【サザンオールスターズ】桜、ひらり～歌詞の意味を考察！想い出のかけらを胸に、人は強く生きる

歌詞の意味を考察！想い出のかけらを胸に、人は強く生きる

さて、歌詞考察に入ります。

印象的な歌詞を見ながら、考察を進めていきますね。

まずは、1番の歌詞からです。

1番の歌詞の核となる言葉「突然」

Aメロ

どれくらい眠れぬ夜を越え

止まない雨に打たれ

大人になったろう？

懐かしい友　

愛する人は去（い）き

羽ばたくように

時間（とき）は流れた

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

突然　

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

Bメロ

あれからしばらくは

生まれたこの場所が

嫌いになったよ

帰らぬ日々

麗しい街並みを切り裂くように　

春が途切れた

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

Aメロの歌詞を考察すると、こんな感じです。

降りしきる雨の中で、目の前に広がる情景を
ただただ茫然と眺め、立ち尽くす。

大切にしていたものや、かけがえのないもの
何気ない日常すべてが奪われて去いった…

懐かしい友や愛する人は、もう此処にはいない。
これは悪夢ではなく、現実だと分かっていても
それを受け入れられず、眠れぬ夜を過ごし続ける毎日。

続いてBメロの歌詞を考察すると、こんな感じになるでしょう。

変わり果てた街並み、溢れんばかりの瓦礫の山。

これまで過ごしてきた「日常」にはもう戻れない…
そう悟ってからは、この町にいることがつらくてたまらなくなった。

これらの要因となったのが「震災」ではあるけれど、それを言葉にしなくても悲しみや苦しみ、恐怖と絶望のすべてを表現する「核」となっている言葉が「突然」であると筆者は考えます。

突然という言葉を頭に置き、AメロからでもBメロからでも歌詞を読み進めていくと「あの日、何が起こったのか？」が、鮮明にイメージされるのではないでしょうか。

春が途切れたとは、どういう意味なのか？

季節の始まりである「春」が「途切れた」とはどういうことなのか？

筆者は、こう考えました。

「時間の流れが止まった」

「長い冬が続いていく」

ここからさらに深掘りし

サビへと向かうイメージを踏まえると

考察は、こんな感じになるでしょう。

初春の慶びは打ち砕かれ、希望は絶望へ。

『もう、春は訪れやしない』
『身も心にも長い冬が続くだろう』

そんな風に悲観することを繰り返し
重苦しい静寂が私たちを包み込む…

そんな中で、ふと感じた「違和感」が、私の心に宿った。

目の前に広がる「町」は景色が変わらず、何の動きもなく
まるで時間が止まっているかのように見えるけれど
それは違う。確かに時間は流れ、町も人も動いている。

では、どうしてそう見えるのか？
時間の流れの中に身を任せることを
移り行く季節に身を委ねることを拒む心がそこにあるからなのだ…

サビの中にある“ひらり”と“ゆらり”が表す意味とは？

サビの歌詞

桜、希望に萌えて

今も匂ってきます

ひらり

風に舞ってる

誰か未来へ言葉

うまく伝えて欲しい

ゆらり

忘れえぬ面影

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

大サビにも登場する“ひらり”と“ゆらり”。それぞれどんな意味があるのか？

ひらりとは、軽く身を躍らせるさま、衣類や紙が軽く翻るさまをいいますが、一瞬きらめき輝くさまを表すという意味もあります。ゆらりとは、ゆっくりと揺れ動く様子を表す言葉であり、ひらりとは意味合い的に違っていると考えられるでしょう。

風に舞っているので、桜の花びら（花弁）が舞っていることを想起しますが、その様子はゆっくりではなく、風に乗り太陽の光を浴びてキラキラと輝きを放ちながら“ひらひら”と舞っている。と考えられますよね。

一方、ゆらりは「面影」と通じていて、会えなくなった人や亡くなった人の姿が心の中に浮かび、それが想いとなって“ゆらゆら”と現れる。と考えられます。

これらのことを踏まえると、この部分の歌詞は『伝えることができなかった私の中に芽吹いた希望を感じ取って、言葉にしてほしい』とする「願い」が、桜の花びらとなって、匂いとともに風に舞っていると考えられるのではないでしょうか。

引き続いて、2番以降の歌詞を

考察を含めて見て行きましょう！

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2番のサビが表すのは「今を生きる人へのメッセージ」と「永遠の命」

