
――悩み続けるより、笑い飛ばしてしまえ。
あなたは、ひとりで抱え込み、強がり続けてしまうことはありませんか?
涙を見せることを恥ずかしいと思い、
「大丈夫」と笑ってみせる。
でも、本当に心を救ってくれる人は、
そんな強がりをあっさり見抜いてしまうものです。
あいみょんの「RING DING」は、
落ち込む誰かを無理に励ます歌ではありません。
「そんなに深刻にならなくてもいいじゃん。」
その一言を、
少し乱暴なくらいの優しさで届けてくれる一曲なのです。

―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、あいみょんの楽曲「RING DING」を考察します。
▶はじめに

日本の女性シンガーソングライター・あいみょんの楽曲
「RING DING」(リング・ディン)は、
2017年9月にリリースされた1stアルバム
『青春のエキサイトメント』に収められた人気曲。

彼女のデビュー10周年を記念して実施された
「MVリクエスト企画」では1位を獲得し、
先頃MVも配信され、あらためて注目を集めています。
ポップコーンが弾けるようなサウンド。
軽快に走り抜けるメロディー。
そして、あいみょんらしい飾らない歌声。
その明るさに耳を奪われますが、
この楽曲が本当に届けようとしているのは、
「落ち込んだ人との向き合い方」なのではないでしょうか。
この記事では、トレンド云々ではなく、
「RING DING」が私たちの心へ届けてくれる”人生の処方箋”を
【メンタルエイド】の視点から読み解いていきます。
▶楽曲「RING DING」から筆者が感じた情景イメージ
筆者が初めて楽曲に触れたとき、
脳裏に浮かんだイメージが――
“ミントキャンディー”でした。

口に入れた瞬間はスースーと少し痛いくらいなのに、
噛み砕くとパキンと小気味よい音がして、
後にはすっと爽やかな余韻だけが残る。
「RING DING」のサウンドにも、そんな感触があります。
歯に衣着せぬ言葉が飛んでくるのに、少しも冷たくない。
むしろ、心の奥にたまった湿った空気を、
パキパキと割って風を通してくれるような――そんな明るさです。
あなたも、
誰かのぶっきらぼうな優しさに、
思わず笑ってしまった経験はありませんか?
この曲を聴いていると、
そんな記憶がふっと蘇ってくるような気がします。
▶歌詞の意味を考察!「元気を出せ」より効く言葉

この曲は、ひとりの人が、
大切な誰かに向けてまくし立てるように語りかける構成になっています。
歌詞の主人公が向き合っているのは、
ため息ばかりつき、強がってしまう大切な誰かです。

その人は弱音を隠し、
プライドという殻をまとって、
自分の本心を閉じ込めています。
主人公は、そんな姿を真正面から受け止めながら、
「そんな格好つけなくていい」と笑い飛ばします。

今日は無理をせず家で休めばいい。
映画でも観て、眠くなったら寝ればいい。
お腹が空いたら、ご飯を食べればいい。
明日になったら、一緒に出かけよう。
励ますのではなく、
日常へ連れ戻そうとする言葉が続いていきます。
さらに、周囲から向けられる陰口や悪口さえ
「全部笑いに変えてやる」と言い切る姿勢は、
「出来事は変えられなくても、受け止め方は変えられる」
というメッセージにも感じられます。
そして最後には――
いいことを探し回るより、
一緒に笑っていたら、
悩みなんて案外どうでもよくなる
と語りかけます。

幸せとは特別な出来事ではなく、
「誰かが隣にいる」という当たり前の日常なのだと、
この歌は教えてくれるのです。
▶タイトル「RING DING」が意味するものとは?

