
――“この世の果て”から溢れ出すのは、憂いか。それとも歓喜か。

―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、ポルノグラフィティの楽曲「アゲハ蝶」を考察します。
▶はじめに

ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」は、
2002年に、彼らの6作目のシングルとしてリリースされ、
20年以上経った今もなお高い人気を誇る、彼らの代表曲のひとつです。
ラテン調の軽やかなリズムが特徴で、
転調するサビはキラキラと輝きを放ちながらも、どこか妖しく切ない余韻を残し、
聴き込むほどに中毒性を増す不思議な魅力を持つ楽曲です。

そして2025年10月、日本テレビ系ドラマ
『良いこと悪いこと』の主題歌として起用され、
あらためてその歌詞と世界観が注目を集めています。
この記事では、楽曲イメージやタイトル、歌詞の意味を紐解きながら、
多くの人が抱く「どうして今、このドラマに“アゲハ蝶”なのか?」という疑問に
鋭く迫っていきます。
▶ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」から浮かぶ情景イメージ

筆者がこの曲を聴いて最初に思い浮かんだのは、
夕暮れ迫る空と水平線の光景でした。

夕暮れのオレンジに色づいていくイエロー。
その隣で深まりゆくブルー。
やがて日の入りと共に静かに周囲を包み込む漆黒。
それはまさに「アゲハ蝶」の羽そのものであり、
人の感情の移ろいを象徴しているようにも感じられました。
あなたも、この楽曲からそんな情景が浮かびませんか?
▶歌詞の意味を徹底考察!

ここからは、歌詞に込められたストーリーを丁寧に深掘りしていきます。
※本記事では、著作権等により、すべての歌詞は掲載していません。
歌詞の世界観を詳しく知りたい方は、音楽配信サービスや歌詞検索サイトでご確認ください。
歌詞を読み解いてみると、
「アゲハ蝶」は一羽の蝶と、それを見つめる“旅人”の物語
として描かれているように感じられます。
蝶は「喜びのイエロー」で輝きを放ち、
「憂いのブルー」をまとい、
最後には「漆黒」で世界を包む。
その変化は、人間の心の喜び・不安・孤独といった感情の移ろいそのものです。

冒頭、主人公は旅人に「どこまで行くのか」と問いかけます。
返ってきた答えは「終わりなどないさ」という言葉。
それは、人生や愛に明確な終着点はなく、
自分で区切りをつけるしかないという示唆にも聞こえます。
続く場面では「あなたに逢えた、それだけでよかった」と語りつつ、
現実では「愛されたい」と願ってしまった自分に気づき、世界が表情を変えていく。
それは“空と海が交じる”ように、
一瞬触れ合いながらも決して溶け合わない関係を示しています。

やがて“詩人”が登場し、言葉の限界や伝えることの難しさを吐露します。
もしこれが戯曲だとすれば、
舞台の上で進むことも戻ることもできず、孤独に立ち尽くすしかない――
そんな無力感すら漂います。
それでも「あなたが望むのならこの身を差し出す」と語り、
降り注ぐ火の粉の盾になろうと誓う。
これは自己犠牲であると同時に、自我を空洞化させる危うさを孕んでいます。

ラストに描かれる「荒野に咲いたアゲハ蝶」は、
決して手に入らないオアシスのような存在。
「冷たい水をください」
「できたら愛してください」
という切実な願いは、人間の根源的な渇望そのものです。
こうして読み解いていくと、
この歌詞は“出会いがもたらす光と闇”を描いた普遍的な物語であり、
ドラマ『良いこと悪いこと』のテーマとも
不思議なほどに響き合うのではないでしょうか。
▶楽曲タイトル「アゲハ蝶」に込められた意味とは?
ここでは、楽曲タイトルに込められた意味を見て行きましょう。

蝶は古来より「境界を越える存在」とされ、
様々なスピリチュアルな意味を持っています。
特に「アゲハ蝶」は――
- 幸運が訪れるサイン
- 神様の遣い
- 死者からの魂の伝達
- 復活の象徴
- 変化の象徴
を示すとされます。
さらに、シングル「アゲハ蝶」のジャケットに描かれているのはアオスジアゲハ。

この蝶には「人との縁を結ぶ」という意味があり、
楽曲のテーマである“出会い”や、ドラマにおける“再会”と強く結びついています。
▶どうして今、『アゲハ蝶』なのか?
ここで多くの人が抱く疑問――
「なぜこのドラマの主題歌が『アゲハ蝶』なのか?」に触れましょう。
ドラマ『良いこと悪いこと』は、
同窓会で再会した同級生たちが、塗りつぶされた卒業アルバムや不審死をきっかけに、
過去の記憶や秘密と向き合っていく考察ミステリーです。
- 塗りつぶされた顔=失われたアイデンティティ。
- 不審死=死者からのメッセージ。
- 再会=縁が結び直される瞬間。
これらは、アゲハ蝶が象徴する
「魂の伝達」「復活」「縁を結ぶ」という意味と驚くほど重なります。
つまり、『アゲハ蝶』が主題歌に選ばれたのは、単なる懐メロの起用ではなく、
物語の核心を暗示する必然の選曲だと考えられるのです。
▶【メンタルエイド】的視点:この歌の、心への効用

「アゲハ蝶」は、孤独や喪失に向き合う人に効く処方箋のような歌です。
出会いがもたらす喜びと同時に、すれ違いや渇望に苦しむ――。
そんな矛盾を抱える私たちに、
「それでも心は生き続け、変化し続ける」という希望をそっと示してくれます。
聴き終えた後、心に残るのは“哀しみ”だけではなく、
“それでも人は出会いを求める”という温かな光なのかもしれません。
▶まとめ

今回は、ポルノグラフィティの楽曲「アゲハ蝶」を徹底考察しました。
ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」は、
憂いに満ちた闇を描きながらも、すべてを照らす光を放つ楽曲です。
ドラマ『良いこと悪いこと』においては、
登場人物の過去と現在をつなぎ、死者の声をも届ける“縁の象徴”として響きます。
孤独を感じるとき、過去に囚われるとき、どうかこの曲を聴いてください。
きっとあなたの心にも、羽ばたく蝶の影が光を落としてくれるはずです。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも“スピリチュアル”関連の楽曲を考察しています。
そちらもぜひ、ご覧くださいね。







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