…
でも、この社会で飼い慣らされてきた君に、それができるのかな?
ここまで来れば、キスが何を意味しているのかが分かるのではないでしょうか。
2番のサビです。
息を殺してキス
しびれた脳にキス
気絶しそうなキス
抱きしめたままキス
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
「抱きしめたまま」とのフレーズを「羽交い絞め」と考えた場合
一連の言葉が意味する「キス」とは「口封じ」であると筆者は考えます。
ここまでお伝えした内容からこれまでの考察をまとめると、こんな感じになるでしょう。
現世社会において人々が抱え続ける心の痛みや苦しみは
既に慢性化してしまい「そんなもんだろう」という諦めに変わってしまっている…
「今の世の中、何かがおかしい」と思ったとしても
舌先三寸の甘い言葉や欲に負け、色欲にほだされているのも分からず
気がついた時には、もう取り返しのつかない程の苦しみや柵を抱えてしまっている。
声を上げようにも、その柵などに縛られ口封じされることが繰り返される中、「そんなもんだろう」と諦め続けた挙句の果てに、現状を顧みることもなく、痛みや苦しみにも慣れ、何事もなかったかのように忘れ去り、悲惨な状況があったとしても「凡庸な毎日」と思い込んでいる…
楽曲タイトルの「バニラ」に「普通」、「凡庸」などといった意味があることを考える際、歌詞全体との違和感を覚えるのは「現世を凡庸と思う異常」に気づく1つのきっかけであり、楽曲を通して伝えられる警鐘ではないでしょうか。
これが筆者がこの歌が伝えたい現世につながる想いの本質とした
「現世を凡庸と思う異常」の真意です。
このことは、ブリッジ部分の歌詞で裏付けられます。
抗ったりしないで欲しい
ぼくに支配されればいい
そしてバニラアイスのように
君はもう 溶けてしまう
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
閉塞感漂う澱んだ社会、白いものでも黒といえば黒になるといった不条理が蔓延する世の中を「これが普通だ」とし続け、自分たちの思い通りに事を進めようとする輩たちの本音にも捉えられますよね…
乱れた髪にキス
震える指にキス
目隠しのままキス
溺れるようなキス
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/suga-shikao/vanilla/
大サビの部分の4つのキス。
遠くない未来に人々が心からの笑顔を取り戻し
安息な日々の中で想いを通わせながら
胸いっぱいの愛を交わし合える世の中を投影したものであってほしい…
筆者はそう願っています。
まとめ
今回は スガシカオ さんの バニラ
歌詞の意味を考察し、この歌が伝えたい現世につながる想いの本質をお伝えしました。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
この他にもたくさんの楽曲をご紹介していますので
そちらの方もどうぞご覧くださいね。
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