「RING DING」は、
鐘の音や陽気なベルの響きを表す擬音語です。
一方で、英語の古いスラングでは
「愚か者」「おバカさん」という意味でも使われていました。
筆者はこのタイトルを見たとき、
真っ先に子どもの頃の母の言葉を思い出しました。

勉強や学校生活でうまくいかず、
落ち込んで帰ってくると、母はこう言ってくれたのです。
――大丈夫だよ。あんたはあんたでしかないんだし、
そんなあんたが大好きな子はいるんだから。
いろいろあるだろうけど、
いちいち悩んだりクヨクヨしてたら、
神様が”アホらしヤの鐘”を鳴らしよるで――

あの頃は、母が冗談を言って
笑わせようとしているだけだと思っていました。
でも年齢を重ねるにつれ、
「悩みをゼロにすることはできなくても、
悩みに飲み込まれない生き方は選べる」
ということを、母は教えてくれていたのだと気づいたのです。
深刻に思い悩んでいる自分を、
頭ごなしに否定するのでもなく、
かといって放っておくのでもなく、
ただ「アホらしい」と笑い飛ばしてくれる誰かの声。
それは、正論よりもずっと優しく、
心の強張りをほどいてくれるものでした。
「RING DING」という曲にも、
まさにこの”アホらしヤの鐘”と同じ響きがあります。
からかうような言葉の奥に、まっすぐな愛情が隠れている。
「バカだなあ」という一言は、
時として「大好きだよ」よりもずっと近い距離感で、
相手の心をほどいてくれることがあるのです。
クヨクヨと思い悩む自分を、
深刻に受け止めすぎず、
「なんだ、アホらしい」と笑い飛ばしてしまう。
RING DINGという鐘の音は、
そんな”軽やかな救い”の合図なのかもしれません。
孤独や強がりといった重たいテーマを、
あえて明るいリズムに乗せて突き放してみせる――
そこにこの曲の優しさがあるように感じます。
▶【メンタルエイド】的視点:この歌の、心への効用

この楽曲は、こんな心の痛みに、そっと効いてくれます。
- 強がって、本音を隠してしまう人へ
泣きたいのに泣けない。
弱音を吐くのが怖い。
そんなあなたに、この曲は「人間らしくていいんだよ」と、
笑いながら背中を押してくれます。
- 誰かに気を遣いすぎて、疲れてしまった人へ
励ましの言葉より、ただ隣にいてくれる誰かの存在のほうが、
かえって心が軽くなることがあります。
この曲が描くのは、まさにそんな”何もしないでいい優しさ”です。
- 自分を責めて、うずくまってしまう人へ
深刻になりすぎたとき、
「アホらしい」と笑い飛ばしてくれる誰かの声は、
時にどんな正論よりも救いになります。
私たちは、時として
「頑張れ」という言葉に疲れてしまうことがあります。
そんなとき、本当に救いになるのは、
「今日は休もう」「一緒に笑おう」と言ってくれる誰かの存在です。

音楽を”処方箋”として捉えるなら、
この曲は、悩みを解決する薬ではなく、
悩みごと抱きしめて笑い飛ばしてくれる、
そんな不思議な効能を持っています。
だからといって「RING DING」は、
前向きになる方法を教える歌ではありません。
心が疲れたときは、まず立ち止まること。
泣きたいなら泣くこと。
そして、信頼できる誰かと他愛もない時間を過ごすこと。
人は誰かに救われるだけではなく、
本当は自分の中にも立ち上がる力を持っています。
そんな、人が本来持っている
“回復する力”を思い出させてくれる歌なのです。
▶まとめ

今回は、あいみょんの楽曲「RING DING」を考察しました。
「RING DING」は、強がりも、プライドも、
ぜんぶ脱ぎ捨てて構わないと教えてくれる歌。
励ますでもなく、説教するでもなく、
「アホらしくなって笑えたら、それでいい」と寄り添ってくれる。
だからこそ、
この曲は今も多くの人の心に残り続けているのでしょう。
子どもの頃、
母が筆者に話してくれた「アホらしヤの鐘」。
あの言葉は、大人になった今でも、
心が苦しくなるたびにどこかで鳴り響いています。
そして「あいみょん」の「RING DING」を聴いていると、
その鐘の音が不思議と重なって聞こえるのです。
もし今、あなたが悩みを抱え込み、
自分を責め続けているのなら、
少しだけ肩の力を抜いてみてください。

きっとどこかで、
あなたにも“アホらしヤの鐘”が鳴る音が聴こえてきます。
その鐘は、あなたを笑うためではありません。
「あなたは、あなたのままでいい。」
そう伝えるために、心のどこかで鳴り響く――
あなた自身の“アホらしヤの鐘”なのです。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも様々なアーティストの楽曲を考察しています。
ぜひそちらもご覧ください。
あなたの“心のリアル”に寄り添う一曲が、きっと見つかるはずです。




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