2番の歌詞

どのくらいあなたの夢を見て

あなたの名を呼べば

忘れるでしょうか？

泣くことさえ拒むか？

蝉時雨

恵み給う　海が溢れた

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

サビ

君よ　次代に向けて

愛を謳って欲しい

今も　君は生きてる

人を敬いながら

いつも守って欲しい

そして時間（とき）は巡り来る

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

前半部分は、震災以降の人々の心の揺れ動きを表していると筆者は考えます。

筆者が注目したのは「サビ」の歌詞。

被災した人のみならず、楽曲を聴いている人の心にも

ストレートに刺さるのではないでしょうか？

謳うとは「讃える」という意味があり、つながる歌詞に願いが綴られていることを踏まえると、この部分は「今を生きる人へのメッセージ」や「永遠の命」を伝えていると考えます。

よって考察は、こんな感じになるでしょう。

目の前で起こった現実から目を逸らさず
しっかりと受け止めて。

そして、命の尊さや儚さを知り
生きていることの喜びや愛を讃え合って欲しい

感謝の気持ちを忘れずに
敬い合い支え合いながら
大切な人を、町を、力の限り守り続けて欲しい

この世にいない私たちから
生きているあなたにこの想いを託します。

そして、いつか心の傷は癒され
前を向いて歩ける日が来ることを願います。

さぁ！印象的な歌詞は大サビへと向かいます！

考察を含め、一緒に見て行きましょう。

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歌詞にある「柳暗花明」とは「You are coming」！

大サビの歌詞

桜、希望を与えて

今も匂ってきます

ひらり

花弁が舞ってる

誰か未来へ言葉

うまく伝えてほしい

ゆらり

忘れえぬ面影

柳暗花明…

「桜、ひらり」　サザンオールスターズ　歌詞引用

歌詞の中の〆の部分に登場する「柳暗花明」りゅうあん・かめい。

四字熟語と考えられますが、その意味はどういうものなのか？

調べてみると、こんな意味があるようです。

「柳暗」は柳が茂って、その陰がほの暗くなること、薄暗い様子。
「花明」は花が咲いて明るい色があふれること。
春の山水の美しい景色を表現した言葉。

ここから転じて「困難や苦労の後に、希望や解決が見えること」という意味になり、明るい未来が待っていることが想起されますが、果たしてそれだけを意味しているのでしょうか？

そう考えた筆者。さらに楽曲を聴き込んでいきました。

音源を何度も聴き込んでみると、ある事実に気づきました！

「柳暗花明」と歌っているのはずなのに「You are coming」と聴こえてきます。

これが、この歌が伝えたい想いの本質につながっていくと筆者は確信しました。

あなたがやってくる…

これは、会えなくなった人や亡くなった人が巡り来る季節の中、桜に姿を変え、私たちの元へ帰って来ることを意味しているのではないかと筆者は感じ取ったのです。

そう考えた時、1番のサビの考察にあった『伝えることができなかった私の中に芽吹いた希望を感じ取って、言葉にしてほしい』とする「願い」が、桜の花びらとなって匂いとともに風に舞っているという部分とリンクするのではないでしょうか。

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結論：想いの本質は『想い出のかけらを胸に、人は強く生きる』である。

すべての考察を踏まえた結論をまとめました。ご覧ください。

季節は巡り、また「春」がやってくる。

穏やかな陽射しの下、咲き誇る桜に面影を浮かべ

ひらりと舞う花びらに『託された想い』を感じ取る…

花びら1つ1つに、懐かしい街並みや

愛する人や大切な仲間との『想い出』がある。

それらは柔らかな風に乗り

生きている人々に『前を向く』ように伝えているかのよう…

大丈夫。もう挫けたりしない。

大好きなあなたが、毎年桜に姿を変えて、私を見守ってくれているのだから。

そして、この花びらが、私に『強く生きろ』と教えてくれるのだから…

これが、筆者がこの歌が伝えたい想いの本質とした

想い出のかけらを胸に、人は強く生きるの真意です。

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まとめ

今回は　サザンオールスターズ　の　桜、ひらり　について

歌詞の意味を徹底考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えしました。

ゆったりとしたメロディーラインが、過ぎ行く時間や移り行く季節の中で悲しみを癒し、キーボードの弾むような音色が、時に凍えそうになる心を優しく包み込み、温めてくれるイメージが浮かび、聴き込むほどに前向きになれる楽曲だと筆者は考えます。

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