――一途な想いが辿り着いた奇跡は、深い闇の”軌跡”をも抱えていた…
あなたは「愛の奇跡」と「心の呪縛」を同時に抱えたことはありませんか?
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、Saucy Dogの楽曲「奇跡を待ってたって」を考察します。
Saucy Dogの「奇跡を待ってたって」は、
長尾謙壮さん・山田杏奈さん主演の映画
『恋に至る病』の主題歌として書き下ろされました。
掻き鳴らされるギターの音色が、青春期の様々な葛藤を映し出すようで、
切なさにやるせなさが重なり、縋るような想いが溶け合っていく―
そんなメロディーが印象的な楽曲です。
この記事では、楽曲イメージやタイトル、歌詞の意味を丁寧に深掘りし、
この歌が私たちに届けるメッセージを紐解いていきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
初めてティザー音源を聴いたとき、筆者の脳裏に浮かんだのは
「心の呪縛」でした。
自由になりたいのに、足かせのように過去や関係性が絡みついてくる。
何かに縛られた心が必死にもがく姿が透けて見えたのです。
この“解放されたいのにされない”感覚に、あなたも共感しませんか?
ここからは、歌詞に込められたストーリーを丁寧に深掘りしていきます。
※本記事では、著作権等により、すべての歌詞は掲載していません。
歌詞の世界観を詳しく知りたい方は、音楽配信サービスや歌詞検索サイトでご確認ください。
映画『恋に至る病』が描くのは、
愛と狂気の境界線を越えた先にある“真実の愛”。
そして、この楽曲が照らし出すのは、
その愛に潜む“光と影”のコントラストです。
それではここから、
Saucy Dog「奇跡を待ってたって」に込められたメッセージを、
映画の世界観と重ねながら丁寧に読み解いていきましょう。
Saucy Dogの「奇跡を待ってたって」は、
映画『恋に至る病』の世界観と深く共鳴しています。
そこにあるのは、純粋さがゆえに壊れていく愛の形。
誰かを守りたいと願う気持ちはやがて過剰になり、
相手を傷つけ、自分さえも追い詰めてしまう。
楽曲の主人公は、そんな“行き過ぎた愛”の中で揺れ動きます。
それはまるで、羽化を待ちながらも飛び方を知らない蝶のよう。
「さなぎのままではいられない」とわかっていても、
痛みの殻を破る勇気が持てない――そんな葛藤が滲んでいます。
この曲の核心は、「奇跡を待つ」ことへの否定です。
どれほど願っても、誰かが手を差し伸べてくれるわけではない。
本当の自由は、“待つ”ことではなく、“動き出す覚悟”からしか生まれない――。
映画『恋に至る病』で描かれる
「たとえあなたが罪を背負っていても、それでも愛してしまう」
というテーマは、まさにこの曲の想いと通じています。
愛が呪縛になっても、それを受け入れたうえで前に進もうとする強さ。
それは、誰かを救うための祈りであると同時に、
自分自身を取り戻すための闘いでもあります。
歌の後半では、主人公が“待つ側”から“動く側”へと変化します。
もはや奇跡を願うのではなく、自らの意思で運命を塗り替えようとする。
「もう誰も傷つかないでほしい」という想いは、
愛に疲れた者の弱さではなく、痛みを越えて人を想う強さの証です。
映画における登場人物たちもまた、
愛の形に翻弄されながら、やがてその呪縛を解こうとします。
たとえ過去をやり直せなくても、未来を書き換えることはできる。
その“生きる意思”こそが、タイトルに込められた真意――
「奇跡」ではなく「覚悟」こそが自由をもたらす
というメッセージにつながっているのです。
最後に残る言葉は、ただ一つの本能的な叫び――
“生きたい”。
それは、愛の痛みを知った人だけが抱ける祈りのようでもあります。
奇跡を待つことをやめ、現実の中でそれでも生きていく。
この歌は、“愛の終わりと再生”を描く、
現代の恋愛における救済の物語として私たちの胸に響くのではないでしょうか。
「奇跡を待ってたって」――
その後に続く言葉が何なのか?
あなたもこの部分に惹かれるのではないでしょうか。
「仕方ない」「分からない」「何も変わらない」といった
悲観的なものが浮かんで来ると考えられますが、
だからこそ”変えようと前に進む”、”知ろうとする”のだと思うとき、
このタイトルが示すのは、その後の”行動”だと筆者は感じました。
そして、核となる言葉が、映画が示す――
僕は君が好きだ。たとえ殺人犯だとしても。
これが、行動する”覚悟”になると筆者は感じます。
君と出会い、君を好きになり、君と恋をするようになっていく。
多くの”奇跡”が重なって進んで行く恋に至る「病」――
それが、恋する人が抱える”闇”であり、もう1つの”軌跡”。
それをも受け容れ、越えられる”覚悟”があるのなら、
どんなことがあっても愛するのだ――
そんなメッセージが、タイトルに込められているのではないでしょうか。
「奇跡を待ってたって」は、こんな心に効く“処方箋”になると思います。
音楽は、待ち続ける心を優しく解きほぐし、「自由への一歩」を促してくれると同時に、
自分自身の心と向き合うことで「覚悟」を促し、背中を押してくれるのです。
今回は、Saucy Dogの楽曲「奇跡を待ってたって」を徹底考察しました。
奇跡を願いながらも動けない自分を責める必要はありません。
けれど、そのままでは自由にはなれない――
だからこそ、この曲は背中をそっと押してくれるのです。
どうかこの歌を聴くことで、あなたの心にも新しい風が吹き込みますように。
そして――
この歌の全貌が明らかになったとき、
あなたが心に抱え込んでいたものが、
あなたを強くする大切な軌跡だったと気づけますように。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも彼らの楽曲を考察しています。
そちらもぜひ、ご覧くださいね。
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