【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回あなたの心に届けたい楽曲は
Perfume の Human Factory-電造人間- です。
日本の女性3人組音楽ユニット「Perfume」が
阿部寛さん主演の映画「ショウタイム7」の主題歌として発表したこの曲。
独特な不協和音と煌びやかなメロディーが、タイトなビートの中で違和感なく調和しているという不思議な楽曲であり、聴き込むほどに心が惹き込まれていく…そんな楽曲だと筆者は考えます。
今回は、そんなPerfumeの楽曲「Human Factory-電造人間-」について
印象的な歌詞の意味を徹底考察し、この歌が伝えたい想いの本質をお伝えします。
どうぞ最後までご覧ください。
それでは、歌詞考察に入ります。
まずは印象的な歌詞をご覧ください。
いつか教えられた それは本当なの?
「Human Factory-電造人間-」 Perfume 歌詞引用
誰も見たことがない あの塔の中身を
私たちは飼い猫 気づいていないわ
この衛星の歯車で 永遠に踊り眠るの
ある日誰かが造り変えた 眠りから醒めたら
私たちは飼い猫 気づいていないわ
「Human Factory-電造人間-」 Perfume 歌詞引用
この衛星の歯車で 永遠に踊り眠るの
足りない記憶が 階段上る 眠りから醒めたら
いつか教えられた それは本当なの?
「Human Factory-電造人間-」 Perfume 歌詞引用
誰も見たことがない あの塔の中身を
私たちは飼い猫 気づいていないわ
この衛星の歯車で 永遠に踊り眠るの
私たちは飼い猫 気づいていないわ
「Human Factory-電造人間-」 Perfume 歌詞引用
この衛星の歯車で 永遠に踊り眠るの
短い歌詞の中で何度も繰り返されるフレーズがあり
「飼い猫」や「塔」、「衛星の歯車」などの言葉が
それぞれ重要なキーワードになっているように感じられます。
こういったフレーズやキーワードを読み解いていくにつれて
筆者はこの部分全体が“現世”を表しているように感じました。
1つ1つのキーワードを丁寧に考察していきますね。
いつか教えられた それは本当なの?
誰も見たことがない あの塔の中身を
私たちは飼い猫 気づいていないわ
この衛星の歯車で 永遠に踊り眠るの
自由を制限されながらも、自身の状況に気づかず生きている存在を象徴していると考えられます。管理された社会や人々が無意識に従っている様子が窺えますよね。
この言葉に筆者は「国会議事堂」をイメージしました。「誰も見たことがないあの塔の中身」とあることから、その中で蠢く権力闘争やある種の支配構造、駆け引きなどを想起できる一方で、人々が知らされていない秘密の象徴とも捉えられるのではないでしょうか。
衛星は、システムの一部として回り続ける機械的な存在を意味していて、それを動かすものが「歯車」になると考えられます。これを社会に置き換えて考えると、人間が巨大な社会の歯車として動かされている。ということを示していると言えますよね。
キーワードが含まれた歌詞を見て行くと「私たちは飼い猫」「気づいていないわ」というフレーズが繰り返されることから、自分たちが従属的な立場にあることを意識すらしていない状況が描かれていると考えられ、これが「人間が知らぬ間に管理され、制御されている社会」ということになります。
映画『ショウタイム7』では、キャスター・折本眞之輔が、爆弾犯との生放送を通じて、真実を明らかにしようとする姿があり、これが楽曲における「塔の中身を知ろうとする行為」に重なる部分になるのではないでしょうか。
これを踏まえて歌詞を考察すると、こんな感じになります。
今、人々が見聞きする情報は
そのほとんどが「与えられるもの」であり
そこにある真偽については
誰も知ろうとしない…
情報に踊らされている間
密かに進む企てによって
人々は従わざるを得ない状況になって初めて
事の重大さを知ることになる。
巨大な権力を手にするものが
飴と鞭を巧みに操りながら
人間の姿をした猫たちを飼い馴らし
意のままに支配して創り上げられた社会。
それが、現世なのだよ…
何とも怖いですよね… しかしながら、怖がってばかりではありません。
どうしてか?
この歌が伝えたい想いの本質は、そこではないからです。
どういうことなのか? その真意をお伝えしますね。
筆者が、この歌が伝えたい想いの本質につながると考える歌詞は
この2つのフレーズにあります。
ある日誰かが造り変えた 眠りから醒めたら
足りない記憶が 階段上る 眠りから醒めたら
歌詞全体の中で意味合いが違い、明るい兆しを感じさせるものですよね。
1つずつ丁寧に考察していきます。
誰かによって「改変」されたことを示し、意図的な操作や洗脳が行われた可能性を感じさせるます。社会や権力者による情報操作、人間のアイデンティティの改変を意味しているフレーズになります。
「足りない記憶」とは過去の記憶が失われている、あるいは抑圧されている状態であることがわかり、「階段上る」という表現から記憶を取り戻し、真実へと近づくプロセスを示していると考えられます。
眠り=無自覚な状態、洗脳、従属を表し、醒める=覚醒、気づき、反逆であり、この2つのフレーズが歌詞のほぼ真ん中に置かれていることを考えた時、状況からすると現世の形は変化しつつあり、まさに「支配と覚醒の狭間」にあることを意味しているのではないかと筆者は考えました。
2つのフレーズをあらためて読み解くと、筆者の考える「明るい兆し」を決定的に表すのが「足りない記憶が階段上る」という歌詞であり、失われた記憶や真実へ近づこうとする意志を感じさせます。
映画の内容では、眞之輔が犯人と交渉する中で、視聴者に真実を伝え、社会のウソを暴こうとする姿が描かれていますが、これこそが「眠りから醒める」行為そのものであり、楽曲が伝えようとする“覚醒”と一致していますよね。
さらに、「ある日誰かが造り変えた」という歌詞は、社会が人々に対して作り上げた虚構や洗脳を表していて、メディア操作や情報統制といった現世における問題を暗に伝えているのではないでしょうか。
この楽曲全体に漂う暗い雰囲気は、管理された世界の閉塞感を表していますが、最終的には現実に気づき、本来の人間らしさを取り戻そうとする意志が込められていると筆者は考えます。
これはまさに「夜明け前」の状態であり
真実に目覚める直前の混沌とした心情を描いているのではないでしょうか。
以上のことから筆者は、この歌が伝えたい想いの本質を
「人間」を生き抜くための「夜明け前」だとしているのです。
今回は Perfume の Human Factory-電造人間- について
印象的な歌詞の意味を徹底考察し
この歌が伝えたい想いの本質をお伝えしました。
「Human Factory」とは、人間が機械のように生産・管理される存在であることを示しており、支配と覚醒の狭間にあるテーマが込められ、不協和音を取り入れたメロディーが楽曲の独特な雰囲気を形成し、歌詞と相まって「夜明け前」の混沌とした状態を感じさせています。
であるとすればこの楽曲は、ただ暗いだけでなく
「目覚めること」や「真実に気づくこと」によって
人間が本来の姿を取り戻せるという希望も秘めているのではないでしょうか。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
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