お医者さんの言う「様子を見ましょう」は何の様子を見るのか

よもやま話

今回の「よもやま話」

お医者さんの言う「様子を見ましょう」とは何の様子を見るのか

というお話です。

熱っぽい…

何か身体がだるい…

食欲が湧かない…

こんな時、あなたはどうしていますか?

大抵の場合は「ひどくならないうちに」ということで

かかりつけのお医者さんに診てもらいに行くのではないでしょうか。

「とにかく原因が何なのかが知りたい」との思いで、症状などを伝え、診察を受けるとは思いますが、

診察の際に、お医者さんがよく仰るのが「様子を見ましょう」という言葉。 

子どもの頃であれば「様子を見るんだぁ」ということで、私も素直な性格でしたから、そのまま言われた通りに様子を見ていたんですが、ある程度いい歳になってからも「様子を見ましょう」という言葉はずっと耳に残っていて、ふとした時に「一体何の様子を見るのか」と考えてしまうこともあるんです…

「そりゃあ身体の状態を見るに決まってるだろう!」と、あなたは言うでしょう。

では、伺います。

お医者さんが見る「様子」とは、身体の状態だけでしょうか?

今回は、その「様子を見ましょう」に焦点を当てて

私が先日体調を崩して受診した際に遭遇した「実話」から、その真相に迫っていきます。


【実話】とある診療所での会話から始まるエピソード

ある日のこと。

その日の私はあまりに体調が悪く、会社も早々に退社してかかりつけのお医者さんへ向かいました。

診察を待っていると、「○○さ~ん。診察室へどうぞ~」と看護師さん。


すると、奥の席で何やら世間話をしていた2人の60代後半くらいの女性の1人(以降:Aさん)が「じゃあお先に」と、お相手の方(以降:Bさん)に告げ、ゆっくりと立ち上がって診察室へ。

10分ほどして、Aさんが診察室から戻ってくると、再びBさんの元へ。

しばらくしてBさんが呼ばれて診察室へ。

Bさんは、5分ほどして診察室から戻ってきて、再びAさんの元へ。 

お仲間かなぁ。

「仲良いんだね」と思っていたら、2人の会話が私の耳に入ってきたんです。

Bさん
Bさん

ちょっと。

先生がまた

様子を見ましょうって

言わはったんやけど…

Aさん
Aさん

私もやで

Aさん、そしたら

様子見ましょうって

Bさん
Bさん

薬もず~~っと

一緒のもんくれはるし…

Aさん
Aさん

私もやん。

ず~~っと一緒の薬や

どうやら先生の診察や処方についての不満のようでしたが

この後の2人の会話に、私は愕然と…

Bさん
Bさん

先生

いつまで私らの

何の様子を見はんねやろうか?

そない様子ばっかり見られてもなぁ

Aさん
Aさん

それか、私ら

あと何回くらい

様子を見たら

調子よくなるんやろうか?

何気なく口にしているように聞こえる言葉。
 
お医者さんに「様子を見ましょう」といわれれば、確かに言われた通り「様子を見てしまう」ものですが、症状が一向に改善されない場合は、私たちの場合、お医者さんに直接「薬が効かないようです」と伝えたり「セカンドオピニオン」などを考えます。

でも、特に高齢の方々は、長年かかっているお医者さんに対しての信頼は厚く、おかしいとは思いつつも、ず~っと通い続けておられることが多い。

お医者さんの「様子を見ましょう」が、

反ってAさんやBさんに不安を与えてしまっているようでは…

そうこうしているうちに私の診察の順番が来たようで、看護師さんに誘われ、診察室へ。

かかりつけ医
かかりつけ医

あぁ。

しょうらくさん。

お久しぶりですね~

今日はどうなさったんですか?

しょうらく
しょうらく

3日程前から体がだるくて

食欲が湧かないんです…

熱はないようなんですが

あまりにしんどいので…

この原因が何なのか分からないので

一度診察をお願いしたくて。

かかりつけ医
かかりつけ医

分かりました。

ひとまず診てみましょう。

聴診後、診察台に横になってから触診。

一通りの診察を終えてから、先生は

かかりつけ医
かかりつけ医

胃や腸の状態は悪くないようですし

熱もないようなので

このまま様子を見ましょう。

様子を見ましょう…

先程の待合室で会話していた2人の高齢者のこともあって、率直に医師に訊いてみたんです。

しょうらく
しょうらく

先生。

ちょっと訊きたいことが

あるんですが…

かかりつけ医
かかりつけ医

はい…

どうかなさいましたか?

