――“おっかない”のは世間か、それとも自分の心か。
あなたには、“心の声”を奪われそうになった瞬間がありますか?
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、WANIMAの楽曲「おっかない」を考察します。
WANIMAの楽曲「おっかない」は、2025年9月26日公開の映画
『俺ではない炎上』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
映画は、ある日突然SNSの落とし穴に落ち、“女子大生殺害犯”とされてしまった
山縣泰介(阿部寛さん)を主人公とする炎上逃亡ミステリー。
「無実の罪」「社会からの断罪」「逃げ場のない恐怖」といったテーマが描かれます。
その物語と共鳴するように、「おっかない」は
怒りや嘆き、葛藤、虚無、苦悶といった心情をむき出しにしながらも、
それでも信念を貫こうとする姿を描いた“激情型ロックチューン”です。
この記事では、楽曲イメージやタイトルなどを丁寧に深掘りし、
そこから感じられる情景やメッセージを【メンタルエイド】的視点で考察していきます。
初めて耳にした瞬間、脳裏に浮かんだイメージが、赤黒い焔(ほむら)でした。
暖を与える炎ではなく、社会の疑念や怒りが燃え広がる象徴が「焔」。
しかしながら、燃え盛る炎の奥に、幽かに見える青白い光が――
それはまさに、絶望に囚われながらもまだ消えていない
「希望の火種」を映し出しているようでした。
ここからは、歌詞に込められたストーリーを丁寧に深掘りしていきます。
※本記事では、著作権等により、すべての歌詞は掲載していません。
歌詞の世界観を詳しく知りたい方は、音楽配信サービスや歌詞検索サイトでご確認ください。
歌詞を読み解いていくと、こんな情景が浮かんできます。
名前も顔も知らない相手に罠を仕掛けられ、
SNSの群衆によって人生が刻一刻と裁かれていく――。
同調圧力によって巨大に膨れ上がった“民意”の暴走が、
“正義”の名のもとにひとりの人間の人生や生きがい、
夢、希望のすべてを切り裂き、焼き尽くす。
涙も声も出ないほどの恐怖と絶望を味わわされ、主人公の中で何かがキレた。
灰も残らぬ“焦土”と化した世界の真ん中に立ち、
「おっかない」という叫びを“反撃の狼煙”にして、
サディスティックに笑っていた者たちへの強い拒絶感と、
燃え残ったものを証として守り抜こうとする意思を抱きながら、
怒りを灯火にして立ち向かう決意をする。
つまりこの歌は、
「社会にねじ伏せられても、自分を見失うな」
という強いメッセージを投げかけているのではないかと筆者は感じます。
炎上の被害者の視点で焼け跡を歩くような情景を思い浮かべながら、
匿名性と群衆心理の怖さ、そして“想いを守ること”の大切さを
この歌詞から感じ取ることができるのではないでしょうか。
「おっかない」という響きは、
子どもが“怖い”を覚えるときに口にするような、素朴で本能的な言葉です。
では、WANIMAがあえてその言葉をタイトルにしたのはなぜでしょうか。
映画の内容から考えれば、
“おっかない”ものはSNSでの炎上、同調圧力、そして周囲から広がる噂かもしれません。
けれど本当に恐ろしいのは、そうした外的要因によって
「自分を信じられなくなること」 ではないでしょうか。
これこそが一番の「おっかない」状態。
つまり、自己肯定感を削ぎ落とされること、
そして “事の本質を視ないまま”空気に流されること が、
人にとって根源的な恐怖なのです。
WANIMAはこのタイトルを通して
「怖さを否定するのではなく、その正体を見極めろ」
と訴えているのではないでしょうか。
それこそが、炎上の時代に貫くべき“想い”だと筆者は感じます。
「おっかない」は、心にこんな効き方をしてくれる楽曲です。
音楽が処方箋になるとすれば、この曲は「恐怖を抱えた心に勇気を与える薬」です。
今回は、WANIMAの楽曲「おっかない」を徹底考察しました。
WANIMAの「おっかない」は、
燃え広がる炎のような不安や怒りを映し出しながらも、
その中で自分の想いを信じ抜くこと の大切さを教えてくれる歌です。
炎上や噂、同調圧力は確かに恐ろしい。
けれど何よりも怖いのは、
それらに押し潰されて 自分を疑い、本質を見失ってしまうこと。
この曲は、そんな時に「想いを手放すな」と力強く背中を押してくれます。
怖さを抱えたままでもいい。
想いを持ち続けることが、あなた自身を守る灯になるのです。
――だからこそ、「おっかない」を聴くことは、
炎上の時代を生き抜くための処方箋となり得るでしょう。
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
他にも多くの楽曲を考察しています。
そちらもぜひ、ご覧くださいね。
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