――主役になれない恋でも、こんなにも心は惹かれてしまう。
あなたは、大切な誰かの物語の中で、
そっと脇役に立っていた経験はありませんか?
back numberの「ヒロイン」は、
恋の中心に立てないと知りながらも、
想いを手放せない心の揺らぎを、静かに、しかし確かに描き出す一曲です。
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、back numberの楽曲「ヒロイン」を考察します。
back numberの楽曲「ヒロイン」は、
2015年1月にリリースされた11枚目のシングル曲。
冬に聴きたくなる曲ランキングでは常に上位に名を連ね、
back numberの人気曲ランキングにおいても、長く愛され続けている“名曲”です。
高鳴る胸の鼓動、愛する人への想い、
そして優しさの奥に潜む切なさ。
この曲は、恋をした誰もが一度は抱える感情を、
冬の情景とともに丁寧に描いています。
この記事では、
「この楽曲が、今を生きる私たちの心に何を語りかけているのか」
という視点から、「ヒロイン」を読み解いていきます。
この曲を聴いてまず浮かぶのは、
澄んだ冬の空気と仄かな陽の温もりです。
吐く息は白く、指先はかじかむほどの寒さなのに、
心の奥だけが、誰かを想ってじんわりと熱を帯びている。
静かに降り積もる雪は、日常の雑音を包み込み、
恋心だけを際立たせていくように感じられます。
あなたも、寒い季節にふと誰かを思い出し、
「今、同じ雪を見ているだろうか」と考えたことはありませんか?
ここからは、歌詞に込められたメッセージをストーリーとして読み解きます。
※著作権の都合により、直接的な歌詞の引用は行っておりません。
この楽曲が描くのは、
自分が主人公になれないと分かっている恋です。
物語の語り手は、
自分が相手の日常に“似合わない存在”だと感じています。
それでも、降り始めた雪をきっかけに、
相手の街や暮らしに思いを巡らせてしまう――
連絡を取ろうとしてはやめ、
「好かれるような、強くて優しい自分」に変わりたいと願いながらも、
その一歩を踏み出すことができません。
映画や小説、音楽の中のヒロインに、いつも相手を重ねてしまうほど、
心の中心にはその人がいるのに、現実では選ばれる確信が持てない――
「この美しさを、誰と分かち合いたいのか」
そんな問いを抱えながら、
語り手は自分の立ち位置と向き合っていきます。
「ヒロイン」とは、本来、物語の中心に立つ存在ですが、
この楽曲は“近くて遠いヒロインの存在に揺れる心を抱く僕”を描いています。
であれば、タイトルに込められた意味は
“特別な一人”になりたいけどなれない人を表しているのではないでしょうか。
自分には、何も誇れるものはないし、勇気も力もないけれど、
それでも人は、誰かの世界で“特別な一人”でありたいと願ってしまう。
このタイトルには、
「選ばれなくても、想う気持ちそのものは否定されない」
という、静かな肯定が込められているように感じます。
孤独や憧れ、自己嫌悪――
誰もが一度は抱える感情が、この一言に凝縮されています。
「ヒロイン」は、次のような心の痛みに、そっと寄り添ってくれる楽曲です。
・想いが一方通行だと分かっている人
・自分に自信が持てず、恋に臆病になっている人
・誰かと比べて、自分を小さく感じてしまう人
この曲は、無理に前向きになることを求めません。
ただ、「その気持ちを大切にして、自分も愛して」と語りかけてくれます。
聴き終えたあと、切なさは消えなくても、
「こんな想いを抱く自分も、ちゃんと生きている」
そう思わせてくれるはずです。
今回は、back numberの楽曲「ヒロイン」を考察しました。
back numberの「ヒロイン」は、
主役になれない恋をしているあなたの心を、そっと肯定する歌です。
筆者にとって「ヒロイン」は、冬の歌であると同時に、
高校三年生の秋の記憶と重なる楽曲でもあります。
文化祭の準備で、放課後の校門前。
憧れの彼女と2人きりで飾りつけをしながら、
「明日、楽しみだね」と笑った彼女の笑顔を、
今でも、はっきりと思い出すことができます。
想いを伝えることはできませんでした。
それでもあの時間は、
筆者の中で確かに“輝いていた瞬間”でした。
誰かの物語の中で脇役だと感じる日があっても、
あなたの想いそのものが、消えることはありません。
もし今、寒さの中で立ち止まっているなら。
どうかこの曲を、あなたの心の処方箋に。
――雪が溶ける頃、きっとまた、新しい感情が芽吹くから。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも様々なアーティストの楽曲を考察しています。
ぜひそちらもご覧ください。
あなたの“心のリアル”に寄り添う一曲が、きっと見つかるはずです。
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