―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS
毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、竹内まりやさんの「いのちの歌」を取り上げます。
「いのちの歌」は、2009年放送のNHK連続テレビ小説『だんだん』の劇中歌として初めて世に出たあと、2012年に竹内まりやさん本人のセルフカバーでシングルとしてリリースされました。
2012年元日に放送されたNHKドキュメンタリー番組の主題歌にも起用され、
“命の尊さ”や“人とのつながり”を静かに、そして力強く伝える楽曲として、
多くの人の胸に深く刻まれてきました。
発表から10年以上が経つ今でも、世代や時代を越えて、なお心を揺さぶり続ける名曲です。
本記事では、この「いのちの歌」の歌詞に込められたメッセージを、筆者自身が初めて聴いたときに浮かんだ2つのイメージとともに紐解いていきます。
きっとあなたの胸にも、静かに、そして温かく届く言葉があるはずです。
どうぞ、最後までお付き合いください。
この楽曲を初めて聴いたとき、私の脳裏に浮かんだのは、二つの情景でした。
どこへ向かうか分からないけれど、風に身を委ねながら、
それでもちゃんと“命”を運んでいる。
そんな綿毛の姿が、人のいのちの儚さや、出会いの奇跡を象徴しているように思えました。
家族で過ごした日常、何気ない笑顔、過ぎ去った時間……
ざらついたフィルムの粒子が、まるで“人生”そのもののように感じられました。
これらのイメージは、まさに「いのちの歌」が描こうとしている世界そのものではないでしょうか。
筆者は、そう感じています。
ここからは、いよいよ歌詞の世界へと踏み込んでいきましょう。
「いのちの歌」というタイトルが示すように、
この楽曲の中心には“命”というテーマがあります。
けれどそれは、ただ「生きている」という事実を指すのではありません。
「出会い」「記憶」「感謝」――目には見えないけれど、確かに存在するもの。
それらすべてを抱きしめてこその“命”なのだと、歌は静かにそっと伝えてくれます。
ここでは、その中でも特に印象的なキーワード3つに注目し、
この歌の根底に流れる想いを読み解いていきましょう。
※JASRAC管理楽曲のため、歌詞全文は掲載しておりません。
詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。
いつかは誰でも
この星にさよならを
する時が来るけれど
命は継がれてゆく
この楽曲の根底にある最大のテーマが、「いのち」。
生まれたこと、人と出会い、誰かを想い、愛すること――
それら一つひとつが“命の奇跡”であり、同時に、誰かの命に支えられている。
「命は継がれてゆく」という言葉には、生物的なつながりだけでなく、
“想いの継承”という意味も込められているように感じます。
親や祖父母からの愛、友人との記憶、小さな優しさの連鎖――
それらすべてが“いのち”の一部。
だからこそ、この歌は最後に「この命に ありがとう」と静かに結ばれるのです。
泣きたい日もある
絶望に嘆く日も
そんな時そばにいて
寄り添うあなたの影
“影”という言葉は、この楽曲の中でとても象徴的な存在です。
「寄り添うあなたの影」には、哀しさとともに、
“安心感”や“ぬくもり”も宿っています。
影は、光があるからこそ生まれるもの。
見えにくくても、確かに“そばにある”存在。
それは、日々見落としてしまいがちな“ささやかな喜び”の象徴とも言えるでしょう。
また、“影”は過去の記憶や、先人たちの残した想いでもあります。
大切な人の面影に触れたとき、私たちは“今”を見失わずにいられる。
そんなあたたかいメッセージが、夕暮れの光のように心に届いてきます。
生まれてきたこと
育ててもらえたこと
出会ったこと 笑ったこと
そのすべてにありがとう
この命にありがとう
楽曲の終盤に繰り返される「ありがとう」は、
まるで人生そのものの総括のように響きます。
生まれてきたこと。
育てられたこと。
誰かと出会い、笑い合えたこと。
どれも“特別な瞬間”ではないかもしれない。
けれど、それらが今の“わたし”を形づくっている。
そんな日々に「ありがとう」と言えることこそ、
“いのち”の尊さではないでしょうか。
――あなたは今、誰に「ありがとう」と伝えたくなりましたか?
2025年――戦後から80年。
日本は、かつて大切にしていた礼節や思いやりの心を、
どこかに置き忘れてしまいそうな不安定な時代を迎えています。
そんな中で、私たちの心の奥でも、何か大切なものを見失いかけているのかもしれません。
だからこそ、「いのちの歌」は、いま改めて注目を集めているのでしょう。
この星の片隅で
めぐり会えた奇跡は
どんな宝石よりも
大切な宝物
このフレーズが教えてくれるのは、
“人と人がつながる奇跡”、
そして、“今ここに生きている”という何より尊い”日常のかけがえなさ”。
忙しい毎日の中、立ち止まり、
大切な人を思い出すきっかけをくれる。
「いのちの歌」は、そんな優しさに満ちた一曲だと、筆者は感じています。
今回は、竹内まりやさんの楽曲「いのちの歌」を徹底考察しました。
「いのち」とは、特別なものではなく、私たちが生きる日常そのもの。
何気ない日々、ささやかな記憶、交わした笑顔、伝えたい「ありがとう」――
それらこそが、かけがえのない“奇跡”。
竹内まりやさんの「いのちの歌」は、そんな日常の尊さに
静かに気づかせてくれる楽曲です。
音楽は、聴くたびに新しい発見をくれます。
あなたにとっての「いのちの歌」は、どんな思いを運んできてくれましたか?
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは、
この他にも竹内まりやさんの楽曲を丁寧に考察しています。
彼女の音楽の世界観を、ぜひご堪能ください。
💬 感想や共感したポイントがあれば、ぜひコメントで教えてください。
📩 シェアも大歓迎です。大切な人に、この歌を届けてみませんか?
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