しょうらく
しょうらく

様子を見るというのは

どれくらいの間

何の様子を見るんでしょうか?

かかりつけ医
かかりつけ医

は?

キョトンとする先生…

私は続けて、こう話しました。

しょうらく
しょうらく

よくお医者さんは

私たち患者に

様子を見ましょう

と仰います。

安心の意味も含まれているのでしょうが、

患者さんの中には反って不安になっている

人もいるようです。

特に私は仕事柄、高齢者と接する機会が多く、

よくそういったことを耳にするんです。

先程、待合室で会話されている恒例の方々も

そうでした。

それでもし、私の診察の時に先生が

様子を見ましょうと仰ったら、訊いてみたいと。

かかりつけ医
かかりつけ医

なるほど。

分かりました。

では、分かりやすくお話しますね。


お医者さんが「様子を見ましょう」というのは何の様子を見るのか

私がかかりつけ医から伺った内容をまとめておきます。

医者はみな「様子を見る」という対応のことを「経過観察」と呼んでいます。
「経過観察」とは、患者さんに対して行う大切な医療行為の選択肢の一つ。

意味するところは「何もしない」のではなく
「治療を目的とした介入をせずに様子を見なければならない」 ということです。

病気にも様々あって、最初の段階では症状や検査結果ではっきりと分からず、診断名が付きにくいものが多いんです。

そんな状況で、安易に効果が期待できるわけでもない内服薬や点滴なんかをしてしまうと、症状や検査結果の数値が変わってしまって、そもそも何の病気なのかまで分からなくなってしまい、ますます適切な診断から遠ざかってしまいます…。

ですので、ここからよく聴いておいてほしいんですが、
私たち医者が、患者さんに対して「様子を見ましょう」という時は2つ。

①何も治療をしないで、一定期間を置いてからもう一度診察や検査をする必要がある時
②何も治療をせずに経過を見て、何らかの症状の変化があった段階でもう一度受診をしてもらう必要がある時

この2つです。

結構分かりやすく、噛み砕いて話されたので、すごくよく分かりますよね。

お医者さんはさらに「セカンドオピニオン」と絡めて、お話を続けてくださいました。

大切なことは、この経過観察期間の後、患者さんの体にどんな変化があったか、あるいは何も変化がなかったかを最も正確に判断できるのは、「経過観察」という方針を選択した医者だということです。しょうらくさんの場合でいえば「私」ということになります。

「何もしてくれなかった」と言って別の病院に行ってしまった人は、経過観察を始める前の状態を知らない医師に診察されることになるので、結果として「様子を見ましょう」を聴く機会を増やす形になりかねません。

一方で「様子を見ましょう」と患者さんに伝え、「経過観察」という医療行為の最中のつもりでいた医者は、その行為をやむなく中断することになり、これは患者さんにとっては大きなリスクと言ってよいと思います。医者としてもとても悔しいんです…

逆に本人を診察もしないで「経過観察」を選択する医者は誰一人としていないというのも、分かっておいてほしい。

「時間を置く」(数日、1週間、1ヶ月といった期間)
「治療や精密検査、定期的な通院の必要はないが、何か症状があったらすぐに来てほしい」

そういった意味で「様子を見る」訳ですから、決して「ただ見ているだけ」ではないので勘違いしないでくださいね。

「様子を見る」って、ものすごく広い視野と多角的な視点からのものだったんですね。

こんな風に教えてくれるかかりつけ医がいることって、心丈夫になりますよね。


まとめ

今回は

お医者さんの言う「様子を見ましょう」は何の様子を見るのか

という内容を、実話を含めてお伝えしました

命の現場の最前線で、その指揮官となり、多くの命と向き合っているお医者さん。

権威性の高い職業であり、何かと近寄り難い印象のある人が多いイメージがありますが

「1人でも多くの命を救いたい」という人間愛をたくさん持ち合わせた人も多いです。

患者さん1人に対する診察時間が長くなっているのも、その1つではないでしょうか。

心も身体も元気でいるために、安心して「様子を見ましょう」


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