
――私が「私」をうまく愛せないとき、
あなたはそれでも優しく微笑んでくれますか?

―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、ちゃんみなさんの楽曲「i love you」を考察します。
▶はじめに

ちゃんみなさんの「i love you」は、2025年10月スタートのTBS系ドラマ
『フェイクマミー』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。

高学歴のエリートと、
元ヤンキーのベンチャー企業社長という正反対の2人の女性が、
娘の未来のために“ニセママ契約”を結ぶ――。
嘘とトラブルに満ちたその物語の中で描かれるのは、
母である前に「一人の人間」としての痛みや不安、そして愛の再生。
この曲は、そんなドラマのテーマと深く呼応するように、
「うまく出来ていない私」と「それでも愛したいあなた」の
狭間で揺れる心を描いています。
子どもの心音を思わせるようなビート、囁くような歌声――。
聴き終えたとき、ほんのりと胸の奥に温もりが灯るような、優しくも切ない楽曲です。
この記事では、楽曲の「トレンド性」ではなく、
『i love you』が現代を生きる私たちに伝える“メッセージ”を、
楽曲イメージやタイトル、歌詞の世界から読み解いていきます。
▶「i love you」から筆者が感じた情景イメージ

初めてこの曲を耳にしたとき、筆者の脳裏に浮かんだのは、
子どもの笑顔でした。
けれど、それは“無垢な光”だけではなく、
“誰かに愛されることでしか笑えない”ような、少し切ない笑顔でもあったのです。

その笑顔を見つめながら、ひとりの女性が小さく息をのむ――。
「うまく出来てない私」を隠すように、
それでも“あなた”の笑顔を守ろうとする姿が、曲全体に静かに漂っています。
聴く人によって、「子ども」「恋人」「過去の自分」と、
見る“あなた”の姿は変わるでしょう。
でもきっと誰もが、どこかでこの曲の“私”に、自分自身を重ねてしまうはずです。
▶歌詞の意味を徹底考察!

ここからは、歌詞に込められたストーリーを丁寧に深掘りしていきます。
※本記事では、著作権等により、すべての歌詞は掲載していません。
歌詞の世界観を詳しく知りたい方は、音楽配信サービスや歌詞検索サイトでご確認ください。
◆「i love you」― ひとりの女性の告白として

完璧に生きようとしても、どこかうまくいかない。
彼女は、そんな自分を見透かすように微笑み、“あなた”に出会います。

その笑顔ひとつで、
何もかもを投げ出してもいいと思えるほどに、心を奪われてしまった。
「あなたが笑うなら、それでいい」
そう言いながら、彼女は自分の涙を隠そうとします。
けれど、どれだけ取り繕っても、
あなたの前では“うまく出来てない私”が露わになる。
――それでも、離れられない。

あなたが自分の世界を振り回すほどに、その不安定さごと愛おしい。
「死ねない、まだ i love you」と呟くその声には、
依存ではなく、「生きたい」という切実な願いが滲んでいます。
欠点だらけで、情けなくて、それでも誰かに愛されたくて。
そんな自分を初めて“朝の光”のように照らしてくれたのが、あなた。

だから彼女は願う――
「もし地獄へ行くことになっても、ついてこないで。
でも、それ以外の場所では、できるだけ手をつないでいてほしい」と。
その言葉に込められているのは、
“自立”と“愛”の境界で揺れるひとりの女性の祈り。
彼女はまだ、自分自身を探している。
未完成の“i”が、愛を通して少しずつ形を得ていく――
それが、この楽曲の語る“i love you”という物語だと筆者は感じました。
考察の中で何度も登場した“あなた”とは誰なのか?
それが、楽曲タイトルにある小文字の”i“につながっています。
次の章で、丁寧に読み解いていきますね。
▶楽曲タイトル「i love you」―小文字の“i”が意味するもの

タイトルが「I love you」ではなく、「i love you」であること。
そこに、この楽曲の核心があります。
この小文字の“i”は、まだ大人になりきれない「私」、
あるいは“母”になりきれない「私」の象徴ともいえるのではないでしょうか。
ちゃんみなさんの表現は、いつも「強さ」と「脆さ」の同居にあります。
大文字の“I”が自己を確立した存在だとすれば、
小文字の“i”は、まだ揺らいでいる、未完成な自己。
でも、それは決して“弱さ”ではなく、
誰かを愛することで自分を取り戻そうとする、成長の途中の姿なのです。
“あなたに愛されることで、初めて私を愛せるようになる”――
そんな心のプロセスが、この小さな“i”には込められているのではないでしょうか。
▶【メンタルエイド的視点】この歌の、心への効用

「i love you」は、
“自己否定”と“他者への愛”のはざまで揺れる人に、そっと寄り添う楽曲です。
たとえば、
- 「完璧な親になれない」
- 「誰かを愛したいのに、うまく愛せない」
- 「愛されたいのに、自分を信じられない」
そんな心の痛みを抱えたとき、
ちゃんみなさんの声は、まるで母が子に語りかけるように、
静かに包み込んでくれます。
それは「大丈夫」なんて安易に言わない優しさ。
“うまく出来てない私”を、そのまま抱きしめてくれるような音。
聴いているうちに、
「それでも愛していいんだ」「それでも生きていていいんだ」と、
小さな希望の灯が心にともっていくのです。
▶まとめ ― 未完成の“i”に、そっと光を。

今回は、ちゃんみなさんの楽曲「i love you」を徹底考察しました。
ちゃんみなさんの「i love you」は、
“母になりきれない私”が、“人を愛する”ことで自分を見つめ直していく物語です。
小文字の“i”は、
不完全だからこそ、愛を求め、祈り、成長していくことの証。
聴き終えたとき、きっとあなたの中にも、
誰かを想うことで“自分を取り戻す”小さな光が灯るはず。
――この曲は、「うまく出来てない私」を優しく肯定してくれる歌。
孤独な夜に、どうかこの“i love you”を、あなたの処方箋に。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にもちゃんみなさんの楽曲を考察しています。
そちらもぜひ、ご覧くださいね。






コメント