――明かりが漏れる窓に、ふと心が和らぐ。
帰る場所は”人のぬくもり”――それがHomeの本当の意味。
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、FUNKY MONKEY BΛBY’Sの楽曲「Come Back Home」を取り上げます。
FUNKY MONKEY BΛBY’Sの「Come Back Home」は、
2025年夏、テレビ朝日系ドラマ
『こんばんは、朝山家です。』の主題歌として書き下ろされた楽曲。
社会の中で最も小さな集合体である“家族“が、
喜怒哀楽や紆余曲折の中、力を合わせて乗り越えていくという、
ドラマのテーマと強く呼応しています。
本記事では、楽曲イメージやタイトル、歌詞の意味を深掘りし、
伝えたい想いを読み解いていきます。
どうぞ最後までお楽しみください。
楽曲を初めて聴いた時、筆者の脳裏に浮かんだイメージが
「仄かに湯気が立ち昇る”しじみ汁”」でした。
食卓にそっと差し出される“しじみ汁”を一口すすると、
体の芯までじんわりと満たされていく――
そんな“ほっこり感”、きっとあなたにも覚えがあるでしょう。
そしてしじみは、二枚貝=両側が合わさって初めて成立する存在です。
世の中は、決して独りで渡り合えるほど優しくはない。
正面から向き合い、叱咤激励を受け、
喜びを分かち合い、悲しみを分け合いながら進んでいく。
誰かがいて、心が通って、初めて“帰る場所”になる。
そんな温かさも、筆者は感じました。
それでは、歌詞考察に入りましょう。
印象的な歌詞をピックアップし、深掘りしていきますね。
※JASRAC管理楽曲のため、すべての歌詞は掲載していません。
Come Back Home
僕らは未完成なままで
走って 守って 少し傷ついて
今は夢見よう 星空の中へ
大丈夫 明日は笑っていけるよ
この楽曲には、彼らが長年届けてきた“応援歌”としての本質が、
静かに、でも力強く息づいています。
まず、「未完成なままで」という表現。
多くの人が、日々の中で「こんな自分でいいのだろうか」と悩みながら生きています。
完璧じゃない。
失敗もするし、傷もつく。
でも、それでも前に進みたいと思う――。
「走って 守って 少し傷ついて」
というフレーズには、
そうした誰かを守るために不器用でも懸命に生きている“あなた”の姿が描かれているように思えてなりません。
そして、苦しい今を抱えたまま、それでも見上げる「星空の中へ」という希望のビジョン。
彼ららしい前向きな言葉が、ラストの一行で優しく背中を押します。
「大丈夫 明日は笑っていけるよ」
この「大丈夫」は、誰かに言われたい言葉でありながら、
同時に自分自身が大切な誰かに伝えたい言葉でもあるのかもしれません。
“Come Back Home”――その言葉には、
過去の自分へ、離れてしまった誰かへ、すれ違った大切な人へ、
「ここに戻ってきてほしい」という、愛に満ちた祈りがこもっているように感じます。
どこまでも自己中心の夫と、そんな夫にキレまくりながらも自分以外のことを優先する妻の、愛しくも奇妙な家族の物語
――これが『こんばんは、朝山家です。』の概要です。
ぶつかり合う思い、心に残るわだかまり、
一途な願いと承認欲求とのせめぎ合い――。
決して一直線には進まない、急カーブや大回り、ジグザグな日々。
それでも共に暮らす中で、少しずつ絆を取り戻していく姿が描かれています。
この“関係の再生”というテーマと、
「Come Back Home」が放つメッセージは、見事に重なると筆者は感じます。
――そんな日常の“憤り”や“挫折”に、
「それでも、帰ってくる場所はちゃんとここにあるんだよ」と、
この歌はやさしく寄り添ってくれるのです。
それは、家族という形を超えた“心の居場所”そのもの。
ドラマの中で登場人物たちが互いに向き合っていく姿と、
この歌が届ける“ぬくもりの言葉”は、観る人・聴く人の心をそっとほどいてくれるはずです。
最後に注目したいのが、タイトルの中でもっとも意味深なこの言葉――
「Come」。
もし、ただ「帰る」という行為だけを表すなら、タイトルは「Go Back Home」でもよかったはずです。
でも、彼らが選んだのは「Come」=“こちらへ来て”という語。
この違いは、とても大きな意味を持っています。
それはつまり――
「誰かが、あなたの帰りを待っている」という前提が込められている、ということ。
帰る場所が“家”ではなく、“人のぬくもり”であるなら、
この「Come Back Home」は、きっとこう言い換えられるはずです:
「おかえり。ずっと待ってたよ。」
それは、愛する人かもしれない。
親や子どもたちかもしれない。
あるいは、かつて離れてしまった自分自身かもしれない。
“Come”という言葉には、
誰かの想いが届くことを信じて、じっと灯りをともし続けるような、
“心の居場所”としての深い祈りと、優しさが込められているのです。
今回は、FUNKY MONKEY BΛBY’Sの楽曲「Come Back Home」を徹底考察しました。
FUNKY MONKEY BΛBY’Sの「Come Back Home」は、
聴き終えたあと、まるで
湯気の立ち昇る”しじみ汁”を飲み干したようなやさしさが心に残る楽曲です。
完璧じゃなくてもいい。
傷ついた日も、投げ出したくなった夜も、
「ただいま」と言えば「おかえり」が返ってくる――
そんな場所がある限り、人はまた前を向けるのだと筆者は思います。
音楽は、時に新しい“気づき”を。
時に、忘れかけた“何か”を思い出させてくれます。
「Come Back Home」――
その言葉が、誰かを待つあなたの心にも、
帰る場所を探すあなたの心にも、
きっとやさしく届きますように。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも彼らの楽曲を考察しています。
そちらもぜひ、ご覧くださいね。
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