今回の「よもやま話」は
「分かりやすく」とは、誰に対してなのか というお話です。
毎日の会話だけではなく、インターネットで検索する際にもよく使う言葉
「分かりやすく」
最近、世の中で話題になっていることを踏まえ、誰に対して「分かりやすく」なのかを一緒に考えていきます。
私たちの暮らしの中では、様々な人と会話をする機会があります。
家族や恋人、友人や同僚といった人たちとの会話はちょっとしたニュアンスで分かることも多いので会話のスピードが速く、テンポもいいので楽しいですよね。
ところがこれが「学校の先生」や「会社の上司」となるとそうはいかない…
朝礼や訓示などになると難しい言葉を並べ立てて
終わってみれば「何を伝えたかったのか分からない」といったことが多いのではないでしょうか?
その割に、部下からの報告などには
「言ってることが分からん。もっと分かりやすく報告するように」と…
自分のことを棚上げしてよく言えたもんだ。と😜することもあるでしょう。
筆者もブロガーとして皆さんに情報発信をする際には、できる限り分かりやすい言葉に置き換えて伝えるように気をつけてはいるんですが、「会話をするように書けばいい」と言われても実際に会話している訳ではないので、細かい言い回しを伝えるのに苦労します。
表情やしぐさなどが見えない分、1文字1文字に気を遣うことになるんですが、そうなると今の世の中「オンライン」、「リモート」などによって画面を通しての会話ができるのは、本当にすごいと感じます。
ただ、そんな中でも全然分かりやすくないものはあります。
それは昨年来、ずっと続いている「新型コロナウイルス」に関する情報です。
長きに亘った「緊急事態宣言」、「まん延防止等重点措置」下での暮らしは、令和3年9月30日に全面解除となり、10月からしばらくはある程度の規制が残るものの、窮屈さは解消されるようですが「本当にこれで良いのか?」との疑念は晴れないままですよね。
これまでの流れを振り返って見ると…
新型コロナウイルスに感染し、発症した人が日本で確認されたのは、昨年(令和2年)の1月。
感染が全世界へと拡大し、第1波~第5波まで続いて、時期的に第6波に対する懸念があるのが現状。
これまでに多くのメディアが報じてきた「新型コロナウイルスに関する情報」について、デマやヘイトは数限りなくあったように感じますが「そもそも論」として、
ということを、完全網羅する形で理解している人ってどのくらいいるんでしょうか?
一時期あれだけ何回も何回もテレビや新聞、インターネットなどで垂れ流されていた情報ですから、おそらく多くの人たちが理解されていると考えます。
でも、そのことを「分かりやすく話す」となるといかがでしょう?
「分かりやすく」ということなので「専門用語や学術用語」は使えませんよ。
もし仮に「COVID19」なんて言ったら
「コビットだかラビットだか知んないけどさ~。何だいそれって?」と返されてしまいます
何事においてもそうですけど、頭で理解していても言葉にする際には、分かりやすく噛み砕く作業が必要になると私は考えます。
(それを「インプット⇔アウトプット」というんですけど、これもまた「専門用語」ですので、あえて使わないでお話しています。)
おそらく基準になるのが「中学生や小学生でも分かるように」といった感じになるのでしょうが、私からすれば、赤ちゃんはともかくとして「幼児」においても一緒に社会を生きている一員ですから、そういった子どもたちにも分かるようにしないといけないと考えます。
2度目の緊急事態宣言が出され、様々な「あることないこと」が情報として垂れ流されていた頃に、新型コロナウイルス感染症という病気について、子どもたちにおいても分かりやすく、大人においても一番理解が深まる内容のものを見つけました。
「コロナウイルスのおはなし」 “せかいがかぜをひいたから”
現役の産婦人科のお医者さん(高橋しづ子さん)が、子どもたちを対象として絵本で伝える内容になっています。
どんな内容なのか。
この絵本を朗読している動画がありますのでご覧ください。
※リンクを貼り付けておきますので、お時間のある時などにぜひともどうぞ
朗読:せかいがかぜをひいたから(TBS)
この絵本の中には「まめちしき」として、お話に出てくる少し難しい言葉などについて、より噛み砕いた内容のものが記されていて、子どもたちのみならず、読み聞かせなどをする大人においても理解が深まる内容になっていました。
変に子どもっぽく伝えるのではなく、かと言って細か過ぎても伝わらない。
ある意味「大人でも分からないことが多い病気なんだよ」ということを、子どもたちに目線の高さを合わせて伝えることが大切なんだと、この動画を観て感じました。
病気のことはこれで分かるとしても、今度は
などといった疑問について、分かりやすく伝えられる人ってどれくらいいるんでしょう?
今回の「全面解除」においても、単純に考えれば「感染している人の数が減った」、「ワクチンを注射した人が50%を超えた」などの理由が思い浮かびはしますが、はっきりとした答えがあって解除になる訳ではなさそうです。
最初の頃は「外へ出ないでください」、「距離を取ってください」、「マスクを着けてください」などと何回も何回もメディアに緊迫感のない顔を映してもらって「お願い」している政治家たち。
回を重ねるにつれて「お願い」が増え
国民に我慢をさせといて、政治家だけでなく官僚と呼ばれる公務員の人たちは
一番説明責任のある人たちが、子どもですら守れることを守れないようでは本末転倒です。
(都合に良い時だけ「国民の皆さま」なんて、気持ちが悪くていけませんよね)
こういったことを代りに説明している政治評論家や元政治家、ジャーナリストなどがいますが、絶対的優位な立場にいる人たちの説明ですから、先程のように「目線の高さを合わせる」ことなどする訳がありませんので、結局のところは様々な疑問にきちんと分かりやすく答えられる人は、誰もいないのではないでしょうか。
ただ、このことだけは分かりやすく伝わっています。
大した理由もないのに、中途半端な知識と情報で知ったかぶりして大騒ぎした結果、正確な情報が伝わらず多くの人が混乱し、格差や分断が拡大し、心を病んでしまう人が増え、中には命を落とした人もいた
人生の歩みの中で培ってきた経験や覚え込まされてきた知識が、元をただせば簡単に分かるようなことであっても複雑にしてしまい、事の本質を見づらくしてしまっていると私は感じます。
だからこそ、手段は何であれ言葉を伝える時には「誰に対して」との視点で考える必要があるのではないでしょうか。
子どもに対して話して聞かせるようにすることで、自分自身に対してもより分かりやすくなり、お互いに理解が深まっていく。
そのことを押さえておきながら、様々な問題に向き合っていくと、難しいと思うことも案外簡単に分かってしまうものなのではないでしょうか。
そしてそのことをより深めていくためには
互いの考えを否定することなく受け入れて
質問や答えを交わし合いながら突き詰めていくことが大切だと、私は考えます。