”――あなたの中にも、きっと“ⅢRD Eye”は宿っている。”
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする本シリーズ。
今回は、B’zの楽曲「The ⅢRD Eye」を取り上げます。
B‘zの最新楽曲「The ⅢRD Eye」は、2025年6月27日公開の映画「LUPIN THE ⅢRD THE MOVIE 不死身の血族」の主題歌として書き下ろされました。
ロックでありながら、どことなくジャズの香りが漂う芳醇なサウンドが心地よく耳に響き、全体から感じられる疾走感と相まって、聴き込むほどにその世界観の虜になってしまいます。
この記事では、音源や楽曲タイトルなどから「The ⅢRD Eye」に込められた意味を徹底的に掘り下げ、伝えたい想いの本質に迫っていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
音源を初めて聴いた時、筆者の脳裏に浮かんだイメージが、
“摩天楼を突き抜け天に伸びる一本の白い光”でした。
煌びやかで活気があり、街並みも華やか。
しかしながら、それは単に“華やか”“煌びやか”ではなく、その中に蠢く深い闇のカモフラージュであり、やがては漆黒の中へ引き込まれてしまう――
そんな中、真っ直ぐに天に向かって伸びる白い光が、闇を切り裂き、しっかりと未来への方向を指し示している。
そんなイメージが浮かんだのです。
「摩天楼から天に向かって一直線に伸びる白い光」──
それは、混沌とする世界の中で信じるべき正義を追い求めるルパンたちの姿にも重なります。
全体のテーマとして想定されるのは、「真実」「目覚め」「守るべきもの」。
その一つひとつが、“正義”とは何かを問いかけるように響いてきます。
であれば、筆者がイメージした“白い光”とは、“正義”の象徴かも知れませんね。
それでは、いよいよ歌詞考察に入ります。
ついに明らかになった「The ⅢRD Eye」の歌詞。
その世界観は、やはり“見えないものを見る力=第三の眼”を主軸に置いています。
以下に、主なフレーズを抜き出しつつ、意味を深く読み解いていきましょう。
“未明”という時間帯は、夜と朝の狭間、つまり「目覚めの直前」。
そこで“火傷しそうな”シャワーを“息を止めて浴びる”という表現は、痛みや混乱を引き受けながらも、現実と向き合おうとする意志を象徴しています。
真っ白な鏡とは湯気などで曇った鏡を表し、それは見えなくなった自分の姿を投影します。
それをこすって覗き込み、そこに自分の顔を歪めて映す――
これは、自分の中にある闇・偽り・弱さを”歪んだ顔”として描いているようです。
でもそれは、「何もないわけじゃない/気づいてないだけ」と続くように
本当の自分の力にまだ気づけていないだけだというメッセージにつながります。
ここで出てくる“その眼”こそが、「The ⅢRD Eye」=第三の眼(心眼)。
現実の情報や視覚に頼るのではなく、直感・精神性・信念をもって世界を見つめようという呼びかけです。
「手の届かないものなんてない」とは、まさに不可能を可能にする意志=ルパンたちの流儀を思わせます。
このフレーズは、ルパン三世のように、すでに物語は動き出している/気づいた者だけが真実を見抜けるという緊張感のある宣言。
人生も、愛も、正義も、常に“選択”と“行動”の積み重ねであることを突きつけています。
ここでは“第三の眼”によってまったく新しい世界(可能性・真実)を知ることができるという啓示が語られます。
“知らない空”や“見たことのない色”は、固定観念を超えたビジョン=ルパン一味のような自由な生き方を示唆しているとも受け取れます。
まさに“解き放て、自分を”。
“翼”は、自由・意志・飛翔の象徴。
あなたが“その眼”で本質を見抜くことができれば、どんな制約からも解き放たれ、自分自身の未来を描ける――
そんな勇気を与えてくれるフレーズではないでしょうか。
こちらでは楽曲タイトル「The ⅢRD Eye」に込められた意味を出発点にして、この曲が伝えようとしているメッセージを読み解いていきます。
映画の主題歌としての文脈や、B’zならではの音楽性を踏まえながら、「The ⅢRD Eye」が象徴するものを、3つの視点から考察していきましょう。
まず、“Ⅲ”という数字がタイトルに含まれている時点で、これはもうルパン三世の象徴でしょう。
ルパン一族の三代目である彼は、常に「表」と「裏」、善と悪の狭間を軽やかにすり抜ける男。
その中で彼が何より信じているのは、自らの“心眼”。
誰が味方で誰が敵か、どんなトラップが仕掛けられているのか。
見た目の情報に惑わされず、直感的に「本質」を見抜く目を持っている男──
それがルパン三世なのです。
二つ目の解釈は、「第三の目=私たちファンや観客自身」です。
ルパンの華麗な盗みのテクニック、銭形との不思議な信頼関係、次元や五右衛門との絆……
彼らの行動を見守りながら、時に共感し、時にハラハラする。
そんな“第三の視点”から彼らの生き様を追体験するのは、まさに私たち視聴者の役割ではないでしょうか。
そしてこの楽曲は、その「見る者」の存在も大切にしているように感じます。
ルパン一味を語る上で欠かせないのが、仲間たち。
彼らがそれぞれに持つ“心の目”──
つまり「ⅢRD Eye」が重なり合うことで、決して揺るがない信頼と絆を持つ“チーム・ルパン”は“不死身”なのだ。
こういったことを、楽曲タイトルは表しているのではないでしょうか。
最大の理由は、「次世代ルパン三世」の誕生です。
今回の映画は、”声優陣が初期メンバーではないルパン一味”が初めて正式に劇場版を担う、まさに新時代の幕開け。
そんな時代の節目に、B’zという圧倒的カリスマが、「第三の目=新しい視点」「未来を見据える意志」を歌い上げたのは偶然ではないでしょう。
昭和から平成、そして令和へ。
かつて“悪を欺く華麗なる盗賊”に胸をときめかせた私たちは、今、「未来を生きる意志」として再びルパンに魅せられる――
それを思った時、映画も主題歌も、注目されない訳がありませんよね。
「The ⅢRD Eye」──
それは、時代が変わっても変わらない“本質”を見抜く目。
そして私たち一人ひとりが、混沌とした世界で未来を見据えるための“心のまなざし”なのかもしれません。
今回は、B‘zの楽曲「The ⅢRD Eye」を徹底考察しました。
「The ⅢRD Eye」が意味するのは、見た目では捉えきれない“真実”を感じ取るための“心の目”。
ルパン一味が互いを信じ、時に敵すらも認める眼差しの中には、“本質を見る力”が宿っているのかもしれません。
この楽曲が、混沌とした現代においても、「正義とは何か?」「信じるものは何か?」という問いをそっと私たちに差し出しているように思えるのです。
愛と正義は、きっと“不死身”。
そう信じたくなる1曲だと筆者は感じました。
――あなたの中にも、きっと“ⅢRD Eye”は宿っている。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも多くの楽曲を考察しています。
よろしければぜひ、ご覧くださいね。
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