ALONE――それでも、空はあなたを見放さない。
人はなぜ、誰かとめぐり逢うために生まれながら、
これほどまでに「独り」を感じてしまうのでしょうか。
あなたは今、
“独りだ”と感じながら空を見上げていませんか?
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、B’zの楽曲「ALONE」を考察します。
B‘zの楽曲「ALONE」は、
1991年にリリースされた一曲です。
近年では、高市首相が高校生との対談の中で
「カラオケで歌ったりする曲」と語ったことで、
あらためて注目を集めました。
冒頭に響く衝動的な音像は、
やがて“祈り”のようなイントロへと姿を変え、
憂い、嘆き、葛藤、そして叫びへと流れていきます。
冷たさを帯びた空気の奥で、確かに燃えている情熱。
そこへ稲葉浩志さんの情感豊かな歌声が重なることで、
聴く者の胸と目頭を、静かに熱くしていく――そんな楽曲だと感じます。
この記事では、
「この楽曲が今を生きる私たちに何を語りかけているのか」
そのメッセージを、
心のケア=【メンタルエイド】の視点から読み解いていきます。
この曲を初めて聴いたとき、
筆者の脳裏に浮かんだのは――
“ダンジョン(地下迷宮)の出口”というイメージでした。
長く続く暗闇。
方向も正解も分からない道程。
進むほどに、自分が独りであることだけがはっきりしていく。
けれど、
遠くに微かに差し込む光が――
それは救いというものではなく、
自分の信念の下で辿り着いた「確かな光」。
夕焼け、舗道、懐かしい風の匂い――
歌詞に描かれる風景は、誰か特別な人のものではなく、
私たち一人ひとりが心の奥に持っている“故郷”のように感じられます。
あなたも、この曲を聴きながら、
「どこかで見た気がする景色」を思い浮かべませんか?
この楽曲が描いているのは、
“孤独は、必ずしも独りであることを意味しない”ということです。
舞台となるのは、
夕焼けに包まれた街に色づく舗道、
懐かしい風の匂い――
誰にとっても「見覚えのある日常」です。
そこに立つ主人公は、
新しい暮らしの中、慣れないながらも必死に生きている。
でも、ふとした瞬間に、過去の誰かを思い出してしまう――
それは未練ではなく、
人生の中で確かに存在していた感情が、
まだ心に息づいているという証です。
この曲が一貫して描くのは、
人は皆、等しく“独り”であるという事実。
それぞれ違う想いを抱いて生まれ、
同じ道を歩くことはできない。
だからこそ、
独りで立ち、
独りで空を見上げる時間が必要になる。
空を見上げたとき、がむしゃらだった情熱は、
心の奥で燻っているだけで、完全に消えてはいないことに気づく。
涙の色も、夢を語っていた頃と、何一つ変わっていない。
失う予感や不安を抱えながらも、
時は流れ、
人はまた誰かとめぐり逢っていく――
「ALONE」は、ただ単に「孤独」を感じさせる歌ではありません。
独りで生きることを引き受けながら、
それでもなお、かつて描いた夢と
確かな未来を信じ続ける人間の物語なのです。
「ALONE」という言葉は、
日本語にすると多くの場合、「孤独」「ひとりぼっち」と訳されます。
けれど、この楽曲で使われている“ALONE”は、
そのニュアンスとは明確に異なります。
楽曲の核心に置かれているのは、
“we’re all alone”――私たちは皆、独りである
という事実の提示です。
それは突き放しでも、諦めでもありません。
人は誰かと共に生きながらも、
最終的な選択や信念、人生の方向を、
自分自身で引き受けて生きる存在だという宣言だと感じます。
この曲が描く“ALONE”とは、
誰とも繋がれない状態ではなく、
誰とも同じにはなれない存在であること。
それぞれが違う想いを抱いて生まれ、
違う景色を見て、
違う痛みや喜びを経験する。
だからこそ、人は独りで立たなければならない。
しかし同時に、この“ALONE”は希望を含んでいます。
独りで立っているからこそ、
人は恋に落ち、
夢を抱き、
空を見上げることができる。
英語詞にある
I was born to fall in love
Hold your dreams it never ends
という言葉が示すのは、
独りであることと、愛や夢を信じることは矛盾しない
という強いメッセージです。
むしろ、
独りであることを引き受けた人間だけが、
本当の意味で誰かと巡り逢い、
何かを信じ続けることができる。
「ALONE」とは、
孤独ではなく、孤立でもなく、喪失でもない。
生きる覚悟を持った、ひとりの人間の立ち姿を表す言葉なのです。
この楽曲がそっと寄り添うのは、
独りで生きることを引き受けようとして、
その重さに、ふと立ち止まってしまった心です。
人は皆、
自分の人生を自分で選び、
自分の足で歩いていくしかない。
それが分かっているからこそ、
誰かに理解されない夜や、
自分だけが取り残されたように感じる瞬間が訪れます。
「ALONE」は、そんな心に対して、
「強くなれ」とも、
「前を向け」とも、
「いっそのこと忘れてしまえ」とも言わない。
ただ、
独りであることは、間違いではない
と、静かに肯定します。
空を見上げるという行為は、
現実から逃げることではなく、
自分の内側にある視線を、もう一度まっすぐに整えること。
この曲を聴いていると、
胸の奥で凍りついていた情熱が、
完全には消えていなかったことに気づきます。
夢を語っていた頃の自分、
がむしゃらに何かを信じていた感情、
それらが、今も確かに息をしている。
この楽曲が与えてくれる効用は、
「孤独を和らげる」ことではなく
独りである状態を、
“生きている証”として受け止め直させてくれること。
他者と比べなくていい。
答えを急がなくていい。
今は、空を見上げるだけでいい。
「ALONE」は、
心が折れる直前ではなく、
折れずに立ち続けようとする人のための処方箋なのです。
今回は、B’zの楽曲「ALONE」を考察しました。
人は皆、独りで生まれ、
独りで選び、
独りで信念を引き受けて生きていく。
その厳しさから目を逸らさず、
それでもなお、愛や夢へと向かう人間の姿を、
この曲は静かに描いています。
We’re all alone.
この言葉は、
突き放しではなく、
生きているという事実そのもの。
誰とも同じにはなれない。
だからこそ、
空を見上げ、
夢を抱き、
誰かを愛そうとする。
それは、
誰かの言葉ではなく、
自分自身の意志で人生を歩こうとする証です。
今日、もし立ち止まっているなら、
空を見上げてほしい。
あなたの、その「瞳」で――
空を見上げたとき、
情熱は消えていない。
夢も、終わっていないことに気づいたら、
視線をそっと、あなたの心へ。
「ALONE」は、
そんなあなたに向けて、
何も命じず、
ただ静かに寄り添い、支え続けてくれるでしょう。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも様々なアーティストの楽曲を考察しています。
ぜひそちらもご覧ください。
あなたの“心のリアル”に寄り添う一曲が、きっと見つかるはずです。
This website uses cookies.