――“私が私を好きになれる日は、いつ訪れるのだろう。
あなたは、最後に自分をちゃんと褒めたのは、いつですか?
―心に効く、音楽の処方箋―
【メンタルエイド】
BRAND-NEW MUSIC DAYS
今回は、M!LK(ミルク)の楽曲「イイじゃん」を考察します。
M!LKの「イイじゃん」は、2025年3月にリリースされた
2ndアルバム『M!X』に収録された一曲です。
軽やかで清楚なポップサウンドと、
やや妖しさを帯びたテックハウス的な質感が共存し、
聴き込むほどに“光と影が入れ替わる”ような不思議な魅力を放っています。
この記事では、単なるトレンドとしての視点ではなく、
この曲が“現代を生きる私たちの心に何を残すのか”。
といった、メンタルエイド的視点で紐解いていきます。
私が初めて「イイじゃん」を聴いた時、脳裏に浮かんだのは
“真夜中にふと眺める月明かり”。
“真夜中”とは、心の深層を表しているように感じました。
何かで自信を失って俯いていても、
ふと何処かから届く声や音が、
“本当のあなたはもっと輝ける”と囁くように寄り添ってくれる。
――そんな温かさを感じたのです。
あなたにも、そんな瞬間はありませんか?
ここからは、歌詞の内容をストーリーとして描きながら解説していきます。
※著作権の都合上、歌詞の引用は行っておりません。
詳しい歌詞は音楽配信サービス・歌詞サイトでご確認ください。
歌の冒頭で語りかけている“君”は、
自分を否定しがちで、周りと比べて落ち込み、
時に涙をこぼしてしまうような存在です。
そんな“君”に向けて、
「誰かのために生きなくていい」
「唯一無二のあなたは、そのままでイイ」
というまっすぐな肯定の言葉が並びます。
そして突然の“今日ビジュ、イイじゃん”。
ちょっと軽く聞こえるかもしれませんが、
これは落ち込んだ心を一気に明るく照らす魔法の言葉。
褒める、肯定する、笑顔にさせる――
その全部を一言に詰め込んだような温もりがあります。
中盤で描かれるのは、“君を励ましている側”の視点です。
「だいぶ遠回りしたけど、最近自分を好きになれてきた」
この告白には、
傷ついた季節を通り抜けた人にしか分からない重みがあります。
だからこそ、“君”をただ励ますのではなく、
“あなたの今は誰にも奪えないよ”
“今のあなたは確かに生きているよ”と、深く寄り添えるのです。
自分自身を好きになる道は、最短距離でなくていい。
その実感が曲の温度を優しくしているように感じます。
後半は、まさに“応援のクライマックス”。
夢を追っていい。
信じていい。
やっちゃっていい。
本当はその一歩が怖いのに、
背中を押してほしいときに、
この言葉のシャワーが降り注ぎます。
「みんなみんなイイじゃん」
「らしくってイイじゃん」
これは単なるポジティブワードではなく、
自己肯定の扉を開く合言葉 のようなパワーを秘めたフレーズ。
迷うあなたの背中を、
優しく、それでいて確実に押してくれるエールです。
何度も連呼される「イイじゃん」。
“いい”ではなく“イイ”と表記している点に、
意図されたニュアンスがあるように感じます。
この二つを重ねたような温度感を持つ“イイ”。
客観的評価と主観的愛情、そのどちらも込めて
“あなたは(あなたで)イイんだよ”と伝えているように思えます。
つまり「イイじゃん」は、
自己否定に陥りがちな心を解き放つための鍵となる言葉。
ありふれた言葉ではなく、
“今この瞬間のあなた”を優しく抱きしめる。
そんな魔法の一言なのではないでしょうか。
「イイじゃん」はこんな心の痛みに寄り添います。
この曲は、
落ち込んだ日の帰り道、ふとイヤホンから流れた瞬間に
心をすっと救ってくれるタイプの“処方箋”です。
特に、“映える褒め言葉”ではなく、
生活の中に溶け込む温もりとして届くので、
何度聴いても心がじんわりと整っていきます。
今回は、M!LKの楽曲「イイじゃん」を徹底考察しました。
M!LKの「イイじゃん」は、
自己否定してしまう心にそっと寄り添い、
未来に踏み出す勇気をくれる一曲です。
誰かのためではなく、“あなたのために生きていい”。
そして――
「今日のあなた、イイじゃん」
その一言を、どうかあなた自身にも向けてあげてください。
あなたがまた前を向けるように。
鏡に映る自分の姿に、心から「イイじゃん」といえるように――
BRAND-NEW MUSIC DAYSでは
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